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金曜日、フォーエバーヤングは、大改修で生まれ変わったベルモントパーク競馬場の新たな舞台にふさわしい主役を務めた。しかし、二度と巡り合えないほどの馬だと同馬を評する矢作芳人調教師は、半分しか満足できないまま、ニューヨークの競馬場を後にした。

日本のスーパースターは、4頭立てのレースで3頭の挑戦を退け、総賞金100万米ドルのG1・ジョッキークラブゴールドカップを3馬身1/4差で制した。

ロングアイランドに位置するベルモントパーク競馬場では、3年間の歳月と5億5500万米ドル(約85億円)を投じ、古いれんが造りのスタンドを低層の近代的な施設へと建て替えた。この日は2023年7月9日以来となる開催日で、同レースがメインを飾った。

この日、入場券は完売。ただし、工事は続いており、一般開放されたのは1、2階だけだったため、入場者数は6000人を上限としていた。記念すべき日に詰めかけた観客は、フォーエバーヤングが国際G1勝利数(Jpn1は含まず)を「5」に伸ばす瞬間を見届けた。

1着賞金55万米ドルを加え、フォーエバーヤングの獲得賞金は3230万米ドル(約50億円)に達した。今月初め、世界歴代最多となる2億8870万香港ドル(3680万米ドル・約57億円)を獲得して引退したロマンチックウォリアーとの差を縮めたことになる。

次に向かうのは、10月31日にキーンランド競馬場で行われる総賞金700万米ドルのG1・ブリーダーズカップ・クラシック。昨年、デルマー競馬場で制した一戦の連覇に挑戦する。

勝ったことには満足しても、その内容は別だった。3月のドバイワールドカップ2着以来の実戦となったフォーエバーヤングは、坂井瑠星騎手を背に、逃げるフィリアスフォッグを追走してから後続を突き放し、10ハロンを2:01.23で走破した。しかし、直線では一度も手前を替えなかった。

矢作師は「勝ったことには100%満足しています。ただ、パフォーマンスへの満足度は50%です」と話した。

「80%以上は仕上がっていたと思いますが、レースでの走りはその水準ではありませんでした。身体は仕上がっていても、精神面では仕上がっていなかったのだと思います」

最後の1ハロンで伸びを欠いた点をさらに問われると、矢作師は休み明けを理由に挙げた。

「休み明けの影響だと思います。期待していたような伸びがありませんでした」

4か国、10競馬場にまたがる全16戦で手綱を取ってきた坂井瑠星騎手は、より率直な見方を示した。「ジョッキーが下手だったからかもしれません」と述べたうえで、ペースも好都合ではなかったと明かした。

「折り合いを心配する必要はまったくありません。ただ、次のブリーダーズカップを考えると、もう少し道中の手応えは欲しかったところではあると思います」

ドバイワールドカップでの敗北の再現を警戒し、前で運ぶよう求めたのは矢作師だった。

「(坂井瑠星騎手には)逃げ馬を常に射程圏に入れておくよう伝えました。ドバイの時のように逃げ切られるのは避けたかったので、早めに動くよう指示しました」

Forever Young winning the G1 Jockey Club Gold Cup at Belmont Park
FOREVER YOUNG, RYUSEI SAKAI / G1 Jockey Club Gold Cup // Belmont Park /// 2026 //// Photo by Shuhei Okada
Yoshito Yahagi and Ryusei Sakai at Belmont Park after Forever Young's win
YOSHITO YAHAGI (L), RYSUEI SAKAI / G1 Jockey Club Gold Cup // Belmont Park /// 2026 //// Photo by Shuhei Okada

フォーエバーヤングが6週間後にはさらに動けるようになるかと問われると、矢作師の言葉に躊躇いはなかった。

「もちろん。(6週間で)状態を上げるつもりです」

矢作師はそれに先立ち、「今日のパフォーマンスではブリーダーズカップは勝てない」とも認めていた。ただ、坂井瑠星は力の要る馬場だったと報告しており、矢作師も馬場状態を考慮し、その厳しい評価を多少和らげていた。

今後は帰国せず、そのまま米国に滞在する予定だ。「新しいベルモントパークには素晴らしい調教施設が整っていますので、10月20日までここで調整してからキーンランドへ向かいます」と矢作師は説明した。

「身体はかなり仕上がっていると思いますが、次のレースまでまだ6週間あるので、少しゆっくりさせたいです」

ライバルの不在によって、BCクラシック連覇への道が少し楽になる可能性もある。米国年度代表馬のソヴリンティは蹄の膿瘍で金曜日のレースを取りやめており、キーンランドのBCクラシックへの出走も依然として不透明だ。

矢作師にとって、この日は温かな歓迎も心に残った。これまでの海外遠征との違いを、あえて強調した。

「世界中どこへ海外遠征しても、普通はアウェーですが、ここ米国では皆さんがとても温かく迎え、声援を送ってくれました。ですから、アウェーではなく、ホームにいるように感じました」

キーンランドの先には、サウジカップ3勝目という夢も残っている。ただし、それを決めるのは矢作師ではない。

「もちろん私は調教師なので、サウジカップに使いたい気持ちはありますが」と話し、いつまでも引退しなければ「種牡馬牧場に怒られてしまいます」と冗談も口にした。

それでも、手元にいる馬の価値について、矢作師に迷いはない。

「一生のうちに、二度と巡り合えないような馬だと思います」

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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フランク・チャン、Idol Horseのジャーナリスト。世界を旅する競馬ファンとして、アメリカ、カナダ、チリ、イギリス、フランス、ドバイ、オーストラリア、香港、そして日本の競馬場を訪れた経験を持っている。

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