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1. ホットディライト

調教師: フランシス・ルイ
年齢: 4歳
戦績:
5:4-0-0
レーティング:
89

香港競馬で毎シーズン繰り広げられる物語の一つが、4歳クラシックシリーズだ。香港クラシックマイルから1800mの香港クラシックカップを経て、最後は2000mの香港ダービーへと向かう。

ホットディライトは、多くのライバルが今すぐにでも欲しがるものをすでに手にして、その道を歩み始める。それはレーティングだ。

4歳戦線に向けた開幕時の段階で、レーティングはすでに89。主要な4歳勢では最高の数字だが、後続も層が厚い。

サロンエスが85、ミスターインクレディブルが80で始動するほか、シーズンオフに香港入りした大物の既出走馬(PP)には、クイーンズランドダービー馬のプロビデンスと2着馬のモノポリスティックがいる。両馬とも、80台前半から半ばでのスタートが見込まれている。

ホットディライトはこれまで最長1200mしか経験しておらず、距離延長への対応という課題は残る。だが、フランシス・ルイ調教師が急ぐ必要のない理由は「89」にある。

他の馬が4歳クラシックシリーズの出走ラインに届くため、必要なレーティングの確保に躍起になる一方、ホットディライトはルイ師の思い描くペースで調整を進めることができることは魅力的だ。

Vincent Ho aboard Hot Delight
HOT DELIGHT, VINCENT HO / Sha Tin // 2026 /// Photo by HKJC

2. ソリッドステート

調教師: フランキー・ロー
年齢: 4歳
戦績:
1:1-0-0
レーティング:
78

昨シーズン屈指の衝撃的なパフォーマンスが披露されたのは、シーズン終盤の開催だった。フランキー・ロー調教師がソリッドステートを初めて送り出すと、かつてオーストラリアで走っていた同馬は、ライバルをまったく寄せ付けなかった。

クラス3戦を5馬身1/4差で制したこの勝利は、2015/2016年シーズン以降、香港初戦を同クラスで迎えた馬として最大の着差だった。それだけでなく、少なくとも過去20年に香港デビューした既出走馬(PP)の中でも最大着差の勝利となった。

クリス・ウォーラー調教師のもと、クールモアの所有馬としてユナイテッドステーツという名で走り、7戦未勝利で香港入りした馬だったことを思えば、見事な変わり身だ。クールモアは同馬を1歳時に175万豪ドル(約2億円)で購入していた。

香港初戦で鮮烈な走りを見せながら、その後は同じ輝きを取り戻せなかった既出走馬(PP)は数多い。そこを指摘する声が出るのも無理はない。一方で、ミリタリーアタックやワーザーのように、その後も活躍した馬もいる。

ただし、こうした比較には、かなり大きな注釈が一つ付く。ソリッドステートにとって香港デビュー戦は、騸馬となってからの初戦でもあったのだ。結果を見る限り、去勢という究極の変更は功を奏したようだ。

Alexis Badel and Solid State winning at Sha Tin
SOLID STATE, ALEXIS BADEL / Sha Tin // 2026 /// Photo by HKJC

3. 馬名未定 (L536)

調教師: デヴィッド・ヘイズ
年齢: 4歳
戦績:
未出走
レーティング:
52

プロワジールを父、ミスベガスを母に持つ4歳騸馬の馬名が決まったかと尋ねられたデヴィッド・ヘイズ調教師は、「できれば『パッキングロケット』になってほしいですね」と答えた。

今のところは、識別コードの『L536』と呼ぶしかない。輸入前、かつて『ハッピーベガス』の名で知られたニュージーランド生まれの鹿毛馬は、目を引くトライアル実績を携えて香港入りした。2025年7月から今年4月までに出走した3度の公式トライアルをすべて勝っており、中でも直近の一本は注目に値する。

1150mのトライアルで9番ゲートから発馬すると、香港競馬で大きな武器となる十分な先行力を披露。先頭に立ってそのまま押し切り、1分08秒33で10馬身差をつけた。

時計も、その走りの良さを裏付けている。同日午前に同距離で行われた13組のうち2番目に速く、実戦経験豊富な古馬と比べても見劣りしない内容だった。

おなじみの『パッキング』の冠名を所有馬に用いる馬主、エドモンド・リー(Edmond Lee・李文斌)氏は、まだ馬名を正式決定していない。L536は香港のバリアトライアルにはまだ姿を見せていないが、その時が来たら注目してほしい。

UNNAMED HAYES HORSE / Waipa Racecourse // 2026 /// Video by LoveRacingNZ

4. ジェダイスパーズ

調教師: デヴィッド・ヘイズ
年齢: 3歳
戦績:
2:1-1-0
レーティング:
60

ヘイズ厩舎からもう1頭。ジェダイスパーズは6月半ば、誰もが目を留めるようなデビューを飾った。

未出走輸入馬によるグリフィン競走を4馬身1/2差で制した勝利は、過去10シーズンに同条件でデビューした馬の中で2番目の大差だった。これを上回るのは、2017/2018年シーズンにスタイリングシティが記録した6馬身1/2差だけだ。

1000mを55秒81で走破し、この期間にグリフィン競走をデビュー勝ちした馬として2番目に速い時計も記録した。上回ったのは、後に香港最優秀スプリンターとなるカリフォルニアスパングルがマークした55秒33だけだ。

しかし重要なのは、着差と時計を両立させたことだった。過去10年間、グリフィン競走のデビュー勝ちで4馬身以上の差をつけ、なおかつ56秒を切った馬はほかにいない。

しかし、続く一戦では現実を突きつけられた。2戦目で1200mに距離を延ばしたジェダイスパーズは、単勝1.1倍に支持されながら3馬身3/4差の2着に敗れ、昨シーズンを通じて最も低い単勝オッズで敗れた1番人気馬となった。

レース後、気管内から粘液が見つかったことで、少なくとも敗因の一端は示された。

レーティング60の3歳馬として新シーズンを迎えるため、ヘイズ師はクラス4の最上位層か、クラス3の最下位層から始動させるかを選べる。どこまでやれる馬なのか、1シーズンかけて見極めることができる。

Brenton Avdulla winning aboard Jedi Spurs at Sha Tin
JEDI SPURS, BRENTON AVDULLA / Sha Tin // 2026 /// Photo by HKJC

5. ゴーガン

調教師: ジェームズ・カミングス
年齢: 5歳
戦績:
17:0-1-1
レーティング:
52

最後は、少し意外な1頭を挙げたい。ゴーガンは香港で、注目馬リストに加えるような走りをほとんど見せていない。だが、むしろそこが狙いだ。

ドイツ産の5歳馬で、日本の名種牡馬・ディープインパクトを父に持つスタディオブマンの産駒だ。伊2000ギニー、独2000ギニー、ドーヴィル競馬場のG3・ダフニス賞で入着した実績を携え、4歳クラシックシリーズを目指して2シーズン前にレーティング80で香港入りした。

しかし、5戦を終えても香港での最高着順は9着のまま。その望みは早々に消え去った。

昨シーズンは12戦して2度3着以内に入り、少なくとも復調の兆しは見せた。道中で大きな不利を受けた最終戦をはじめ、敗因となる事情も相次いだ。

香港で開業初年度を迎えるジェームズ・カミングス調教師は、シーズンオフにさらに4ポイント下がったレーティング52で同馬を引き継ぐ。そして、それ以上に重要かもしれないのが、ヒュー・ボウマン騎手が今も関心を示していることだ。

Hugh Bowman trialling Ghorgan at Sha Tin
GHORGAN, HUGH BOWMAN / Sha Tin // 2024 /// Photo by HKJC

直近のバリアトライアルでもボウマンが騎乗し、これでゴーガンのバリアトライアルに騎乗するのは7度目となったが、実戦でコンビを組んだことは一度もない。

行きたがる面のある馬だけに、カミングス師が実戦でもボウマンを確保できれば、これまでに同馬へ乗り慣れていることは、大きな強みになるだろう。新シーズンをレーティング52で迎えることも、注目馬としての魅力をさらに高めている。

Luke Middlebrook

ルーク・ミドルブルック、Idol Horseの香港競馬担当。香港競馬の面白さに魅了され、数年間ブログで香港競馬の分析記事を発信、2016年からはシンガポールに移住した。シンガポールではiRace Mediaの専属専門家として8年間活動し、香港競馬とシンガポール競馬の分析や記事執筆を監督していた。

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