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ロマンチックウォリアー、シンエンペラー、ダノンデサイル、ファクトゥールシュヴァル、コンティニュアス、エルコディゴら芝のスターが、1200万米ドルのG1・ドバイワールドカップ(ダート2000m)に引き続き登録されていることが、火曜日の発表で明らかになった。

4月5日にメイダンで行われる9レースの番組には、20カ国から885頭の馬が合計1383件の登録を行っている。その中には日本馬147頭(開催国UAEの382頭に次いで多い)、米国の122頭、サウジアラビアの69頭、英国の53頭が含まれる。

2024年の『ロンジンワールドベストレースホースランキング』にランクインしたトップ6のうち、4頭がこの日の開催にエントリー。ドバイワールドカップの前年勝ち馬であるローレルリバーは、G2・ゴドルフィンマイル(1600m)の登録にも名前がある。

ヨーロッパのスター、カランダガンとゴリアットはG1・ドバイシーマクラシック(2410m)に、そして史上最高賞金獲得馬であるロマンチックウォリアーはワールドカップとG1・ドバイターフ(1800m)の両方に登録されている。

アメリカ年度代表馬に輝いたソーピードアンナもワールドカップにエントリーし、先週末のG1・ペガサスワールドカップ(9ハロン)を制したホワイトアバリオも名を連ねた。 

White Abarrio wins the G1 Breeders' Cup Classic
WHITE ABARRIO, IRAD ORTIZ / G1 Breeders’ Cup Classic // Santa Anita Park /// 2023 //// Photo by Horsephotos
THORPEDO ANNA / G1 Breeders’ Cup Distaff // Del Mar /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

ドバイワールドカップと、芝の大レースであるドバイシーマクラシックまたはドバイターフのいずれか、あるいは両方に登録している馬は66頭。その大半は地元UAEおよびサウジアラビア調教馬だが、11頭はその他の国からの遠征馬となっている。

その中には、東京優駿(日本ダービー)の勝ち馬であるダノンデサイルも含まれる。ダノンデサイルは日曜日に中山競馬場で行われたG2・アメリカジョッキークラブカップ(2200m)を制し、本来の姿を取り戻した。安田翔伍厩舎のこの4歳馬は、ドバイワールドカップを第一希望とし、ドバイシーマクラシックにも登録されている。もしワールドカップに出走すれば、日本ダービー馬としては2012年に6着となったエイシンフラッシュ以来のダート挑戦となる。

同厩馬のデシエルトもドバイワールドカップを第一希望としているが、G3勝ち馬の同馬はドバイターフにも予備として登録されている。

また、東京優駿3着のシンエンペラーも引き続き世界を股にかけて戦う予定だ。昨年はアイルランドとフランスで遠征を経験し、前走のジャパンカップでは2着に好走した。ドバイシーマクラシックが本線となる見込みで、ドバイワールドカップを第二希望、ドバイターフを第三希望として登録している。

ロマンチックウォリアーは先週、G1・ジェベルハッタ(1800m)を制し、ドバイターフの舞台と同じコース・距離で勝利を収めた。これで同馬は4ヶ国でG1勝利を達成。管理するダニー・シャム調教師はドバイターフが最有力の選択肢だとしつつも、来月リヤドで行われる2000万米ドルのG1・サウジカップ(1800m)を制した場合に備えて、ドバイワールドカップにも登録を済ませている。

Romantic Warrior wins G1 Jebel Hatta
ROMANTIC WARRIOR, JAMES McDONALD / G1 Jebel Hatta // Meydan /// 2025 //// Photo by HKJC

昨年のドバイターフ覇者ファクトゥールシュヴァルも、まずはサウジカップに挑戦し、その結果を見てドバイワールドカップまたはドバイターフへの参戦を決定する見込みだ。ファクトゥールシュヴァルは先週のG1・アルマクトゥームチャレンジ(1900m)でダート初挑戦を果たし、同じく芝・ダート両睨みのウォークオブスターズの3着に入った。なお、ドバイターフの勝ち馬が翌年ドバイワールドカップに出走した例は過去に2頭しかおらず、それはキーオブラックとパンサラッサのみである。

2023年の英セントレジャー馬コンティニュアスは、精彩を欠いた4歳シーズンを立て直す必要がある。ドバイワールドカップは同馬が登録している3レースのうちの1つで、他にはドバイシーマクラシックとG2・ドバイゴールドカップ(3200m)にもエントリーしている。

また、アルゼンチン最強古馬であるエルコディゴもドバイワールドカップの登録馬に名を連ねている。同馬は現在、中東の馬主に売却される手続きが進められており、サウジカップとドバイワールドカップの両方を狙う野心的なプランが立てられている。その一方で、ドバイシーマクラシックにも予備として登録されている。

El Kodigo wins the Gran Premio Copa de Oro
EL KODIGO, GUSTAVO CALVENTE / G1 Gran Premio Copa de Oro // San Isidro /// 2024 //// Photo by San Isidro

エルコディゴを昨年12月のG1・カルロスペレグリーニ大賞(サンイシドロ)で破ったインテンスフォーミーも、ドバイワールドカップとドバイターフに登録。さらに、前走のG1・ホセペドロラミレス大賞(マローニャス)でエルコディゴの3着だった3歳馬スアブレナナブティーエイチも同じく両レースに登録されている。

芝・ダート両方に登録されている馬には、韓国のグランプリを制したグローバルヒットや、クールモアのペースメーカーからデンマークを代表する馬となったハンスアンデルセンが含まれる。

ローレルリバーとファクトゥールシュヴァルは、昨年の勝ち馬7頭のうちの2頭で、他にもアラブ種純血馬のG1、ドバイカハイラクラシック(2000m)にはティラルアルカレディアも連覇を目指して再び登録されている。

また、レベルズロマンスはこの開催で3勝目を狙う。同馬は2022年にG2・UAEダービー(1900m・ダート)を制し、昨年はドバイシーマクラシックを制覇。今年も同レースに登録されている。

UAEダービー馬フォーエバーヤングは、ドバイワールドカップに出走予定で、同レースでは2頭のUAEダービー勝ち馬と対戦する可能性がある。2023年の覇者デルマソトガケと、2022年の優勝馬クラウンプライドだ。

FOREVER YOUNG / G1 Tokyo Daishoten // Ohi Racecourse /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada
Rebel's Romance wins the G1 Dubai Sheema Classic
REBEL’S ROMANCE, WILLIAM BUICK / G1 Dubai Sheema Classic // Meydan /// 2025 //// Photo by Neville Hopwood

昨年のG1・ドバイゴールデンシャヒーン(1200m)を圧勝したタズは、連覇に向けて順調に調整が進んでいる。先週、同コース同距離のG3・アルシンダガスプリント(1200m)を勝利し、『ロシアのフランケル』の異名にふさわしい走りを見せた。一方で、近走不振が続くカリフォルニアスパングルも、直線競馬のG1・アルクオーツスプリント(1200m)で復帰する可能性がある。

カリフォルニアスパングルは、香港勢10頭のうちの1頭だが、その多くは短距離馬となっている。これは、新星カーインライジングとの対戦を避けるための動きと見られる。

オーストラリアからは5頭が登録されている。メルボルンカップで3着だったオキタソウシ(ドバイシーマクラシックとドバイゴールドカップに登録)と、G1・モイアステークスの勝ち馬モーニントングローリー(アルクオーツスプリントに登録)は、遠征の可能性が低いとされるが、G1級の実力馬アイアムミーはアルクオーツスプリントに出走し、その後6月のロイヤルアスコットを目指す予定だ。

また、南アフリカのG1馬がこの開催に出走するのは10年ぶりとなる。2023年にG1・コンピュータフォームスプリント(1000m)とG1・マーキュリースプリント(1200m)を制したイシヴングヴングが、アメリカのグラハム・モーション厩舎からアルクオーツスプリントに登録されている。

ドバイワールドカップデーが4月に開催されるのは今回が2度目。前回は1997年、豪雨の影響で5日間延期されての実施だった

アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの国際担当。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。

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