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  • 開催日 5月3日
  • 競馬場 京都競馬場(右回り)
  • 所在地 伏見区(京都府)
  • 国際格付け G1
  • 国内格付け G1
  • 出走条件 4歳以上
  • 馬場
  • 距離 3200m
  • 総賞金(日本円) 6億5100万0000円
  • 総賞金(米ドル) 約420万0000米ドル
  • 初開催 1938

天皇賞春は、JRAの平地G1の中では最長距離のレースであり、日本の長距離馬の祭典とも言えるレースだ。

「秋」の天皇賞が2000mのレースへと変化した一方で、春の天皇賞はいまなお、3200mでの妥協のない耐久戦として残されている。

「天皇盾」として知られるこのG1競走は、日本の生産界においてスタミナの重要性を守り続けるうえで、極めて重要な役割を果たしている。その資質は、世界の他の地域では失われつつあるものだ。

京都競馬場の外回り芝コースで行われるこのレースには、高低差4.3mのバックストレッチ「淀の坂」という難所が待ち受ける。完璧なポジショニングと、大きく回る最後のコーナーで高速の末脚を持続させる能力が求められるコースである。

ディープインパクトは2006年、この距離に挑んで成功を収め、その後の凱旋門賞遠征へと向かった。歴代勝ち馬には、マヤノトップガン、そして連覇を果たしたテイエムオペラオーやキタサンブラックなど、芝の伝説的名馬たちも名を連ねている。

Kitasan Black prevails in 2017 Tenno Sho (Spring) breaking the track and race record
KITASAN BLACK, YUTAKA TAKE / G1 Tenno Sho (Spring) // Kyoto /// 2017 //// Photo by JRA

クロワデュノール(4歳牡馬・キタサンブラック × ライジングクロス)

調教師: 斉藤崇史
騎手: 北村友一
主な勝ち鞍: G1・大阪杯(2026)

昨年のダービー馬であるクロワデュノールは、一ヶ月前、G1・大阪杯を制して今年の主役候補に名乗りを上げた。今度は天皇賞春で距離の壁に挑む。もしここを突破するようなら、6月のG1・宝塚記念では「春古馬三冠」が視野に入る。

昨年、2400mのG1・日本ダービーを勝っている同馬だが、長距離は今回が初挑戦であり、3200mの距離では実績が無い。ただし、血統面としてはスタミナ面への不安は少ない。

父のキタサンブラックは天皇賞春を連覇、母のライジングクロスはエプソムのG1・英オークスで2着、ヨークで行われた2006年のG2・パークヒルS(約2800m)を勝っている。また、気性面の落ち着きも長距離では有利に働きそうだ。

一方、ダービー馬が天皇賞春を勝った例は2007年のメイショウサムソンが最後。勝てば19年ぶりの記録となる。凱旋門賞、ジャパンカップでの不本意な敗戦から復活の兆しを見せる逸材が、この春の勢いをさらに加速させるか?

アドマイヤテラ(5歳牡馬・レイデオロ × アドマイヤミヤビ)

調教師: 友道康夫
騎手: 武豊
主な勝ち鞍: G2・阪神大賞典(2026)

長距離巧者のアドマイヤテラにとって、今年の天皇賞春は絶好のチャンスだ。スタミナが問われる前哨戦のG2・阪神大賞典(3000m)ではコースレコードを更新する完勝、死角の少ない一頭として有力馬の一角に数えられている。

デビュー以来一貫して2000m以上の距離を使われ、3歳シーズンの夏に飛躍を遂げると、クラシックのG1・菊花賞(3000m)で3着に健闘。翌年も2500mのG2・目黒記念を制し、スタミナ豊富な一頭として信頼を集めたが、G1・ジャパンカップではスタート直後に落馬、G1・有馬記念は11着に沈み、トップクラス相手には苦戦する秋となった。

天皇賞春ではクロワデュノールとシンエンペラー以外は昨秋に戦ったライバルがおらず、実績面でも自然と上位に立つ。武豊騎手はアドマイヤテラに4回騎乗して3勝、菊花賞も含めて3着以内を外していない。

Yutake Take has won a Group race in Japan in each of the 40 years he has been riding
YUTAKE TAKE, ADMIRE TERRA / G2 Hanshin Daishoten // Hanshin /// 2026 //// Photo @kenta11312

ヘデントール(5歳牡馬・ルーラーシップ × コルコバード)

調教師: 木村哲也
騎手: クリストフ・ルメール
主な勝ち鞍: G1・天皇賞春(2025)

昨年の天皇賞春を制した長距離のスペシャリストが、怪我による離脱を乗り越えて、連覇を期す舞台に帰ってきた。昨年騎乗したダミアン・レーン騎手は、直前で回避したスティンガーグラスに騎乗する予定だったため、今年はクリストフ・ルメール騎手が騎乗する。

3歳時はG2・青葉賞で敗れてダービー出走を逃したものの、夏場に力を付け、3000mの菊花賞でアドマイヤテラに先着して2着。昨春、3400mのG3・ダイヤモンドステークスで重賞初制覇。長距離の新星として期待を集めた天皇賞春も、本命評価に応えて見事な勝利を挙げた。

しかし、G1・英インターナショナルSへの遠征を目指していた7月に悲報が届く。調整中に右後脚の骨折が判明し、シーズン後半戦を丸々棒に振った。

復帰戦となった2月のG2・京都記念では、さすがにブランクが影響したのか8着。44勝を挙げた昨年と比べ、今年はまだ4勝と苦しむ木村哲也調教師だが、有力ステイヤーの復活に向けてその手腕が問われる一戦となる。

アクアヴァーナル(5歳牝馬・エピファネイア x エイプリルミスト)

調教師: 四位洋文
騎手: 松山弘平
主な勝ち鞍: OP・万葉ステークス(2026)

1953年のレダ以来となる牝馬の天皇賞春勝利に向け、長距離で地道に実績を積み重ねてきたアクアヴァーナルが、京都の3200mで行われる大舞台に挑戦する。京都コースでは5戦2勝、敗戦もすべて2着。コース相性は抜群の一頭だ。

昨年は2400mを超える距離の条件戦で安定した走りを見せ、年明けもその勢いそのまま、1月のOP・万葉ステークス(3000m)を勝利。天皇賞春の前哨戦となるG2・阪神大賞典では、レコード勝ちのアドマイヤテラには3馬身離されたものの、先頭集団からしぶとい粘りを見せて2着に入った。

かつてはあのマカイビーディーヴァも敗れた天皇賞春だが、2020年以降は毎年のように牝馬が出走しており、阪神競馬場で開催された2021年はカレンブーケドールが3着に健闘している。ただし、京都開催に限った場合、1955年を最後に3着以内に入った事例はない。

タカハシ・マサノブ記者

視点: 京都実績(ただしクロワデュノールを除いて)

天皇賞春は前年の菊花賞で良い成績を残した4歳馬の好走が目立つ一方、今年は4歳馬が2頭のみ。しかもどちらも菊花賞に出走していない。なので、今回は「コース実績」に幅を広げて、京都での好走実績がある馬をピックアップしたい。

2024年の菊花賞3着馬であるアドマイヤテラ、2着馬のヘデントールは京都の長距離G1で好走歴がある馬として、この条件に当てはまる。後者は怪我明けの復帰戦だった前走の走りにやや不安が残るが、昨年の勝ち馬としての底力を信じたい。

また、京都で5戦2勝・2着3回と抜群の相性を誇るアクアヴァーナルも軽視はできない。秋以降は4戦中3回を京都で使い、いずれも良い内容の走りを見せており、その好調ぶりはメンバー内でも上位に入る。

今年は有力馬の参戦が少なく、全体的に手薄なメンバーのため、クロワデュノールを切ることは難しい。京都実績の条件には当てはまらないが、能力も実績も圧倒的な存在。距離に多少の不安があるとしても、3着以内は外さないだろう。

推奨馬: 3番・アドマイヤテラ、12番・ヘデントール、4番・アクアヴァーナル、7番・クロワデュノール

ホーマン記者

視点: 阪神大賞典組

天皇賞春には2つの重要な前哨戦がある。2月に東京3400mで行われるG3・ダイヤモンドSと、3月に阪神3000mで行われるG2・阪神大賞典だ。ダイヤモンドSはハンデ戦である一方、阪神大賞典は定量戦のため、後者の方が真の実力馬を測るうえでは重要視されることが多い。

近年、阪神大賞典は天皇賞春に向けた有力な指標となっており、直近5年の勝ち馬は本番のG1でも好走している(5:2-2-0-1)。2023年勝ち馬のジャスティンパレス、2024年のテーオーロイヤルもこの中に含まれる。なお、テーオーロイヤルは同じシーズンにダイヤモンドSも勝っている。

今年、阪神大賞典を3馬身差で勝利したアドマイヤテラが本命視されている。レイデオロ産駒の同馬は実績あるステイヤーであり、武豊騎手は好相性を誇るパートナーだ。

阪神大賞典・2着馬のアクアヴァーナルも押さえておくべき一頭である。昨年11月以降はスタミナを示しており、3000m以上では3戦して3勝と2回の入着という成績を残している。また、京都でも5戦2勝、2着3回と堅実な実績を誇る。

ただし、阪神大賞典では着差が開いた2着だったうえ、2つの要素が不利に働く。坂井瑠星騎手が米国遠征に向かうため、松山弘平へ乗り替わること。そして、春天では牝馬の成績が非常に悪く、79頭出走で1勝、2着2回、3着3回、73回は着外に敗れている。直近の入着例は2021年のカレンブーケドールだ。

連覇を狙うヘデントールも軽視はできない。G2・京都記念での8着は、2025年5月以来の実戦であり、トップハンデの59kgを背負っていたことを考えれば度外視できる。一度使われ、より適した距離へ戻る今回は、巻き返しがあっていい。

クロワデュノールは実績上位だが、スタミナには疑問が残り、日本ダービー馬と春天の相性も味方していない。天皇賞春を勝った最後のダービー馬は2007年のメイショウサムソンで、それ以降も複数の馬が挑戦しては敗れてきた。人気が集中することを考えれば、今回は見送りたい。

ミステリーウェイは大穴としては妙味があるかもしれない。前走は速い流れのためにペースを握ることができなかったが、今回は主導権を握るチャンスがあるかもしれない。

推奨馬: 3番・アドマイヤテラ、4番・アクアヴァーナル、12番・ヘデントール、13番・ミステリーウェイ

上保周平記者

視点: 長距離戦への対応力

JRA・G1で最長距離となる3200m戦において、最も重視すべき資質は折り合いとレースセンスである。

前走の大阪杯を勝ったクロワデュノールには、まだ手前替えの面で改善の余地があるが、今季初戦の内容は文句なしに印象的だった。北村友一騎手とのコンタクトも非常に良く、父キタサンブラックが2017年にレコード勝ちを収めた同じ舞台で、春のG1連勝を達成する力は十分にあるように見える。

前年勝ち馬のヘデントールは、前走のG2・京都記念が長期休養明けだった。長距離で持続力を発揮することに強みがある馬であり、2200mの平均的な流れはこの馬の長所を生かすものではなかった。3000m以上のレースで無敗という実績は、この馬が生粋の長距離巧者であることを証明している。

G2・阪神大賞典をレコードタイムで勝利したアドマイヤテラもまた、距離が延びて良さが出るタイプだ。長距離の名手・武豊騎手が騎乗すること、そして少し時計のかかる馬場にも対応できる能力を持つことから、予報されている雨は追い風になるかもしれない。

キズナ産駒のサンライズソレイユは近走で本来の力を発揮できていないが、3000m以上での実績は確かなものがある。長く脚を使える能力は京都の長距離戦に合うはずで、見限るにはまだ早い。

推奨馬: 7番・クロワデュノール、12番・ヘデントール、3番・アドマイヤテラ、2番・サンライズソレイユ

スティーヴン・ホー騎手

視点: 血統

天皇賞春は2マイルの厳しい一戦であり、出走馬すべてにとってスタミナが最も重要な条件となる。この象徴的なレースで成功を望めるのは、確かなスタミナ能力を証明している馬だけだ。

アドマイヤテラは一昨年の菊花賞でスタミナを示し、レジェンド・武豊騎手の見事な騎乗もあって3着に入った。今季はさらなる飛躍を予感させ、初戦の阪神大賞典で勝利を収めている。

キングカメハメハ系の産駒は近年の天皇賞春で好成績を残しており、ヘデントール(2025年)、テーオーロイヤル(2024年)、タイトルホルダー(2022年)がいずれもこのレースを制している。

ヘデントールは連覇を目指す今年も強力な有力馬になると見込まれる。前走の京都記念では期待外れの結果に終わったものの、パフォーマンスはこれまで一貫して高い水準にある。このレースで連覇を果たす可能性は十分にある。

ホーエリートはヘデントールと同じ血統構成を持ち、父がルーラーシップ、母父がステイゴールドである。3600mのG2・ステイヤーズステークスを制したことは、その優れたスタミナを証明しており、メンバーの中でも興味深い伏兵となる。

昨年のダービー馬、クロワデュノールは、3200mへ距離を延ばすことで大きな試練に直面する。父のキタサンブラックは2016年と2017年にこのレースを制しており、もしクロワデュノールが親子制覇を達成するとなれば、競馬ファンにとって記憶に残る物語となるだろう。

推奨馬: 3番・アドマイヤテラ、12番・ヘデントール、14番・ホーエリート、7番・クロワデュノール

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