Aa Aa Aa

「決戦まで1週間」ジ・エベレスト2026:有力候補パワーランキング(10月8日更新版)

カーインライジングが2年続けて本番前の試走で先着を許した。雨ならテンプテッドらに好機はあるのか。残る出走枠の行方も見据え、ジ・エベレスト一週間前の勢力図を、Idol Horseのエキスパート陣が読み解く。

「決戦まで1週間」ジ・エベレスト2026:有力候補パワーランキング(10月8日更新版)

カーインライジングが2年続けて本番前の試走で先着を許した。雨ならテンプテッドらに好機はあるのか。残る出走枠の行方も見据え、ジ・エベレスト一週間前の勢力図を、Idol Horseのエキスパート陣が読み解く。

ジ・エベレストまであと1週間余り。出走馬はほぼ固まり、カーインライジングにとって最大の懸念は依然として天候となっている。

火曜日、ランドウィック競馬場のSoft 7(重馬場)で行われたバリアトライアルでは、ニンジャにクビ差で先着された。ただ、デヴィッド・ヘイズ調教師は、昨年より良い試走だったと語る。昨年も本番前のバリアトライアルで敗れながら、芝の世界最高賞金レースを制した。

G2・プレミアステークスを3馬身差で制したテンプテッドは、ほかの候補を大きく引き離す2番手を維持。ヘイズ師も、当日まで馬場が渋れば最大の強敵になると見ている。ゲストハウスは後肢を痛めて今春の残りのレースを断念し、クールモアは2022年覇者のギガキックを代役に選んだ。

土曜日以降、ジョリースター、サヴィーハリー、スパイシーマティーニ、ギガキックの出走が決定。TABはジミーズスターの起用に向けて最終調整を進めている。決まれば、出走馬をまだ発表していない出走枠の保有者はジェームズ・ハロン・ブラッドストックとユーロンだけになる。

王者を追う挑戦馬を、Idol Horseのエキスパート陣はどう評価したのか。

1. カーインライジング –

馬齢/性別: 6歳騸馬
調教師: デヴィッド・ヘイズ
戦績: 24:22-2-0
主な勝ち鞍: G1・ジ・エベレスト(2025年)

火曜日の1000mのバリアトライアルでは先頭を走ったが、終盤にニンジャにかわされた。勝ち時計は59.46秒。ヘイズ師は昨年より満足しており、「本番に向けて仕上げます」と、試走で全力の仕上げを施すわけではないと説明した。

ザック・パートン騎手も満足しているかと聞かれると、「彼が満足することはありません」と冗談めかして答えた。パートン自身の評価は「まずまず満足」。デヴィッド・ヘイズ調教師はさらに、キャリア初期の2敗を引き合いに、鞍上をからかった。

「ザックがどうやってこの馬を2度も負けさせたのか、私には分かりません」。

同馬はそれ以来21連勝を続け、世界最高評価の競走馬としてジ・エベレストに臨む。元騎手のシェーン・ダイ氏は道悪が合うとは確信していないが、昨年と同じように試走から本番へ向けて上積みがあれば「勝つだろう。規格外の馬なのだから」と見ている。

2. テンプテッド –

馬齢/性別: 4歳牝馬
調教師: キアロン・マー
戦績: 14:9-2-2
主な勝ち鞍: G1・サラウンドステークス(2026年)

カーインライジングのヘイズ調教師が道悪なら最大の強敵と名指しするのには理由がある。テンプテッドは道悪では4戦4勝で、そのうち2勝はランドウィック競馬場で挙げている。

プレミアステークスでは残り400m地点でも10番手だったが、最後の600mを33.03秒で駆け抜けた。昨年、カーインライジングは同馬より7.5kg重い斤量を背負ったが、今回はその差が2kgに縮まる。

Tempted wins G2 Premiere Stakes
TEMPTED, CHAD SCHOFIELD / G2 Premiere Stakes // Randwick /// 2026 //// Photo by Jeremy NG (Getty Images)

3. ジョリースター –

馬齢/性別: 6歳牝馬
調教師: クリス・ウォーラー
戦績: 23:10-5-4
主な勝ち鞍: G1・TJスミスステークス(2026年)

クリス・ウォーラー調教師と関係者は水曜日、ジョリースターが3年連続でジ・エベレストに出走すると発表した。

2024年のジ・エベレストでは7着、昨年は5着だった。火曜日のバリアトライアルではジェームズ・マクドナルド騎手を背に4番手で入線。これを最後の調整とし、G2・ザ・ショーツでのクビ差2着から、本番へ直行する。

ウォーラー師は「過去12カ月の成績を見れば、豪州随一のスプリンターです。ロイヤルアスコットに遠征し、世界屈指のスプリンターたちを相手に立派な走りを見せました。それによって、関係者はこの馬の力に大きな自信を持てました」と話した。

「ジョリースターが3年連続で私たちの枠から出走することになり、本当にうれしく思います。ロイヤルランドウィックで再び走る姿を見るのが楽しみです」

4. エンジェルキャピタル –

馬齢/性別: 5歳牡馬
調教師: クリス・ウォーラー
戦績: 18:6-2-2
主な勝ち鞍: G1・サールパートクラークステークス(2026年)

火曜日のバリアトライアルでは6番手で入線した。昨年はクールモアの枠で出走しており、今年は残る二つの枠のうち、ユーロンの枠に入るとみられている。

これまでエンジェルキャピタルは堅実に走りながら、G1では勝ち切れない馬とみられていた。その評価を覆したのが、前走のG1・サールパートクラークステークスで挙げたG1初勝利だった。

その勝利後、ウォーラー厩舎のダレン・ビードマン氏は「G1ではこれまで何度も運に恵まれませんでした」とコメント。最高峰への9度目の挑戦でつかんだ勝利だった。

「張氏とユーロンのチームの皆さんにお祝いを申し上げます。ユーロンは豪州競馬に多額の投資をしてきました」

「これまでの数々の走りを見れば、G1勝利にふさわしい馬でした。今日は先行勢がしっかり飛ばす展開になりました。ベン(メルハム騎手)はこの馬を心から信じ、完璧に乗りました」

Angel Capital winning the G1 Sir Rupert Clarke Stakes at Caulfield
ANGEL CAPITAL, BEN MELHAM / G1 Sir Rupert Clarke Stakes // Caulfield /// 2026 //// Photo by Scott Barbour/Racing Photos via Getty Images

5. ジミーズスター –

馬齢/性別: 7歳騸馬
調教師: キアロン・マー
戦績: 30:12-5-4
主な勝ち鞍: G1・マニカトステークス(2026年)

馬主のオジー・ケア氏は、ジミーズスターを今年もTAB保有の出走枠で出走させる契約を水曜日にまとめると見込んでいた。鞍上はナッシュ・ローウィラー騎手の予定。昨年はTABの枠で3着に入り、シェーン・ダイ氏は雨を望む馬の一頭に挙げる。

ジミーズスターにとって侮れない材料が、大舞台で奇策を打てるナッシュ・ローウィラー騎手の起用だ。2022年のクイーンエリザベスステークスでは、単勝41倍のシンクイットオーバーを外ラチ沿いに持ち出し、大番狂わせの勝利に導いた。

6. ブルードア ↑1

馬齢/性別: 3歳牝馬
調教師: ビョルン・ベイカー
戦績: 4:2-2-0
主な勝ち鞍: G3・ヘリテージステークス(2026年)

ゲストハウスの離脱に伴い、実戦を使わないまま一つ順位を上げた。ジェイミー・メルハム騎手は、ハーフユアーズでのコーフィールドカップ騎乗を取りやめてブルードアを選択。51kgの軽斤量と持ち前のスピードから、逃げる可能性が高い。

ブルードアはレース展開の鍵を握る存在だ。カーインライジングの先行力に対抗できる唯一の馬かもしれない。

ヘリテージステークス勝利後、ナッシュ・ローウィラー騎手はこの牝馬を、同じ馬主が所有していたかつての名牝モアジョイアスになぞらえて絶賛した。

「才能に恵まれていますよね。本当に爆発力がある。あとはその力をうまく抑えることだと思います。速すぎて自分で自分を持て余すほどです」

「レースを終えて『小柄なモアジョイアスみたいだ』と思うことなんて、そうそうありません。勝負服が同じせいか、伸びのある走り方のせいかは分かりませんが、楽しみな馬です」

「道中の手応えも良かったです。何戦か経験して、最後までしっかり走り切りました」

7. ヘッドウォール ↑1

馬齢/性別: 7歳騸馬
調教師: マシュー・スミス
戦績: 20:7-6-4
主な勝ち鞍: G2・コンコルドステークス(2025年)

G2・プレミアステークスは出走を取り消したが、その後の血液検査で良好な結果が出たとマシュー・スミス調教師は説明する。

ニンジャに次ぐ5番手で入線したバリアトライアルも、無理をさせない内容だった。雨を望む馬の一頭で、スミス師は「いつかスタートから中団につけて、大雨にも恵まれる日が来るはずです」と期待する。

「1200mのG1を勝てる力は間違いなくあります。これまでもそうしたレースで何度か3着以内に入っています。この馬に合うレースですし、挑戦する機会を得るべきでしょう」

Matthew Smith and Zac Lloyd after winning the 2025 Concorde Stakes with Headwall
ZAC LLOYD, MATTHEW SMITH / Randwick // 2025 /// Photo by Jeremy Ng (Getty Images)

8. ニンジャ ↑1

馬齢/性別: 4歳騸馬
調教師: マイケル・フリードマン
戦績: 10:5-1-2
主な勝ち鞍: G2・ホバートヴィルステークス(2026年)

火曜日、トミー・ベリー騎手を背にバリアトライアルでカーインライジングをクビ差先着、一つ順位を上げた。

G2・プレミアステークスを使えなかった分を補う走りにもなり、この試走を受けて同馬の価値も数字で示された。

今週のイングリス・デジタルのオンラインセールで持ち分1%が5万5000豪ドル(約607万円)で売れ、同馬全体の評価額は550万豪ドル(約6億700万円)に相当する。買い手は、試走を見て購入予算を引き上げたという。

ただ、仮にジ・エベレストを勝っても、600万豪ドル(約6億6250万円)を基準に計算した持ち分1%相当額は6万豪ドル(約663万円)。そこから枠保有者と厩舎の取り分が差し引かれる。

シェーン・ダイ氏は試走の結果を過大評価せず、「ニンジャの方が少し良い試走でした。だからといって、本番でもニンジャが勝つという意味ではありません」と評価する。

ニンジャは2024年のマジックミリオンズの1歳馬セールで38万豪ドルで落札された。現在はマイレースホースを通じて参加する1700人以上の馬主と、生産者ジョン・カミレリ氏が共同所有する。

ジ・エベレストには、カミレリ氏のフェアウェイ・サラブレッズが保有する枠で出走する。ザショーツでは大外枠から慎重に乗らざるを得なかったが、ベリーは今回は再び前で運びたいと考えている。

「プレッシャーを受け止めて、そこからもうひと脚使える馬です。今後は以前のように、もっと積極的に乗る姿を見せられると思います」

9. サヴィーハリー NEW

馬齢/性別: 4歳牝馬
調教師: ブラッド・ウィダップ
戦績: 14:4-5-1
主な勝ち鞍: G2・シェラコステークス(2026年)

プレミアステークスでテンプテッドから3馬身差の2着に入った2日後、マルベリーレーシングの出走枠での参戦が決まった。

2月のサラウンドステークスでも先頭に立ち、最後にテンプテッドにわずかにかわされている。1200mでの安定した成績を考えれば、3着以内に入る現実的なチャンスがある。

雨も苦にしない。昨春の最初の2戦をいずれも重馬場で勝ち、2勝目はランドウィックのG2だった。1歳時に32万豪ドル(約3500万円)で取引された同馬は、現在マルベリーレーシングの勝負服で走る。シドニーの実業家マイク・グレッグ氏とウィダップ調教師による共同事業で、昨年は自らの所有馬ジェディビールを出走させた。

「サヴィーハリーには出走するだけの資格があります」とウィダップ師は話した。

10. ギガキック NEW

馬齢/性別: 7歳騸馬
調教師: クレイトン・ダグラス
戦績: 25:9-3-3
主な勝ち鞍: ジ・エベレスト(2022年)

ゲストハウスの代役としてクールモアの出走枠に入る。2022年にこのレースを制し、2024年は2着。今回は休み明け3戦目となり、クレイトン・ダグラス調教師はそれをギガキックにとって「最も得意なパターン」と呼んでいる。

ただし、今春の成績は振るわない。G1・モイアステークスでは着外、続くG1・マニカトステークスはジミーズスターから4馬身差の8着だった。ディラン・ギボンズ騎手が騎乗し、ブリンカーを着用する可能性が高い。同騎手は雨が降ればプラスになるとみている。

最後の勝利は昨年11月、フレミントンのG1・チャンピオンズスプリントだった。鞍上を務めたマーク・ザーラ騎手は、ジ・エベレストと同じ日に行われるコーフィールドカップでハーフユアーズに騎乗するため、ギボンズに機会が巡ってきた。

ギボンズは先週土曜日、グローバルゴールでG1・フライトステークスを制したばかりで、今回の騎乗にも手応えを感じている。

「ランドウィック競馬場の壁には、ジ・エベレストを勝ったギガキックの写真が飾られています。2着に入ったこともあります」

Mark Zahra wins the G1 Champions Sprint on Giga Kick
MARK ZAHRA, GIGA KICK / G1 Champions Sprint // Flemington /// 2025 //// Photo by Vince Caligiuri

11. スパイシーマティーニ NEW

馬齢/性別: 5歳牝馬
調教師: トビー・エドモンズ
戦績: 13:6-1-0
主な勝ち鞍: G1・ストラドブロークハンデキャップ(2026年)

G1・ストラドブロークハンデキャップの勝ち馬が土曜日、イングリスの出走枠を獲得し、テイラー・マーシャル騎手が騎乗する。今季初戦のG2・ザ・ショーツでは落鉄しながら4着。ただし、そのレースで同馬に先着したマズとキングズシークレットは、ともにプレミアステークスで着外に終わった。

トビー・エドモンズ調教師はイングリス・デジタルのオンラインセールを通じて同馬を8000豪ドル(約88万円)で購入し、その後の獲得賞金は273万豪ドル(約3億100万円)に達した。共同馬主の代表ホリー・ペンフォールド氏は、周囲の予想を覆すことが同馬の常になっていると言う。

「いつも過小評価されますが、いつも期待以上に走ってくれます」

エドモンズ師はジ・エベレスト開催週にゴールドコーストから同馬を車で輸送し、ランドウィックにあるピーター・スノーデン調教師の厩舎に滞在させる。

12. カバルス NEW

馬齢/性別: 6歳騸馬
調教師: ビョルン・ベイカー
戦績: 22:7-1-2
主な勝ち鞍: G1・ニューマーケットハンデキャップ (2026)

レッドゼルとギガキックでジ・エベレストを制した出走枠保有者のジェームズ・ハロン氏は、木曜夜、ダービーレーシングとの契約をまとめ、最後まで未定だった出走枠にカバルスを迎えた。「今年はスプリンターを見つけるのに苦労しましたが、キャバルスに決まって嬉しく思います」とハロン氏は話した。

カバルスは3月、フレミントン競馬場のG1・ニューマーケットハンデキャップを逃げ切り勝ち。この時、エンジェルキャピタルは3着だった。休み明け初戦のG2・プレミアステークスでは、テンプテッドの5着に入った。

スコット・ダービー氏は、一度使った上積みを期待している。「成績を見れば分かるように、キャバルスは休み明け2戦目で最も力を発揮します。これまで休み明け2戦目は5戦して4勝しています」

鞍上はティム・クラーク騎手。同厩舎のブルードアとともに出走する。ダービーレーシングにとっては5頭目のジ・エベレスト出走馬となり、昨年はオーバーパスが同陣営に4着をもたらした。

IDOL HORSE、多言語で展開するグローバル競馬ニュースネットワーク。

Idol Horseの記事をすべて見る

すべてのニュースをお手元に。

Idol Horseのニュースレターに登録