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競馬場: 東京競馬場

距離: 2400m

総賞金: 3億2650万0000円

優駿牝馬は日本のオークスにあたる一戦で、1938年に初めて行われ、アステリモアが初代優勝馬となった。同馬は、1927年の英ダービーで3着に入り、のちに日本へ輸入されたシアンモアを父に持つ牝馬で、のちに東京優駿(日本ダービー)でも3着に入っている。

このレースは、マイルで行われる桜花賞に続く牝馬クラシック第2戦であり、2000mの秋華賞で完結する牝馬三冠の第2戦でもある。

今村聖奈騎手が史上初の快挙に挑戦

日本のクラシック競走では、女性騎手による勝利はまだない。今村聖奈騎手は日曜日、オークスでジュウリョクピエロに騎乗し、女性騎手初のクラシック勝利という歴史に挑む。JRAのG1競走で日本人女性騎手が初めて騎乗したのは、2019年のフェブラリーSでの藤田菜七子騎手だった。

ただし、単勝2桁オッズが想定されるとしても、今村にチャンスがないわけではない。ジュウリョクピエロは近2走を連勝して一気に評価を高め、Idol Horseの週刊コラム『ワールド・レーシング・ウィークリー』内の「世界の注目馬リスト」でも取り上げられた。

デビュー戦はダートで勝利し、その後2敗したが、芝に替わってからは2戦2勝と開花。前走は阪神のリステッド競走を鮮やかに制し、オークス挑戦の切符をつかんだ。

オークスの歴代勝ち馬のうち、ダートでデビューしていた馬には、1988年のコスモドリーム、2000年のシルクプリマドンナ、1986年のメジロラモーヌ、1994年のチョウカイキャロルがいる。

22歳の今村は、ジュウリョクピエロの5戦中4戦で手綱を取り、3勝を挙げている。2022年のデビューシーズンには51勝を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手を受賞するなど大きな注目を集めた。

だが2023年、騎手控室でのスマートフォン使用により騎乗停止となった若手6人のひとりとなり、騎乗依頼の流れは鈍った。翌年はわずか6勝にとどまったが、昨年は22勝まで巻き返し、今年はここまで5勝。

もっとも、現時点でのキャリア最大の勝利は2022年夏のG3・CBC賞で、これが今のところ唯一の重賞勝ちでもある。

スターアニス vs 「距離の壁」

スターアニスは、G1・桜花賞に続くオークス制覇を狙う最有力候補だ。勝てば、1984年以降では12頭目の牝馬二冠達成となる。直近でこれを達成したのは、傑出した能力を示しながらのちに悲運に見舞われたリバティアイランドで、2023年に牝馬三冠を達成している。

リバティアイランドと同じく、スターアニスもG1・阪神ジュベナイルフィリーズを制し、昨年の日本の最優秀2歳牝馬となっている。

ただし、スピード色の強いドレフォン産駒であり、母エピセアロームはスプリント路線で活躍した牝馬。エピセアローム自身も2012年の優駿牝馬では16着に敗れ、距離をこなせなかった。

母の産駒でこれまで結果を出してきた馬も1400mから1800mが中心で、スターアニスが東京2400mを走り切れるかには、一定の疑問が残る。

Kohei Matsuyama raises a finger to the sky as he wins the G1 Oka Sho aboard Star Anise
KOHEI MATSUYAMA, STAR ANISE / G1 Oka Sho // Hanshin /// 2026 //// Photo by Shuhei Okada

松山弘平騎手が春クラシック3連勝へ

スターアニスに騎乗する松山弘平騎手は、今春のクラシックで続く快進撃をさらに伸ばそうとしている。スターアニスで桜花賞を制しただけでなく、36歳の松山は牡馬クラシック初戦のG1・皐月賞も、ロブチェンで勝利した。

日曜にスターアニスが勝つことになれば、松山はロブチェンに騎乗する翌週のG1・日本ダービーを、春のクラシック4競走完全制覇を十分に狙える立場で臨める。ロブチェンは現時点でダービーの最有力候補だ。

同一年に桜花賞、皐月賞、優駿牝馬を制した騎手は、1993年の武豊騎手が最後。武豊騎手は牝馬二冠をベガで、皐月賞をナリタタイシンで制している。

母仔制覇の夢を託された2頭の運命は

日曜のオークスには、母仔制覇を目指す名牝の娘が2頭出走する。武豊騎手が騎乗するアランカールは、2016年オークス馬のシンハライトの産駒。一方、トリニティの母は、2014年オークス馬のヌーヴォレコルトだ。

これまでオークスを母娘で制した例は2組しかない。最初は1954年、ヤマイチが母で1943年の優駿牝馬勝ち馬クリフジの足跡をたどったケースだった。それから42年後の1996年、エアグルーヴが1983年に同レースを制した母ダイナカールに続いた。

武豊騎手はエアグルーヴでその勝利を挙げたが、これが同騎手にとって最後の優駿牝馬制覇となっている。

Alankar wins at Hanshin
ALANKAR, YUICHI KITAMURA / Listed Nojigiku Stakes // Hanshin /// 2025 //// Photo by @dk_horse1412

坂井瑠星騎手、クラシック初制覇なるか

28歳の坂井瑠星騎手は、この数年で日本の20代騎手の中でも屈指の存在感を示すようになった。フォーエバーヤングの主戦としてG1・サウジカップ連覇、そしてG1・BCクラシック制覇を成し遂げ、競馬界で国際的な知名度を高めている。

坂井を長く支えてきたのが、海外の大舞台で日本を代表する成功を収めてきた矢作芳人調教師だ。ただし、坂井はまだクラシック競走を勝っていない。もっとも近い実績といえるのは、2022年にスタニングローズで制したG1・秋華賞だが、同レースは牝馬三冠の最終戦として位置づけられる一方、日本のクラシック5競走には含まれない。坂井の主な大レース勝ちは、ダートでのものが多い。

坂井は日曜日、エンネとコンビを組む。キャリアの浅いこの牝馬はまだ2戦しか走っておらず、前走はオークストライアルのひとつ、G2・フローラステークスで2着。デビュー勝ちは3月14日で、優駿牝馬のわずか71日前だった。もし勝てば、1982年の勝ち馬シャダイアイバーが持つ、優駿牝馬制覇の77日前にデビューした記録を更新する。また、キャリア3戦目でオークスを制する初の馬となる。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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