矢作芳人の最新ニュース
06/11/2025
「日本で逃しても米国で…」矢作師、フォーエバーヤングの“年度代表馬”論争に皮肉交じりの一言
今週のワールド・レーシング・ウィークリーは二本立て。ドイツのG1・バイエルン大賞では、繁殖牝馬セールを控える一頭の英国牝馬が、キャリア最後の一仕事に臨む。
デイヴィッド・モーガン, ワールド・レーシング・ウィークリー
02/11/2025
日本馬初のBCクラシック制覇、矢作調教師とフォーエバーヤングが塗り替えた日本競馬の「夢」
長年の試行錯誤と執念の末、フォーエバーヤングがデルマーでBCクラシックを制覇。雪辱と熟達が結実した歴史的な一勝は、日本競馬の海外遠征に新たな章を開いた。
デイヴィッド・モーガン
31/10/2025
歴史的な“四天王”決戦、フォーエバーヤング参戦のBCクラシックは大注目の豪華対決に
大本命のソヴリンティこそ不在だが、BCクラシックには「歴史的」の煽り文句が相応しい好メンバーが揃った。一方、BCダートマイルには、来日を見据える「ウルグアイの無敗馬」が参戦する。
デイヴィッド・モーガン, ワールド・レーシング・ウィークリー
30/10/2025
熱発のソヴリンティはBCクラシック回避、フォーエバーヤングは「完璧」追い切りで世界一へ
前売りで一番人気の米二冠馬・ソヴリンティが熱発で出走を取り止めた一方、フォーエバーヤングの最終追い切りを実施。坂井騎手は「完璧」と手応えの良さに笑みを見せた。
デイヴィッド・モーガン
29/10/2025
BCクラシックに暗雲、ソヴリンティが熱発…フォーエバーヤングやフィアースネスは万全ムード
「20年に一度」「世代決戦」と謳われる超豪華対決に向けて、ソヴリンティ、ジャーナリズム、フィアースネス、シエラレオーネ、そしてフォーエバーヤングの動向を取材した。
デイヴィッド・モーガン
矢作芳人のプロフィールは?
矢作芳人調教師は日本を代表する調教師であり、世界的にもその名を轟かせる調教師だ。勝利数では4回、獲得賞金では6回も、JRAの年間タイトルを獲得している。そして、三冠馬の調教師としても知られている。
矢作は海外遠征でも数々の記録を打ち立てている。ドバイ、オーストラリア、サウジアラビア、香港、アメリカで高額賞金レースに勝利した。また、2024年のケンタッキーダービーではフォーエバーヤングが僅差の3着に入り、日本馬初の偉業まであと一歩というところに迫った。
矢作芳人の生い立ち
矢作芳人は1961年に東京都で生まれ、地元の大井競馬場を見て育った。父の矢作和人はかつて騎手として活躍し、大井競馬場で厩舎を開業した。若い頃、父から言われたことは「海外で競馬を学び、中央競馬で働くように」ということだった。
1980年代にはオーストラリアに渡って、現地のネヴィル・ベッグ厩舎やバート・カミングス厩舎で働いていた。90年代に入るとJRAの協力もあってイギリスに派遣され、ジェフ・ラッグ厩舎で3ヶ月間の研修を行った。
80年代に大井競馬場で父の厩舎を手伝っていた時代には、海外からインターバルトレーニングを持ち込んで導入したことで知られている。1984年にJRA競馬学校の厩務員課程を卒業すると、栗東トレセンに配属となった。そこで菅谷禎高厩舎のスタッフとして頭角を現すと、菅谷調教師から「調教師試験を受けるように」と転身を薦められた。
調教師試験には13回も落ちたが、2004年にようやく試験を突破。その翌年に、栗東トレセンで調教師としてのキャリアをスタートさせた。
矢作芳人、最大の偉業は?
三冠馬を育てたこと、リーディング調教師を獲得したこと、数々の素晴らしい功績を残している矢作芳人調教師だが、最大の偉業はブリーダーズカップでの活躍ではないだろうか。
2021年、カリフォルニアのデルマーで開催されたブリーダーズカップに、矢作調教師は2頭の牝馬を送り込んだ。ラヴズオンリーユーはBCフィリー&メアターフで日本馬初のBC勝利を実現、マルシュロレーヌは伏兵という扱いながらダートで地元アメリカ馬を打ち負かし、BCディスタフを勝利した。
2025年、同じくデルマー競馬場で行われたブリーダーズカップでは、フォーエバーヤングでBCクラシックを制覇し、北米ダート競馬の頂点に上り詰めた。

矢作厩舎の代表馬は?
矢作調教師はリスグラシュー、ラヴズオンリーユー、フォーエバーヤング、リアルスティール、パンサラッサ、ディープブリランテ、グランプリボスなど、数多くの有名馬を輩出してきた。
しかし、その中でも代表馬と言えるのはコントレイルだろう。ディープインパクト産駒のコントレイルは2020年の皐月賞、日本ダービー、菊花賞を勝利し、史上3頭目の無敗の三冠馬となった。その年のジャパンカップでは、名牝アーモンドアイに次ぐ2着に入っている。翌シーズンは大阪杯こそ苦戦したものの、天皇賞秋ではエフフォーリアに次ぐ2着、引退レースのジャパンカップでは有終の美を飾ってターフを去った。

矢作厩舎の管理手法
1980年代のオーストラリア修行時代に得た経験を活かしており、短期間での出走を繰り返すことが厩舎の特徴だ。JRAの調教師は最大で75頭までしか管理馬を登録できないが、徹底した管理手法で効率の最大化を図っている。厩舎、競馬場、育成牧場の間で積極的に馬を入れ替えるサイクルを構築しており、効率の良い賞金獲得とコストカットを実現している。

また、矢作調教師は様々な色、様々なスタイルの帽子を持っていることで有名だ。
単純に帽子が好きという理由だけでなく、帽子には隠された意味がある。新人調教師の頃、帽子を被ることで競馬ファンに覚えてもらいやすくなるのではないかと思い、帽子を被り始めた。つまり、帽子は知名度を上げるための作戦でもあったのだ。

ご存知でしたか?
矢作厩舎のチームカラーは、フランスのサッカーチーム・ASモナコを参考にして紅白が使われている。調教の際は赤と白のメンコ、バンテージ、頭絡、鼻革を使用しているので、一目でよく分かる。また、矢作は大の競輪好きでもあり、日本各地の競輪場に出没することでも知られている。
