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ピューロマジックはこれまで、序盤から飛ばし、どこまで脚が持つかという競馬を続けてきた。だが27日の中山では、そのスピードは最後まで衰えることなく、スプリンターズステークスを制して初のG1タイトルを手にした。

この勝利を受け、同馬を所有するスリーエイチレーシングの橋本征道代表は、12月の香港スプリントでカーインライジングと対戦するプランを思い描いている。ただし、その目標は多くの馬主が掲げるものとは一線を画している。

「もし香港に行けるなら香港に行って、そこでおそらく年齢的に繁殖牝馬に、と思っています。今後は調教師と相談しながら決める状況になると思います。カーインライジングに800mだけは勝ちたい(笑)」と、橋本代表は東京スポーツ紙に語っている。

冗談めかした発言にも、ピューロマジックの序盤の速さという裏付けがある。大外枠から出ると、二の脚を利かせて内へ進み、先頭に立った。最初の600メートルは33秒6で通過し、後続に3馬身のリードをつけて直線へ向いた。終盤にはワールズエンドとサウンドモリアーナが迫ったが、ピューロマジックがクビ差で凌いだ。

6度目の挑戦でつかんだ悲願のG1タイトル。彼女のスピード能力はこれまでも疑いようが無かった。函館スプリントステークスとアイビスサマーダッシュを勝ち、セントウルステークスで2着に入ってサマースプリントシリーズ王者としてこの一戦を迎えた。

これまで大舞台でのピューロマジックに足りなかったのは、そのスピードを生かすための折り合い。岩田望来騎手はこの日、中山の電撃戦でその違いを感じ取っていた。

JRA公式の勝利インタビューで、岩田は「こういう馬場はどうかと思っていましたが、天性というか、二の脚で何とかハナに立てました。前走より折り合いもついていて良かったですし、直線は何とか粘ってくれ、という感じでした」と振り返った。

Puro Magic G1 Sprinters Stakes win at Nakayama
PURO MAGIC, MIRAI IWATA / G1 Sprinters Stakes // Nakayama /// 2026 //// Photo by Shuhei Okada
Puro Magic with Sprinters Stakes winners rug
PURO MAGIC / G1 Sprinters Stakes // Nakayama /// 2026 //// Photo by Shuhei Okada

この勝利により、2013年の朝日杯フューチュリティステークス覇者である父アジアエクスプレスは、産駒初のG1制覇を記録した。

安田翔伍調教師にとっては、ダノンデサイルで制した2024年の日本ダービーに続くJRAのG1通算2勝目。岩田にとっても、アルマヴェローチェで勝った2024年の阪神ジュベナイルフィリーズ以来となる2勝目だった。

ピューロマジックに敗れた顔ぶれには、実績馬が並んだ。桜花賞馬で1番人気のスターアニスは直線入り口で進路が狭くなったが、追い上げて4着。2番人気のパンジャタワーは見せ場なく15着に終わり、前年覇者のウインカーネリアンは終盤に脚色が鈍って6着だった。

橋本代表が思い描く「最初の800メートル」の勝負には、21連勝中のカーインライジングが立ちはだかる。

カーインライジングは10月17日にランドウィック競馬場で行われるG1・ジ・エベレスト、そして11月のG2・ジョッキークラブスプリントを勝てば、23連勝で香港スプリントに臨むことになる。

デヴィッド・ヘイズ調教師が手掛ける香港の騸馬は現在、豪州のカンタベリーパーク競馬場に滞在している。10月6日にはバリアトライアルに臨む予定で、2度目のシドニー遠征は、初回よりはるかに順調だという。

「昨年は少し神経質になっていて、状態が整ったのはレースの2日ほど前でした。今年は3週間前にはもう整っています。まるで別の馬です」とヘイズ師は話した。

ピューロマジック陣営の作戦に、多くの説明はいらない。ゲートを出れば、あとは飛ばすだけだ。少なくともシャティン1200mの最初の800メートルは、橋本代表も40数秒の歓喜を味わえるだろう。

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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