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ヴェネチアンサンは2歳時、短距離戦で鮮烈な走りを見せていた。しかし今春、英1000ギニーで1マイルのクラシック路線に挑むと、そこが本領を発揮する舞台ではないことが明らかになった。

スピード抜群の同馬は路線を切り替え、金曜のロイヤルアスコットで行われるG1・コモンウェルスカップで、トップスプリンターとしての歩みを進めていく。

管理するカール・バーク調教師は今週前半、ウェザビー競馬場でIdol Horseの取材に対し、昨年2歳戦でトップクラスの活躍を見せたヴェネチアンサンについてコメント。トゥルーラブが勝った英1000ギニーで11着に敗れたとはいえ、1マイルに挑んだ経験がプラスになったと語った。

「英1000ギニーを一度使ったことで、この馬は良くなりました。あのレースはいい刺激になりましたし、本当に前進させてくれました」と、バーク師はヴェネチアンサンへの好影響について話す。

「とてもリラックスして走る馬なので、1マイルをこなす可能性はあると思っていました。ただ、結果的にそうではありませんでしたね。7ハロンならこなせると思います。ただ、6ハロンへの距離短縮は合います。この馬にはスピードがありますし、抜群の決め手もあります」

その切れ味は先月のヘイドック競馬場で示された。ヴェネチアンサンは、G2・サンディレーンステークスで6ハロンに戻ると、後方から一気に伸びて3馬身差で勝利。これで5ハロンと6ハロンでは無敗を守ったことになる。その中には昨季、ドーヴィル競馬場で制したG1・モルニ賞も含まれる。

同馬の英1000ギニー以外で唯一の敗戦は、昨夏にカラ競馬場の7ハロン戦、G1・モイグレアスタッドステークスで3着に敗れた一戦だけだ。

クリフォード・リー騎手はヴェネチアンサンの全7戦で騎乗しており、今回も手綱を取る。ただしバーク師は、成長著しいこの馬にとって不利に働きかねない要素がいくつかあると警戒している。

「この馬は間違いなく、少し時計のかかる馬場を好みます」と同師は話した。

「昨年は勝った時でさえ、クリフ(リー騎手)はいつも『この馬には馬場が速すぎる』と言っていました。ヘイドックでは、少し水分を含んだ馬場なら何ができるかを見せてくれました。だから馬場と枠順は、やや向かない可能性があります。それでも、この馬には大きな能力があります」

バーク師は火曜朝、ヴェネチアンサンに「最後に軽くひと追い」を課し、きっちり仕上げる予定だった。

「状態はとても良いですし、楽しみにしています」と同師は言う。

「中ほどの無難な枠を引いてくれればと思っています。これだけ多頭数の競馬で、端の枠に入るのだけは避けたいですね」

バーク師の願いは叶い、ヴェネチアンサンは21頭立てのコモンウェルスカップで、13番枠から発走することとなった。

Karl Burke on Day One of the Ebor Festival at York
KARL BURKE / York // 2022 /// Photo by Mike Egerton

コモンウェルスカップで巻き返しを狙う牝馬はもう1頭いる。英国のチャンピオンジョッキー、オイシン・マーフィー騎手が騎乗するザントスだ。

ザントスは昨年、7ハロンのG2・ロックフェルステークスを勝っている。ただし今季唯一の出走となった仏1000ギニーでは、ダイヤモンドネックレスの後塵を拝して大敗した。

マーフィーはIdol Horseの取材に対し、「仏1000ギニーでは、重馬場での1マイルが合いませんでした。コモンウェルスカップへ向けての調教は順調です」とザントスの状態について語る。

「この馬にとっては選択肢が限られています。時計の速い馬場で行われた7ハロン戦のG2を勝っていますから、試してみる価値はあります」

「今回はヴェネチアンサンが抜けた存在に見えます。それでも例年通り層の厚い一戦ですし、ザントスにも良い走りを期待しています」

一方、マーフィーは土曜のG1・クイーンエリザベス2世ジュビリーステークスで、世界の強豪を相手にすることを楽しみにしている。騎乗するのは、同騎手が騎乗契約を結ぶ馬主の一人、ファイサル殿下が所有するサジールだ。

マーフィーはアンドレ・ファーブル厩舎の5歳馬、サジールに、直近7戦のうち6戦で騎乗している。その中には、前走の5ハロン戦、G3・グロシェーヌ賞を勝った一戦も含まれる。

「この馬はいい準備ができています。前走は短い距離でとてもいい勝ち方をしました」とマーフィーは話した。

「もちろん、このレースを勝つには相当な走りが必要です。日本のサトノレーヴや豪州のジョリースター、英国勢の精鋭もいます。それでも本当に楽しみにしていますし、考え得る最高の状態で向かうことになります」

火曜のロイヤルアスコット開催では、短距離の大一番であるG1・キングチャールズ3世ステークスを、アイルランド調教の3歳馬、ミッションセントラルが制した。エイダン・オブライエン調教師とライアン・ムーア騎手のコンビが終盤に力強く伸びて勝利し、豪州から遠征したオーバーパスは3着に入った。

オーバーパスはクイーンエリザベス2世ジュビリーステークスにも登録を残している。ただし、そのレースで豪州勢の注目を集めるのは、クリス・ウォーラー厩舎のジョリースターだ。近3走はいずれも勝利しており、その中にはG1・カンタベリーステークスとG1・TJスミスステークスも含まれる。

1977年6月16日、サガロがアスコットの英ゴールドカップを3連覇。騎乗したレスター・ピゴット騎手は同馬を「私が乗った中で最も偉大な長距離馬」と評している。

ピゴット自身も競馬史に残る名ジョッキーの一人であり、1952年から1993年までにロイヤルアスコット開催で驚異の116勝を挙げた。

その最後の勝利は1993年6月17日、古くからの盟友であり同じく競馬界の伝説であるヴィンセント・オブライエン調教師の管理馬カレッジチャペルに騎乗して挙げたものだった。レースはコーク&オラリーステークスで、現在のクイーンエリザベス2世ジュビリーステークスにあたる。

2003年6月17日には、ショワジールが歴史を作った。ロイヤルアスコット開催で勝利した初のオーストラリア調教馬となったのである。同馬はキングズスタンドステークスを制し、その4日後には、当時ゴールデンジュビリーステークスの名称で行われていた一戦も制した。

2009年6月18日、イェーツはアスコットの英ゴールドカップで4連覇を飾り、サガロの連覇記録を更新した。

一方、米国では1867年6月19日、ブロンクスのジェロームパーク競馬場で第1回ベルモントステークスが行われた。勝ったのは牝馬のルースレスだった。

アダム・ペンギリー記者が、クリス・ウォーラー調教師に独占取材。故エリザベス女王と対面した日のこと、競馬への愛を通じて生まれたつながり、そしてジョリースターのロイヤルアスコット参戦へ向けた調整について語っている。

ウンベルト・リスポリ騎手が、1月の落馬事故から競馬へ戻ってきた。デイヴィッド・モーガン記者の取材記事では、同騎手はキャリアで最も厳しい復帰の過程を率直に振り返り、痛みと不安に向き合う中で、あるスポーツ界の英雄の姿に支えられたことを明かした。

ルーク・ミドルブルック記者の新連載、週刊コラム『Six Up』では、香港競馬界の最新ニュースと舞台裏を現地記者ならではの「ディープな視点」でお送りする。

ジェームズ・マクドナルド騎手はロイヤルアスコット初日に勝利を挙げ、土曜のG1・クイーンエリザベス2世ジュビリーステークスで騎乗するジョリースターへ向けて弾みをつけた。

Idol Horseの過去記事から、デイヴィッド・モーガン記者の取材記事を紹介。シャティン競馬場の検量室前に立っていた20歳の若者が、「世界最高の騎手」と呼ばれ、競馬界の国際的スターとなるまでの道のりをたどる。

今週の注目馬は、失った時間を取り戻そうとしている無敗の牝馬だ。その名はモンローウォーク。中10ヶ月で挙げた2勝目の内容は、この馬の前途が大きく開けていることを示している。

2025年8月、新潟マイルの新馬戦。モンローウォークは木村哲也調教師、戸崎圭太騎乗で、単勝オッズ1.2倍に支持されていた。

内枠から好スタートを切った同馬はすぐに先頭へ立ち、直線入口では1馬身のリード。鞍上は馬なりのまま、迫る馬がいないか探すように周囲を確認していた。戸崎は残り2ハロン地点で手綱を緩めると、モンローウォークはほとんど促されることもなく突き放し、3馬身差で勝利した。

次にモンローウォークが競馬場へ戻ってきたのは、6月14日の函館開催だった。その間に骨折を負い、今回が待望の復帰戦。牝馬クラシックの桜花賞とオークスは、すでに終わっていた。さらに、モンローウォークには上村洋行厩舎へと転厩し、新たな騎手として横山和生が手綱を取ることになっていた。

モンローウォークは序盤から良いスピードを見せ、先行勢の直後、ラチから1頭分外の位置で3番手に収まった。最終コーナーで外から並びかけられると、同馬は3頭分外へ持ち出されて直線へ。そこからは追いすがる相手を難なく振り切り、残り2ハロンから突き放して、2馬身差の楽勝を収めた。

レース後、上村師は放牧に出る見通しだと明かした。その後は、牝馬三冠の最終戦であるG1・秋華賞が最大目標となる。

ゴールドカップデー
ロイヤルアスコット(英国)、6月18日

ロイヤルアスコット3日目はレディースデーで、メインは開催で最も歴史ある一戦、2マイル半のG1・英ゴールドカップが行われる。

今年のレースには、クールモアの次世代トップステイヤーと見られるスカンジナビアが出走する。昨年のG1・グッドウッドカップとG1・英セントレジャーの勝ち馬で、今季は2戦無敗だ。

ただし、昨年の勝ち馬であるゴドルフィンのベテラン騸馬のトローラーマン、G1・ヴィコンテスヴィジエ賞を勝利したカバーヨデマール、昨年の英セントレジャーで僅差の2着に入り、前走のG2・ヨークシャーカップを制したラヒーブも有力な相手となる。

コモンウェルスカップデー
ロイヤルアスコット(英国)、6月19日

ロイヤルアスコット開催の金曜日は、3歳馬による6ハロンのG1・コモンウェルスカップと、3歳牝馬による1マイルのG1・コロネーションステークスに注目が集める。

トップクラスの逸材牝馬、ヴェネチアンサンは、スピード豊かな牡馬・牝馬を相手にする。一方、コロネーションステークスでは、G1・英1000ギニー馬のトゥルーラブと、G1・愛1000ギニーで同馬を破ったプリサイスの再戦が組まれている。

クイーンエリザベス2世ジュビリーステークスデー
ロイヤルアスコット(英国)、6月20日

土曜のフィナーレでは、6ハロンのG1に国際色豊かなメンバーが集う。中心となるのは、豪州のトップ牝馬ジョリースターと、日本のチャンピオンスプリンター、サトノレーヴだ。後者は昨年のこのレースで2着に入り、その時に先着を許したラザットと再戦する。

ラザットは近走、シャンティイ競馬場で勝利を挙げ、好調を示している。出走メンバーには、今年2戦2勝の英国馬ナイトレイダー、フランスから遠征するサジールとストールンキス、日本のルガル、そしてもう1頭の豪州の快速馬・オーバーパスも名を連ねる。

愛ダービーデー
カラ(アイルランド)、6月28日

今月初めにエプソムで英ダービーを制したエイダン・オブライエン厩舎のクリスマスデーは、1907年のオービーが初めて達成した英愛ダービー連勝に挑む可能性がある。

クリスマスデーの僚馬、ランボーンは昨年この偉業を達成しており、オブライエン調教師は愛ダービー17勝目をもたらした。なお、最初の愛ダービー勝利は1997年のデザートキングである。

ダーバンジュライデー
グレイヴィル(南アフリカ)、7月4日

南アフリカ競馬のシーズン中盤を飾る最高峰の一戦、G1・ダーバンジュライでは、リーガルカウンセルが62kgでトップハンデとなった。同馬を管理するジャスティン・スネイス調教師は、6月22日の最終出走馬確定へ進む28頭のリストに、ほかにも6頭を残している。

僚馬でG1・ケープダービー馬、ウィッシュリストは、前走のG2・ウーラヴィントン2000を勝って4連勝を達成しており、ハンデは54.5kgとなっている。

エクリプスステークスデー
サンダウン(英国)、7月4日

エクリプスステークスは、英国とアイルランドの中距離3歳馬にとって、古馬と対戦する最初の大きな機会となる。

10ハロンのこの一戦は、競馬史に残る名馬たちが勝ってきたレースでもある。昨年2着のオンブズマンは、仏ダービー馬のコンスティテューションリバーと対戦する可能性がある。ただし、コンスティテューションリバー陣営は別の選択肢も検討している。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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