戸崎圭太騎手は日曜日、ドラゴンウェルズに騎乗し、国際G3(ローカルG1)・コリアスプリントを制した。そして、その勝利を祝おうとした途端、シャンパンファイトが自身の顔に直撃した。
日本の人気ジョッキーがG3・コリアスプリント制覇の喜びに浸ったのもつかの間、表彰式で思わぬ事態が起きた。ボトルからシャンパンが顔めがけて噴き出し、戸崎はずぶぬれに。日本の競馬ファンにとっては、ネットで話題を呼ぶ戸崎の名場面に、また一つ新作が加わった。
ハプニングが起きた表彰式とは異なり、レースそのものは、ずっとスムーズだった。
藤原英昭調教師が管理するドラゴンウェルズは、矢作芳人調教師のアメリカンステージを追走。直線へ向くところで日本馬2頭が後続を引き離すと、残り200mを切ってドラゴンウェルズが突き放した。ダート1200mの大一番を2馬身差で制し、勝ち時計は1:10.7だった。
日本馬のワンツーフィニッシュとなったこの勝利で、ドラゴンウェルズは連勝を4に伸ばし、海外重賞初制覇を達成。日本馬にとっては5度目のコリアスプリント制覇となった。
そして、表彰式がやってきた。
大きなシャンパンボトルを手渡された戸崎は、人のいない場所へ向けて噴き出させるよう説明を受けた。だが、そこまでたどり着けなかった。
戸崎は東京スポーツ紙に「ボトルを大きく4回振ってから、人のいない方へ向けて噴き出させるように言われましたが、振っている最中に指がパンッと外れて、シャンパンが自分の全身にかかってしまいました」と説明した。
映像には、戸崎が説明を注意深く聞く様子が映っている。ところが、シャンパンは噴き出すはずのタイミングを待たずに顔面を直撃。コリアスプリントを制したジョッキーは、少なくともその瞬間だけは、自らの祝勝セレモニーに完敗していた。



戸崎自身も、このハプニングを笑い話にしていた。
「なんだか、そういうところが自分らしいですよね。なかなかカッコつかない感じで」と話した。
その後、韓国馬事会(KRA)の公式競馬放送が、この一幕をYouTubeに投稿。動画はたちまち日本の競馬ファンの枠を超えて広がり、Yahoo! JAPANの総合トレンドで最高2位まで上昇した。
説明を聞く戸崎の不安げな表情から、ボトルをまともな方向へ向ける間もなくシャンパンが噴き出す瞬間まで、ファンは一連の流れを楽しんだ。
あるファンは「韓国の皆さん。この方が日本で愛されるTOSAKIです」と投稿。別のファンは「また新しいネタができてしまった」と冗談を飛ばし、日本の昔ながらのコントにたとえる声もあった。
こうした反応に込められた愛情を最もよく表していたのは、あるファンのこの言葉かもしれない。「俺達の戸崎は期待を裏切らない」
だが、笑いはシャンパンボトルの登場前から始まっていた。
戸崎は勝利騎手インタビューの第一声で「ベリベリマー」と口にした。自分の代名詞となったフレーズに、韓国語で馬を意味する「マー」を組み合わせた。
少なくとも今回は、狙いどおりだった。東京スポーツによると、戸崎は決めぜりふに韓国らしさを加えようと、あらかじめ通訳に韓国語で馬をどう言うのか確認していたという。
「ベリーベリー」が戸崎について回るようになったのは、2025年にダノンデサイルでドバイシーマクラシックを制してからだ。レース直後、英語で騎乗馬について尋ねられた戸崎は、興奮の中で「ベリーグッドホース」と答えるつもりだった。
ところが、緊張のあまり「グッド」が抜け落ち、今やおなじみとなった「ベリーベリーホース」が飛び出した。
偶然生まれた決めぜりふは、ひとり歩きを始めた。戸崎もそれを受け入れ、YouTubeで「戸崎圭太のベリベリチャンネル」を開設。今年は、タイトルに「ベリベリ」を入れた初の著書も出版した。
だから、シャンパンの動画が日本で拡散した時には、ファンの側にもぴったりのフレーズが用意されていた。あるファンは、この一幕を「ベリーベリー顔面シャンパンシャワー」と呼んだ。
「韓韓国の方も熱い声援でうれしく思いましたし、『ベリーベリー』ということで、僕も高ぶりました。またここに来て、レースしたいなと思いました」と、戸崎は東京スポーツに話した。
馬はベリーベリーグッド。シャンパンの扱いは、ベリーベリーバッドだった。