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アイルランドのチャンピオントレーナー、エイダン・オブライエン調教師は今週末、仏ダービー・仏オークスのダブル制覇を狙う。

G1・ディアヌ賞(仏オークス)で主役となるのは、ダイヤモンドネックレスだ。オブライエン調教師が率いるバリードイル勢は2週前、G1・ジョッケクルブ賞(仏ダービー)で圧倒的な結果を残しており、同馬はその勢いをフランス牝馬クラシックへと繋げる役割を担う。

仏ダービーでは、コンスティテューションリバーが勝ち、オブライエン厩舎がワンツースリーを独占した。同師は仏ダービー3勝目を挙げ、勢いそのまま、2021年のジョーンオブアーク以来となる仏オークス2勝目を目指すことになる。

オブライエン厩舎の仏ダービー上位独占は、まさに戦術の妙として称賛された。モントリオールがしっかりしたペースを作り、ライアン・ムーア騎手のコンスティテューションリバーが差を詰めて交わす流れを整えた。ホークマウンテンも粘り強く脚を使い、2着に入った。

バリードイル勢が先手を取り、ときには後続を大きく離して逃げる光景は珍しくない。それでもオブライエン師は、戦術面の意味合いを強調しなかった。

「いつもごくシンプルなことですし、一定のペースで流れれば、どの馬にとっても力を出しやすいと思います」と、オブライエン師は勝因を説明する。

「戦術の話だとは思っていません。私たちが望んでいるのは、よどみなく流れる競馬だけです。そうなれば、最後にそれぞれの立ち位置が分かりますし、自分の馬が距離をこなせるのか、こなせないのかも見えてきます」

「そういうペースになれば、馬群が必要以上に詰まることもありません。理由があるとすれば、それだけです。よどみなく流れる競馬になれば、それぞれの力関係も、ある程度はっきりするのだと思います」

その考え方は、オブライエン師のアイルランドと英国のクラシック通算100勝へと繋がってきた。直近の勝利は、エプソムの英ダービーを制したクリスマスデーである。一方、フランスのクラシックでは、英愛ほど圧倒的な存在だったわけではない。フランスのクラシック勝利数は12勝。ただし、そのうち7勝は過去5年で挙げたものだ。

そして5月、無敗のダイヤモンドネックレスがG1・プール・デッセ・デ・プーリッシュを制し、オブライエン師は仏1000ギニー初制覇となった。今度は、今年のフランスクラシック4戦のうち、3勝目となる勝利を狙う。

「ダイヤモンドネックレスについては、仏1000ギニーを勝ってからすべてが順調です」とオブライエン師はコメント。パリロンシャン競馬場の重馬場で3馬身差をつけた勝利を指しての言葉だった。

「とても満足しています。ギニーでうまくいけば、仏オークスでもう一度遠征するというのが当初からの計画でした。前走後もすべて非常に順調です。馬場が良くなれば、さらに良さが出る馬だと思っています」

ダイヤモンドネックレスは、オブライエン厩舎の仏ダービー初制覇となったセントマークスバシリカの産駒だ。G1・エクリプスステークスとG1・アイリッシュチャンピオンステークスも制した、2000m路線の名馬である父との共通点を感じているという。

「ダイヤモンドネックレスにとって、1マイル1/4、つまり2000mの距離が問題になるとは考えていませんでした。もちろん、日曜にさらに多くのことが分かるでしょう」

「いい馬ですし、とても素直です。バランスもいい。中型の牝馬で、レースでは大抵スムーズに運べるタイプです。父のセントマークスバシリカによく似ています。彼も1マイル1/4に距離が延びたとき、さらに良くなりました。この馬の走りは、父に本当によく似ています」

Aidan O'Brien and Ryan Moore
AIDAN O’BRIEN, RYAN MOORE / Epsom Downs // 2022 /// Photo by Andrew Redington (Getty Images)

オブライエン厩舎としては、火曜の登録取消期限を終えた段階で、まだ4頭の牝馬を候補に残していた。ただし、同調教師によれば、2100mのこのレースに、ダイヤモンドネックレスとともに送り込まれる可能性が高いのは1頭だけだという。

「出走させるとすれば、モーメンツオブジョイかもしれません」とオブライエン師は言う。「この馬にはいくつか選択肢がありました。英オークス、アスコットのリブルスデールステークス、そして仏オークスです。現時点では、仏オークスに向かう可能性があると考えています」

「まだ良くなる余地があると思っていますし、距離も合うと見ています。コースも合うでしょう。軽い良馬場を好むと思います。渋った馬場は、それほど歓迎しないはずです。とてもフットワークのいい馬です」

仏オークスにはほかに、G3・ミュージドラステークスで2着に入ったフェリシタス、仏1000ギニー3着馬のグリーンスピリット、そしてニューマーケット競馬場のG1・英1000ギニー2着馬、カール・バーク厩舎のエヴォリューショニストも出走してくる見込みだ。

取材に応じたカール・バーク調教師は、「この馬は力をつけています。ニューマーケットで走った5月の時点より、間違いなく今の方がしっかりした牝馬になっています」と、エヴォリューショニストについてコメント。

バーク師はまた、エヴォリューショニストの距離延長について「90%」と対応力に自信を示した。

その一方で、火曜朝の追い切りでシェーン・フォーリー騎手が同馬に「かなり好感触」を得たことを受け、ロイヤルアスコットの1マイル戦、G1・コロネーションステークスへ向かわせるべきだったかもしれないという、わずかな「後悔」も口にしている。

「少し違う乗り方をするつもりです。ギニーのときほど積極的には乗りません」とバーク師は話す。「ダイヤモンドネックレスをどう負かせばいいのかは分かりません。ただ、1頭だけを恐れていてはいけません」

1957年6月8日、英国女王エリザベス2世は、自身の所有馬で初めてクラシック勝ち馬を送り出した。ノエル・マーレス調教師が管理し、レスター・ピゴットが騎乗したカロッツァが、英オークスを制したのである。

ピゴットとマーレス師はその2日前にも、ヴィクター・サスーン氏所有のクレペロで英ダービーを勝っていた。カロッツァは、1909年にエドワード7世所有のミノルが英ダービーを制して以来、48年ぶりにエプソムでクラシックを勝った王室所有馬となった。この牝馬は、ナショナルスタッドからのリース所有だった。

1978年6月10日、スティーヴ・コーゼン騎手は18歳でアファームドに騎乗し、ベルモントステークスを制した。これにより、米三冠を達成した最年少騎手となった。

1898年6月11日、ウィリー・シムズ騎手はプリークネスステークスを制した唯一アフリカ系米国人騎手となった。同時に、米三冠競走すべてを勝った唯一のアフリカ系米国人騎手にもなった。そしてそのちょうど21年後、1919年6月11日には、サーバートンが米国初の三冠馬となった。

今週の注目記事は、マイケル・コックス記者による、ジョン・サイズ調教師の人物像に迫った一本だ。

今なお競馬界で最も偉大な調教師の一人であり、常に馬のことを考え続ける一方で、この世界で最も誤解されている謎めいた人物の一人でもあるジョン・サイズ師を描いた、興味深く洞察に富む特集記事である。

ザック・ロイド騎手は先週、英国で初勝利を含む2勝を挙げ、来週はロイヤルアスコットで騎乗する。アダム・ペンギリーは昨年8月、オーストラリアの若き注目騎手を取材し、自信の持ち方、裁決委員室に呼ばれないための線引き、そして父が示した不屈の姿勢について話を聞いた。

今週の大井競馬場で行われた東京ダービーは、「大井の帝王」と呼ばれた伝説の名手・的場文男騎手が引退してから16カ月、そして大井競馬の観衆を「的場ダンス」で沸かせた最後の騎乗から、まもなく2年が経つことを思い起こさせた。

引退発表当時のデイヴィッド・モーガン記者の記事は、その驚異的なキャリアを簡潔に振り返っている。

今週は、日本からマスカレードボールがアスコットのキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスへ遠征することも明らかになった。

そこで、昨夏の特集を振り返りたい。アスコット、ヨーク、グッドウッド、レパーズタウンの各競馬場にとって、日本馬をはじめ、他地域からの遠征馬が主要競走に参戦することの重要性を掘り下げた記事である。

先週日曜、パリロンシャン競馬場で行われた3歳馬のリステッド戦はいずれも注目に値する。

ここでは、その勝ち馬3頭の一角、ヴェルテメール家の自家生産馬であるオーヴァーナイトに注目したい。同馬は2000mのリッジウェイ賞を3馬身差で制した。昨年、凱旋門賞を制したダリズも勝っているレースだ。

同レースがオーヴァーナイトの2勝目だった。3月のデビュー戦では2着に敗れていたが、以降は目を引く上昇曲線を描いている。顔に大きな白斑があり、右前脚にも長めの白斑が目立つ派手な栗毛馬は、これまで出走したすべてのレースで一番人気に支持されており、厩舎内で高く評価されていることをうかがわせる。

今回は行きっぷり良く進み、加速していく過程ではまだ粗さを残したが、大きなストライドを生かし始めると3馬身突き放した。さらに上のクラスへ進んでいける可能性を示す勝利だった。

アンドレ・ファーブル厩舎の同馬は、4代母にG1・凱旋門賞馬のゴールドリヴァーを持つ。父はナイトオブサンダー、この種牡馬はまだ2400m級のトップホースを出していない。それでもオーヴァーナイト自身はさらに距離が延びてもこなせそうな走りを見せており、1マイル半のG1・パリ大賞と凱旋門賞にも登録がある。

ただし次走は、6月28日にサンクルー競馬場で行われるG2・ウジェーヌアダン賞になる見込みだ。

ファーブル師は長年、3歳馬を狙った時期に仕上げる名手として知られてきた。春から初夏のクラシックであっても、馬が成長した年後半であっても、それは変わらない。ジュドモント自家生産牝馬のディスパッチズもまた、2000mのメリザンド賞をきっちり勝って4戦3勝とし、このクラスにとどまらない力を感じさせた。

そして、注目しておきたいリステッド勝ち馬の3頭目が、ゴドルフィンのフォルトゥナダイヤモンドである。こちらもナイトオブサンダー産駒で、未出走のままチャーリー・アップルビー厩舎からアンリ・アレックス・パンタル厩舎へ移籍して以降、3戦全勝としている。とはいえ、最も目立つ存在はオーヴァーナイトだ。

ストラドブロークハンデキャップ & Q22
イーグルファーム(オーストラリア)、6月13日

ジェームズ・マクドナルド騎手は6月13日土曜、イーグルファーム競馬場の芝1400mで行われるG1・ストラドブロークハンデキャップで、クリス・ウォーラー厩舎の牝馬ファンガールに騎乗する予定だ。ただし、馬場が悪化しすぎないことが条件となる。

このレースには、メルボルンカップを制したジェイミー・メルハム騎手が騎乗する可能性もある。同騎手はシックスティーズとのコンビを選んでおり、同馬は現在補欠1番手で、出走には1頭の回避が必要となる。地元勢で人気のロスファイアのほか、プライベートアイ、そして直近のキングスフォードスミスカップを制したヘッドリーグランジも出走予定だ。

キアロン・マー調教師はジミーズスターを回避させたが、ウォーニーとアナザーウィルを出走候補に残している。この日はほかに、芝2200mのG2・Q22、そして2歳馬による芝1マイルのG1・JJアトキンスステークスも行われる。

ロイヤルアスコット開催
アスコット(イギリス)、6月16~20日

5日間にわたるロイヤルアスコット開催では、質の高いレースが数多く組まれている。前年覇者のオンブズマンと凱旋門賞馬のダリズが対戦する可能性のあるG1・プリンスオブウェールズSをはじめ、G1・クイーンアンS、G1・ゴールドカップ、G1・セントジェームズパレスS、G1・コロネーションS、G1・キングチャールズ3世S、G1・クイーンエリザベス2世ジュビリーS、G1・コモンウェルスカップなどが注目の一戦だ。

愛ダービーデー
カラ(アイルランド)、6月28日

愛ダービーは1866年に創設された。英ダービー馬がアイルランドへ向かい、ダービー連勝を狙うことは珍しくない。今年はエイダン・オブライエン厩舎のクリスマスデーが、その連勝に挑む可能性がある。

この偉業を最初に達成したのは1907年のオービーで、昨年はランボーンが新たにその名を連ねた。オブライエン厩舎は愛ダービーを17回制しており、最初の勝利は1997年のデザートキングだった。

ダーバンジュライデー
グレイヴィル(南アフリカ)、7月4日

ダーバンジュライは、南アフリカ競馬のシーズン中盤を飾る大一番である。ただし、長く有力候補と見られてきたシーイットアゲインとエイトオンエイティーンは、先週末のG1・ゴールドチャレンジでの内容が物足りなかったことを受け、今週になって出走を取りやめた。

その2頭を管理するジャスティン・スネイス調教師は、それでもまだ6頭を出走候補に残している。その中には、ゴールドチャレンジ2着のリーガルカウンセル、そして前走のG2・ウーラヴィントン2000を勝って4連勝を決めたG1・ケープダービー馬のウィッシュリストが含まれている。

エクリプスステークスデー
サンダウン(イギリス)、7月4日

エクリプスステークスは、英国とアイルランドの中距離3歳馬にとって、古馬と対戦する最初の大きな機会となる。10ハロンのこの一戦は、競馬史に残る名馬たちが勝ってきたレースでもある。

昨年2着のオンブズマンは、G1・仏ダービー馬のコンスティテューションリバーとここで対戦する可能性がある。ただし、コンスティテューションリバー陣営は別の選択肢も同時並行で検討しているようだ。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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