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今週、G1・チャンピオンズ&チャターカップ後のジェームズ・マクドナルド騎手の騎乗停止処分について、実に多くの人から連絡を受けた。まずはっきりさせておきたいことがある。ジェームズは私の友人だ。現代を代表する名手であり、間違いなく世界最高の騎手の一人である。

ただ、私について一つ言えるのは、私は常に正直だということだ。そして率直な見解はこうだ。裁決委員は判断を誤った。ジェームズ・マクドナルドへの処分は、3開催日の騎乗停止と12万香港ドル(約240万円)の罰金では、あまりにも軽すぎた。

理由を説明したい。

裁決委員は、香港競馬規則第100条1項の不注意騎乗でジェームズを処分した。裁決報告書には、同騎手が「ディープモンスターに対して十分な間隔がない状態で、自身の騎乗馬を内へ導いた」とある。もう一度読んでほしい。内へ導いた、である。これは不注意ではない。

不注意とは、包まれている中で、その瞬間の勢いから外へ押し出しすぎてしまうようなケースだ。あるいは、もう前に出切ったと思ったが、実際にはそうではなかったというケースだ。そうしたことは多くの場合、レース序盤に起こる。内へ切れ込もうとして、十分に前へ出ていないのに見誤る。それが不注意騎乗だ。

ジェームズがしたことは意図的だった。裁決委員自身がそう言っている。ロマンチックウォリアーを内へ導いたのだ。彼は自分が何をしているのか分かっていた。

私自身、まったく同じ状況に置かれたことがある。1999年のG1・ランヴェットステークスでタイザノットに騎乗していた時だ。負けるかもしれないと思った。内から来ている馬がいた。そこで本能が働いた。ロマンチックウォリアーに乗ったジェームズと同じように、その進路を締めた。私は1位で入線したが、異議申し立ての結果、ダラザリに敗れた。

だから、あの時ジェームズの頭の中で何が起きたのかは分かる。彼は一完歩の間に「まずい、差されるかもしれない」と思ったのだろう。すると本能が働く。大レースであり、香港三冠と1000万香港ドルのボーナスが懸かっていた。名誉も歴史も懸かっていた。

彼はその瞬間に慌て、ディープモンスターとジョアン・モレイラ騎手を意図的に内へ押し戻した。

ただし、あの時の私の騎乗とジェームズの騎乗には、一つ決定的な違いがあった。私は肘を上げなかった。

そして、裁決委員が触れなかった本当の問題はそこにある。正面からの映像を見てほしい。ジェームズは肘を上げている。騎乗フォーム全体が変わっている。はっきり分かる。腕と体の間に空間ができすぎており、相手馬に接触している。

これは不注意騎乗ではない。100パーセント、不適切騎乗だ。ああいう形で肘を上げてはいけない。絶対にやってはいけないことだ。昔からそうだった。

JAMES MCDONALD, ROMANTIC WARRIOR / G1 Champions & Chater Cup // Sha Tin /// 2026 //// Video by HKJC

シャティン競馬場で騎乗していた時、エリック・サンマルタン騎手がレース中に私に対して肘を上げたことを覚えている。彼は2カ月の騎乗停止になった。

ブレット・プレブル騎手が2010年のインターナショナルジョッキーズチャンピオンシップ(IJC)で肘を上げ、内田博幸騎手に接触した時はどうだったか。8開催日の騎乗停止だった。

エディー・ライ騎手は、ニール・カラン騎手と肘を使ってやり合い、不適切騎乗として7日間の騎乗停止を受けた。ランドウィック競馬場で、ダレン・ビードマン騎手の肘がグラント・クックスリー騎手に当たった日も覚えている。2カ月だった。

私の時代なら、肘を上げて接触すれば、最低でも2カ月だった。最低でも、である。

だが今は、騎乗停止処分がずいぶん軽くなっている。裁決委員は、トップジョッキーを騎乗停止にしたがらないように見える。それは彼らの知名度や、彼らが生み出す馬券売上のためなのか。今の競馬では、多少のことでは誰も騎乗停止にならない。それでも、ジェームズがしたことは少なくとも1カ月には値した。

重要なのはそこだ。ムチのルールと同じ問題がある。ムチの規則を露骨に無視する騎手たちがいる。なぜか。できてしまうからだ。彼らはそれをしながらG1を勝ち続けている。罰金や短い騎乗停止など、得られるものに比べれば大した痛手ではない。抑止力がない。

だから今の状況では、騎手たちに「大レースならやったもん勝ち。ルールを破っても代償は小さい」と伝えているようなものだ。得られるものの方が、はるかに大きいからだ。適切な線引きをしなければ、そういうことが起きる。将来同じことを止めるには、相応の処分が必要だ。抑止とはそのためにある。競馬を安全で公正なものに保つためだ。

チャンピオンズ&チャターカップでの裁決は、同じような行為を許しかねない前例を残してしまった。これが不適切騎乗でないなら、何が不適切騎乗なのか。

実にすべてが不適切な騎乗だった。肘が上がり、フォームが変わり、相手馬と騎手に接触し、その馬を押し戻して勝てないようにした。私の時代なら、自動的に2、3カ月、あるいはそれ以上の騎乗停止だった。

ただ、評価すべきところは評価したい。勝負をかけた騎乗だったことは確かだ。ジェームズはあのレースを勝つために、許される範囲を越えた。そして、規則の外に出た行為ではあったが、結果としてその判断が勝利を引き寄せたと私は思う。

私が話した多くの人は、あの不利がなければ、ディープモンスターが差し切って勝つ可能性は7割ほどあったと見ている。ディープモンスターは本物のステイヤーで、ロマンチックウォリアーにもう一度迫り、ちょうどリズムに乗り始めていた。

だからこそ、ジェームズがしたことは、彼自身にとっても、馬主にとっても、ダニー・シャム師にとっても、結果だけ見れば大きな意味を持った。

では、彼は規則を破ったのか。答えはイエスだ。そこは否定できない。

本来の違反は不適切騎乗であるべきだったし、こうした重大事案への騎乗停止がすでに甘くなっている現代競馬においても、少なくとも1カ月は受けるべきだった。それが実際には3開催日の騎乗停止と12万香港ドルの罰金で済んだ。ジェームズはツイている、宝くじでも買いに行った方がいい。

J-Mac suspension
JAMES MCDONALD, ROMANTIC WARRIOR / G1 Champions & Chater Cup // Sha Tin /// 2026 //// Illustration by Idol Horse

カーインライジングこそ年度代表馬、それもダントツで

ロマンチックウォリアーとカーインライジングのどちらが年度代表馬か、議論にしようとしている人たちがいる。

時間を節約させてもらおう。これは議論ではない。比較にすらならない。

はっきりさせておきたい。これはロマンチックウォリアーへの敬意を欠くものではない。この馬は紛れもない名馬であり、その成し遂げたことは信じがたい。8歳で香港三冠を達成し、クイーンエリザベス2世カップを史上最多となる4度目の制覇。通算獲得賞金は2億8800万香港ドル(約58億円)を超える。

まさに一世代に一頭の名馬だ。だが、不運にも彼の前に、史上最強のスプリンターになり得る逸材が現れてしまった。

事実関係をベースに整理したい。

今季のロマンチックウォリアーは6戦6勝。G1・5勝、G2・1勝を含む。ロンジン・ワールドベストレースホースランキングでのレーティングは126。今季獲得賞金は、香港三冠ボーナスの1000万香港ドルを含めて7403万6000香港ドル(約15億円)だ。

では、カーインライジングはどうか。8戦8勝。そのうち5勝がG1である。香港短距離三冠を2年連続で完全制覇した。さらに海外へ遠征し、世界最高賞金の芝レースであるジ・エベレストを、海外調教馬として初めて制した。世界の一流スプリンターを相手に勝ったのだ。

さらに、今季だけでシャティン競馬場のトラックレコードを3度更新し、1200mと1400mの両方で記録を塗り替えた。

ロンジン・ワールドベストレースホースランキングの最新レーティングは130。ロマンチックウォリアーを4ポイント上回っている。紛れもなく世界ランキング1位の馬であり、その130という数字は、ゴールデンシックスティ、ビューティージェネレーション、エイブルフレンドといった伝説的名馬を上回る、香港調教馬として史上最高のレーティングでもある。今季獲得賞金は9259万8700香港ドル(約19億円)だ。

勝ち方という観点でも見てほしい。カーインライジングが勝ったすべてのレースで、彼が勝つべき馬だったかどうかに疑問の余地はなかった。香港でも海外でも、世界最高峰のスプリンターたちを圧倒してきた。

これをロマンチックウォリアーの直近2勝と比べてみる。クイーンエリザベス2世カップでは、マスカレードボールが勝っているべきだった。100パーセントだ。ハッキリ言って騎乗が良くなかった。

そして、チャンピオンズ&チャターカップはどうか。それは、今まさに話してきた通りだ。ジェームズは勝ち切るためにルールの外へ踏み出さなければならず、着差も半馬身だけだった。

勝ち方は評価されるべきだ。そしてカーインライジングの圧倒ぶりは、私たちが二度と目にしないかもしれないほどのものだ。彼はスプリントカテゴリーにおいて史上最高、あるいはそれに極めて近い存在である。

長年を振り返れば、2000m級ではロマンチックウォリアーより高い国際レーティングを得た馬は少なくない。だが短距離カテゴリでは、カーインライジングが唯一無二の存在として抜けている。

私はロマンチックウォリアーが大好きだ。紛れもない名馬である。だが、カーインライジングはより多くを成し遂げ、より高い評価を受け、海外へ出て勝ち、記録を破り、圧倒的な強さを示してきた。2025/26シーズンの年度代表馬は、議論の対象にすらならない。

シェーン・ダイ、Idol Horseのコラムニスト。 オーストラリアとニュージーランドで競馬殿堂入りを果たし、1989年のメルボルンカップ(タウリフィック)、1995年のコックスプレート(オクタゴナル)では名勝負を演じた、G1・通算93勝の元レジェンドジョッキー。また、香港競馬では8年間騎乗し、通算で382勝を挙げている。

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