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  • 開催日 5月17日(日)
  • 競馬場 東京競馬場(左回り)
  • 所在地 府中市(東京)
  • 国際格付け G1
  • 国内格付け G1
  • 出走条件 4歳以上牝馬限定
  • 馬場
  • 距離 1600m
  • 総賞金(日本円) 3億2650万0000円
  • 総賞金(米ドル) 約210万7000米ドル
  • 初開催 2006 (ダンスインザムード)

ヴィクトリアマイルは、日本競馬の古馬牝馬たちにとって春の最大目標である。

2006年に創設され、6月初旬に同じコースと距離で行われる牡馬混合の定量戦、安田記念へ向けて、この路線の最上位馬たちにとって絶妙なタイミングの前哨戦となっている。勝ち馬の顔ぶれは現代の名牝名鑑のようで、ウオッカ、アパパネ、アーモンドアイ、グランアレグリアがいずれもこのレースで力を示している。

ヴィクトリアマイルは、日本競馬で見られた中でも屈指の圧倒的なパフォーマンスをいくつも生み出してきた。アーモンドアイは2020年に相手を子ども扱いしたが、次走の安田記念ではグランアレグリアに差し切られた。その12カ月後、グランアレグリアはヴィクトリアマイルを制したスーパースターだったが、彼女もまた安田記念で続けて勝つことはできず、ダノンキングリーからアタマ差の2着で入線した。

その流れは、このレースが引き寄せる牝馬の質を物語っている。牝馬同士なら圧倒できるほど優秀で、牡馬に挑むだけの大胆さも備えた馬たちだ。

このレースは、純粋に劇的な瞬間も届けてきた。2022年には絶大な人気を誇る白毛牝馬、ソダシが歓喜の光景の中で勝利を決め、ヴィクトリアマイルが能力だけでなく、ストーリー性のあるレースでもあることを競馬ファンに思い出させた。

登竜門であり、実力を証明する舞台であり、時には戴冠式にもなるこのレースは、日本の競馬カレンダーの中でも最も待ち望まれる日程の一つであり続けている。

エンブロイダリー(4歳牝馬・アドマイヤマーズ × ロッテンマイヤー)

調教師: 森一誠
騎手:
クリストフ・ルメール
主な勝ち鞍:
G1・桜花賞 (2025)

昨年のG1・桜花賞を制し、さらにG1・秋華賞も勝って牝馬二冠を達成したエンブロイダリーが、古馬として初のG1レースに挑む。前年の桜花賞馬がヴィクトリアマイルを勝った場合、ブエナビスタ、アパパネ、ソダシに続いて4頭目の記録となる。

昨年、シーズン最終戦のG1・香港マイルでは、古馬と牡馬の壁に阻まれ、11着と大きく敗れた。しかし、牝馬限定戦に戻れば強さは健在。今季始動戦のG2・阪神牝馬Sでは、得意の逃げ切りスタイルに持ち込むと、ヴィクトリアマイルでも対戦するカムニャックやラヴァンダを近寄らせない完勝を収めた。

鞍上のクリストフ・ルメール騎手は2020年以降、ヴィクトリアマイルでは毎年入着しており、6戦3勝、2着3回、3着1回と圧倒的な好相性を誇っている。その期間内で1番人気に騎乗した場合は3勝、敗れた1回も3着に入っている。


カムニャック(4歳牝馬・ブラックタイド × ダンスアミーガ)

調教師: 友道康夫
騎手: 川田将雅
主な勝ち鞍: G1・オークス (2025)

カムニャックは本当に、秋華賞での大敗を乗り越えたのか。前哨戦の阪神牝馬Sで2着に入り、復調の兆しを見せた昨年のG1・オークス馬は、ヴィクトリアマイルでは、同世代のライバルであるエンブロイダリーと4度目の対決を迎える。これまでの対戦成績はカムニャックの1勝2敗だ。

3歳時はG2・フローラS(2000m)とオークス(2400m)を連勝し、秋初戦のG2・ローズS(1800m)も快勝。『マイルのエンブロイダリー、中距離のカムニャック』という構図が出来上がりつつあった中、秋華賞ではゲート入り直前で突如イレ込む様子を見せると、結果は16着とまさかの大敗に。

友道康夫調教師が「当日の落ち着きというか、いかにスムーズにゲートインするかが一番重要」と語るように、彼女にとっては落ち着きが重要な鍵だ。秋華賞では、観客の歓声が間近で聞こえるスタンド前からの発走だったが、ヴィクトリアマイルではゲートの位置が遠い。気持ちを落ち着ける上では有利に働くだろう。

とはいえ、第二の課題がマイルでの実績だ。2歳から3歳にかけて、マイルで2連敗した結果、桜花賞を諦めてオークス路線に切り替えた経緯もあり、これまでマイル戦での勝利経験は無い。マイルのスペシャリストたちにどう対抗するのかは避けられない難題だ。

Andrasch Starke and Kamunyak win G1 Yushun Himba
ANDRASCH STARKE, KAMUNYAK / G1 Yushun Himba // Tokyo /// 2025 //// Photo by Shuhei Okada

クイーンズウォーク(5歳牝馬・キズナ × ウェイヴェルアベニュー)

調教師: 中内田充正
騎手: 西村淳也
主な勝ち鞍:
G2・金鯱賞 (2025)

エンブロイダリーとカムニャックのライバル対決が注目を集める中、昨年のヴィクトリアマイルで実績を残した年上世代の代表格が、前年2着馬のクイーンズウォークだ。これまでの12戦はすべて川田将雅騎手が騎乗していたが、今回は26歳の西村淳也騎手が初騎乗する。

着順の好不調が激しい馬ではあるが、4歳時の昨年はG2・金鯱賞を勝利してヴィクトリアマイルに臨むと、ゴール手前でアスコリピチェーノに差されたもののクビ差の2着。今シーズンも金鯱賞から始動し、結果は3着に敗れたが、勝ち馬との差はわずか1馬身以内の僅差だった。

ヴィクトリアマイルは『リピーターレース』として知られており、ソダシ、ノームコア、ジュールポレール、ストレイトガール(連覇)のように2年連続で入着する馬は、過去10年以内でも少なくない。昨年の3着以内で今年も出走する馬はクイーンズウォークのみだ。


ジョスラン(4歳牝馬・エピファネイア × ケイティーズハート)

調教師: 鹿戸雄一
騎手:
戸崎圭太
主な勝ち鞍:
G3・小倉牝馬ステークス (2026)

昨年秋以降に重賞路線で台頭した4歳馬のジョスランは、未知の魅力を秘めている一頭として見られている。2021年の年度代表馬、エフフォーリアの全妹である同馬、偉大な兄に続いてG1タイトルを勝ち取ることができるのだろうか。

一戦ごとに間隔を空けて使われてきたジョスランは、9月のG2・紫苑Sで勝ち馬から僅差の2着に入ると、翌月の秋華賞でも4着に健闘。その後は放牧に出ると、今シーズン初戦となった1月のG3・小倉牝馬Sでは、G1でも好走歴がある実績馬のボンドガールを僅差抑えて重賞初制覇を飾った。

ジョスランがキャリア7戦目でのヴィクトリアマイル制覇となれば、過去20回の歴史で史上最短記録。過去10年は4歳馬と5歳馬以上で対戦成績が拮抗しており、前者が4勝、後者が6勝となっている。


チェルヴィニア(5歳牝馬・ハービンジャー × チェッキーノ)

調教師: 木村哲也
騎手:
ダミアン・レーン
主な勝ち鞍:
 G1・オークス (2024)

2年前の二冠牝馬であるチェルヴィニアは、未だに復活の糸口を模索している最中にある。2月のG2・中山記念では、ラスト100mで鋭い伸びを見せ、勝ち馬から2馬身差の5着に食い込んだ。これはついに復活の兆しが見えたと言えるのだろうか。

オークスと秋華賞を制し、G1・ジャパンカップでも4着に入った3歳時と対照的に、昨年は苦しい日々が続いた。6月のG3・しらさぎSでは久々のマイル戦に出走したが、メンバー中唯一のG1馬にもかかわらず2着で勝利を逃した。以降はマイル路線へとシフトし、秋にはG1・マイルCSに参戦するも、ここでも見せ場なく10着に敗れている。

今回のヴィクトリアマイルは秋華賞以来、2シーズンぶりの牝馬限定戦出走となる。牡馬混合戦では勝利が遠い馬だが、牝馬相手なら再び力強い走りが見られるかもしれない。ダミアン・レーン騎手は先週のNHKマイルカップに続いて、2週連続の東京マイルG1制覇を目指す。

Cervinia wins the Shuka Sho
CERVINIA, CHRISTOPHE LEMAIRE / G1 Shuka Sho // Kyoto /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

タカハシ・マサノブ記者

視点: 新勢力 & リピーター

ヴィクトリアマイルは伝統的に、2年連続の好走が多い『リピーターレース』として知られており、過去にはソダシ、ノームコア、ジュールポレール、ストレイトガール、ヴィルシーナ、ホエールキャプチャ、ブエナビスタが2年連続の入着、または連覇を収めている。このレースを予想する上では、リピーターは無視できない。

ただし、昨年3着以内で出走するのはクイーンズウォークのみ、昨年の出走馬もボンドガール(16着)のみだ。そこで、代わりに「東京マイルでの好走馬」をピックアップしたい。

ラヴァンダは2月のG3・東京新聞杯(1600m)で牡馬相手に2着と入っており、東京コースでは5戦1勝、2着2回、3着1回、着外1回と好相性を誇っている。前哨戦のG2・阪神牝馬Sは8着と大敗だったが、これでオッズが高くなるようならむしろ狙い目だ。

4歳世代からは、東京でG3・クイーンカップを勝っているエンブロイダリーと、ジョスランに注目したい。いずれも東京コースでの好走実績がある二頭だ。

推奨馬: 7番・クイーンズウォーク、6番・ラヴァンダ、12番・エンブロイダリー、14番・ジョスラン

ホーマン記者 

視点: 昨年のクラシック実績とコース巧者

牝馬は3歳から4歳になる段階で安定感を維持するのに苦労することが多いが、2025年世代は例外となるかもしれない。G1・桜花賞とG1・秋華賞を制したエンブロイダリー、そしてG1・オークス馬のカムニャックは、昨シーズンの3歳牝馬の中で際立った存在だった。

両馬はすでにG2・阪神牝馬Sで古馬牝馬を相手に能力を示しており、それぞれ1着と2着に入っている。そのパフォーマンスは、両馬が再びG1レベルで存在感を示す態勢にあることを示しており、カムニャックと比べるとエンブロイダリーの方がマイル戦により適しているように見える。

ラヴァンダは昨年10月のG2・アイルランドトロフィーでの好走後、軽視すべきではない。G2・阪神牝馬Sでは8着に終わったものの、シルバーステート産駒の同馬は、より条件が合いそうな東京競馬場に戻ることで巻き返しが見込まれる。

カナテープもまた注目すべき東京巧者で、11戦4勝、2着4回、3着2回という優秀な成績を誇っている。過去10回で6歳以上の牝馬が3着以内に入ったのは4頭のみだが、7歳の同馬は穴馬として買う価値がある。

推奨馬: 12番・エンブロイダリー、8番・カムニャック、6番・ラヴァンダ、13番・カナテープ

上保周平記者

視点: 近走内容と距離短縮

昨年の二冠牝馬のエンブロイダリーは、G2・阪神牝馬Sで自身の能力を再確認させるパフォーマンスを見せた。その日は先行して競馬をしたが、中団で折り合った経験もあり、戦術の幅がある。3歳初戦、このコースを勝ったG3戦も好印象だ。

同世代でオークス馬のカムニャックは、重賞戦線でエンブロイダリーと3度対戦し、1勝2敗となっている。昨秋の秋華賞では大きく失速して16着という失望の結果に終わったが、前走の阪神牝馬Sでは2着に入って根性を見せた。ペース次第では、エンブロイダリーに対して形勢を逆転するチャンスがある。

昨年2着のクイーンズウォークは、G2・金鯱賞で3着に入ってこのレースに臨む。4歳シーズンを開始して以降、彼女は2000mのみを使われてきた。昨年と同じローテーションでマイルへ距離短縮となる今回は、軽視しにくい。

前走、小倉のG3戦を勝ったジョスランにも注目したい。東京で走ったのは3歳春の一度だけだが、キャリア6戦で一度も4着以下に敗れていない。重賞初制覇後の勢いは侮れない。

推奨馬: 12番・エンブロイダリー、8番・カムニャック、7番・クイーンズウォーク、14番・ジョスラン

スティーヴン・ホー記者

視点: 東京マイルでの実績

エンブロイダリーは昨年、東京のG3・クイーンカップを勝っている。前走では、重要な前哨戦であるG2・阪神牝馬Sを制覇。東京で証明済みの能力に加え、近走の好調さもあるため、このメンバーでは有力候補となる。

クイーンズウォークは昨年のヴィクトリアマイルで2着に入り、同じコースと距離で1勝、2着1回を記録している。東京での安定した成績と、このレースでの過去の入着実績から、無視するのは難しい。

チェルヴィニアは2024年のオークスでスタミナを証明。また、2歳時には同じコースでG3・アルテミスSも制している。スタミナと幅の広さは上位の一頭だ。

遅咲きのニシノティアモは、昨年、条件馬から重賞馬まで成長した。このコースと距離で未勝利を勝ち上がっている。検討すべき価値ある穴馬だ。

推奨馬: 12番・エンブロイダリー、7番・クイーンズウォーク、18番・チェルヴィニア、16番・ニシノティアモ

IDOL HORSE、多言語で展開するグローバル競馬ニュースネットワーク。

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