トミー・ベリーは、香港で全ての馬主、調教師、騎手が夢見るレース、香港ダービーを制した精鋭の一人だ。
2014年の香港ダービーでは、ジョン・ムーア調教師のハイレベルな同厩馬たちが歴史に残るレースを繰り広げた。ベリーが騎乗したデザインズオンロームが、ジョアン・モレイラのエイブルフレンドを上回る走りを見せた。
今週の新しいポッドキャストエピソード「ザ・レース」では、ベリーがIdol Horseのアンドリュー・ルジューン記者と対談し、ダービーでの勝利の舞台裏や、「逃した一勝」について初めて語った。
「それまでダービーに騎乗したことがなかったので、いつもとはプレッシャーが違いました。スタートからプレッシャーを感じました」とベリーは語る。
「デザインズオンロームは順調に走っていましたが、ハミを受けていませんでした。早めに仕掛けるべきか?クラシックカップのように700メートルの地点まで待つべきか?それは私次第でした」
デザインズオンロームが仕掛けたとき、エイブルフレンドは最後方に下がっていたが、ベリーはエイブルフレンドを狙い通りの位置に収めていたと振り返る。
「500メートル地点では、『馬群を抜けてくるのは無理だ』と思いました…彼の前には馬の壁がありましたが、ジョアンはジョアンらしくマジックを使いました」
モレイラがエイブルフレンドで信じられないような走りを見せると、2頭は残り250メートル地点で目を合わせ、スリリングなフィニッシュを迎えた。
「デザインズオンロームについては、左手から右手にムチを持ち替えればいつでもあと1~2馬身分の力が残っていることはわかっていました。右手にムチを持ち替えた瞬間、もう一段ギアが上がり、あとは歴史の通りです」
デザインズオンロームに騎乗したレースは、ベリーのキャリアの中でも間違いなく最も見事な大レースでの騎乗のひとつだが、その反対についてはどうだろうか?
「今でも夜寝られなくなるようなレースはありましたか?」と尋ねると、ベリーは2017年のG1・香港カップでのワーザーを挙げ、ザック・パートンが騎乗したタイムワープに敗れて2着となった悔しい記憶を振り返った。
「あの日、彼(ワーザー)は圧勝すべきでした。上階のジョッキールームに戻って寝椅子に横になり、20~25分くらい動けなかったことを覚えています。競馬場で感じた中でおそらくあれが一番つらくて最悪でした」