日曜日にシャティン競馬場で発生した複数の落馬事故により、香港競馬のジョッキーリストはシーズン中盤にして大幅に入れ替わることになった。負傷して療養期間に入った4人の騎手の穴埋めとして、多くの実力派ジョッキーが香港にやってくる予定だ。
イギリスのスタージョッキー、ライアン・ムーア騎手を始め、リチャード・キングスコート騎手、デクラン・マクドノー騎手、ジェームズ・オーマン騎手、トム・マーカンド騎手とホリー・ドイル騎手が欠員を埋めるべく、日曜日以降に香港ジョッキークラブの騎手一覧に加わる。
香港競馬は騎手同士も熾烈な競争を繰り広げる環境だが、ムーアはこれまでもこの国で多くの成功を収めてきた。今回、短期免許で香港に再び戻ってくることになる。
41歳のムーアはハッピーバレー競馬場で開催されるロンジン・インターナショナルジョッキーズチャンピオンシップ(IJC)で2回の優勝実績を誇る。G1・香港カップは2勝、さらに香港最高峰のレース、香港ダービーも過去に制している。
ムーアと同様、キングスコートもイギリスとアイルランドでG1を複数回制しており、2022年にはデザートクラウンに騎乗してエプソム競馬場のG1・英ダービーを制覇した。昨年2月には来日も経験している38歳の同騎手だが、この冬はイギリスのオールウェザーシーズンを中心に戦っていた。なお、香港での騎乗は今回が初経験だ。

27歳のジョッキー、オーマンはG1制覇の経験こそないものの、ブリスベン地区の騎手リーディングを快走する実力者だ。現在、2位とは4勝差と予断を許さない状況だが、香港競馬での騎乗機会を優先して母国を離れる。ベン・トンプソン騎手の背中を追いかけるように、クイーンズランド州の騎手が香港競馬に挑戦する。
アイルランド出身、デクラン・マクドノーは国内の一流厩舎からの信頼も厚く、母国の平地競馬におけるトップジョッキーとして名を馳せている。45歳のマクドノーは7度のG1勝利(最後の勝利は2020年)を誇り、先日逝去したアガ・カーン殿下と専属契約を結んでいたこともある。
2006年にはアイルランドのリーディングジョッキーに輝いたマクドノーは、同年のIJCで香港競馬初騎乗を果たすと、さらに同年のG1・香港マイルにはムスタミートに騎乗した。香港での騎乗はこれが16年ぶり、モアズウェルズに騎乗してG1・香港ヴァーズに挑戦(12着)したとき以来の来訪となる。

現在療養中の騎手はザック・パートン、ヴィンセント・ホー、アンガス・チャン、キース・ヨンの4名。いずれも長期間の離脱が見込まれている。そのため、マクドノーの短期免許は2月23日から4月2日まで、キングスコートとオーマンは2月19日から4月2日までが有効期間とされている。
マーカンドとドイルは日曜日のシャティン開催と、水曜日のハッピーバレー開催の計2日間を予定。ムーアは2月26日から3月5日までの3開催で騎乗する予定だ。