2024年、国際G1レースの締め括りとなる第440戦目、東京大賞典(2000m)で、ついにフォーエバーヤングが最高峰の舞台で初勝利を挙げた。この年、世界的な注目を集めたこの馬にとって、まさに待望の瞬間だった。
この馬以上に、G1制覇にふさわしい馬はいないだろう。
まだ成長途上の3歳馬でありながら、フォーエバーヤングはこの年、4つの国でレースに出走。矢作芳人調教師が管理するこの牡馬は、G3・サウジダービー(1600m)、G2・UAEダービー(1900m)を制し、アメリカで最大級のレースとされるケンタッキーダービーとブリーダーズカップクラシックで2度のG1入着を果たした。
国内では10月のJpn1・ジャパンダートクラシック(2000m)で勝利を収めたが、国際的にはリステッド競走として扱われるため、今回の東京大賞典でのG1勝利はさらに意義深いものとなった。
圧倒的な1番人気で迎えた東京大賞典では、ほとんど危なげない競馬を展開。G1で何度も入着してきたウィルソンテソーロに1馬身3/4差をつけて快勝し、日本ダート界の頂点に立つ存在であることを証明した。

フォーエバーヤングは2025年、ロマンチックウォリアー、シエラレオーネ、ソーピードアンナ、ローレルリバー、ファクトゥールシュヴァルといった強豪を相手に、世界最高のダート馬としてその名を刻むチャンスを得るだろう。
彼がフライトマイルを貯めつつある一方で、注目すべきは日本競馬の第二の陣営を主戦場として戦っている点だ。
日本競馬には2つの競馬運営団体が存在する。中央競馬(JRA)は国が管理する組織であり、国を代表するクラスの大レース、主要競馬場、週末開催を担当。一方、地方競馬(NAR)は地方自治体が管理する競馬場で構成され、平日開催が主であり、その大半がダート競走で構成される。
JRAの競馬場(東京、中山、阪神、京都など)は芝とダートの混合だが、地方の競馬場では盛岡競馬場の芝コースを除き、ほぼすべてがダート競馬である。

フォーエバーヤングはJRAの栗東トレーニングセンターで矢作芳人調教師によって管理されているが、デビュー戦となった2歳時の京都競馬場でのレースを除き、日本国内ではすべて地方の競馬場で出走している。実力を持つダート馬にとって、地方競馬のレースの方が適していることが多く、JRAとNARの双方に開放された特定のレースのみ出走可能である点が影響している。
このことから、フォーエバーヤングはJRAの調教師に管理されていながら、地方競馬を象徴する旗手的存在とも言える。
地方競馬の国際的な存在感は特にその代表的なレースである東京大賞典で顕著になっている。このレースは、日本で唯一、JRA以外が主催する国際G1競走であり、2011年以降は国際G1に格付けされている。
過去には、ホッコータルマエ、コパノリッキー、そして驚異の4連覇を達成したオメガパフュームなど、多くの名馬が勝利を収めてきた。
中でも、東京大賞典の価値をさらに高めたのは、2022年にこのレースを制し、翌2023年にはドバイワールドカップを制したウシュバテソーロだ。同馬は2023年にも東京大賞典を制した、同年のサウジカップでは僅差の接戦に持ち込んだ。

ウシュバテソーロはその素晴らしいキャリアを数ヶ月以内に中東で締めくくる予定だが、世界最高のダート馬と見なされたことはない。アメリカには常に彼を凌駕する馬が存在していたからだ。
しかし、今後の3ヶ月でフォーエバーヤングは、日本の馬として初めて真に『世界のダート王者』としての地位を確立するチャンスを迎える。彼が4歳を迎える2025年、ダート界の頂点に立つ可能性は非常に高く、日本競馬にとって新たな大きな節目となるだろう。