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カーインライジングは来月、オーストラリアのランドウィック競馬場で行われる世界最高賞金のスプリント競走、G1・ジ・エベレストに出走後、そのまま香港へ戻る。同じランドウィックで行われるG2・ラッセルボールディングステークスに続戦する可能性はなくなった。

カーインライジングの遠征計画については、中国本土で予定されていた次走の開催地が正式にシャティンへ変更されたことを受け、ラッセルボールディングステークスへの参戦が検討されているとのネット上の報道や、地元の中国語メディアによる臆測が出ていた。

これについて、カーインライジングを管理するデヴィッド・ヘイズ調教師はIdol Horseの取材に「それはありません」と明確に否定した。

香港ジョッキークラブ(HKJC)は火曜午後にプレスリリースを発表し、G2・ジョッキークラブスプリントを従来通り、11月22日のジョッキークラブデーに開催するとした。

同レースは11月21日、HKJCが中国本土で運営する従化トレセン(従化競馬場)での、競馬開催の幕開けを飾る目玉競走として予定されていたが、従化開催の正式なスタートが延期されたため、舞台はシャティン競馬場での開催に戻されることとなった。

HKJCにとって、カーインライジングの出走は、従化競馬場で初めて行う『国際』競馬開催の計画を支える大きな柱だった。その要素がなくなった今も、陣営はジ・エベレスト出走後に香港へ戻り、3連覇が期待される12月13日のG1・香港スプリントに向けた前哨戦としてG2戦を使う当初のプランを維持する。

ジ・エベレストは12頭立てで、出走枠は12枠。1枠あたりの価格は70万豪ドル(約7700万円)となっている。ただし、枠の保有者が馬主である必要はなく、出走資格を持つ馬の馬主と枠の保有者との間で契約が結ばれるのが一般的だ。

HKJCは、カーインライジングを賞金総額2000万豪ドル(約22億円)の同レースに出走させるため、オーストラリアンターフクラブ(ATC)から延長オプション付きの2年間のリース契約で出走枠を取得した。このため今回は、同馬の出走先を決めるうえで、HKJCは通常よりも大きな発言力を持つ。

「HKJCは出走枠に大金を投じてくれましたし、本当に素晴らしい支援をしてくれています。そして、できるだけ早くこの馬を香港へ戻したいと強く望んでいます」とヘイズ師は話した。

「HKJCの意向は非常に大きいです。カーインライジングは普通の馬とは違いますからね」

「HKJCは実に素晴らしく、寛大なことをしてくれました。シンジケートのために出走枠を購入し、とても有利な条件で提供してくれたのです。この馬ならオーストラリア遠征で2戦しても難なくこなせると思いますが、HKJCの意向に逆らうつもりはありません」

「それに、中国本土で開催される場合に備える必要もありますからね。開催されるかもしれないし、されないかもしれません。それでも、カーインライジングがこちらに戻っていれば、少なくともどこかで走ることはできます」

ヘイズ師は「従化でのレースを全面的に支持していた」と語る一方、ジョッキークラブスプリントの舞台がシャティン競馬場に決まったことにも十分満足している。

「カーインライジングは従化でかなり調教を積んできましたが、私は香港で走る方がいいと思っています。シャティンは隅々まで知り尽くしたコースですし、目をつぶっていても走れるほどです。馬場もこの馬に合っています」

カーインライジングは日曜日、シャティンでまたしても衝撃的な勝利を挙げた。これにより香港でのレーティングは3ポイント上がり、香港最高の145となった。

国際レーティングは現在131だが、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が今週発表する最新のロンジンワールドベストレースホースランキングでは、さらに上昇するとみられている。

レーティングがさらに引き上げられる可能性について、ヘイズ師は「歴史に名を刻むという意味でも、素晴らしいことですよね」と話した。

「あれだけの走りをしたのですから、1ポイントか2ポイント上がらなければ驚きです。従来のコースレコードを1秒も短縮し、あれほど圧倒的な強さを見せました。ペースメーカーもいませんし、助けてくれる馬もいません。すべて自分の力でやっているのです」

「その点は、少し見落とされがちではないでしょうか。ヨーロッパのスーパーホースには皆、ペースメーカーなどの助けてくれる馬がいますが、私たちにはいません。ですから、現時点ではこの馬こそが単独で世界の頂点に立つにふさわしいと思いますし、ジ・エベレスト後にはそうなっていてほしいですね」

「私はブラックキャビアの大ファンです。時代の違う馬を比べたり、フランケルやブラックキャビアと比較したりしても仕方がありません。それでも、そうした馬たちと比べられる存在が今いるというのは、素晴らしいことではないでしょうか。彼らは歴史的名馬ですし、カーインライジングも急速にその域へ近づいていると思います」

その最新の勝利までの1週間は、ヘイズ師が「かなり慌ただしい1週間」と表現するものだった。カーインライジングが蹄の検査を受けたことで、故障ではないかとの不安が一時広がったためだ。

「オーストラリア遠征を控えているうえ、蹄に不安が生じたため、HKJCは万全を期したいと考えました」とヘイズ師は説明した。

「そのため火曜日には、6、7時間ほど病院で検査を受けました。レースを前にして理想からは程遠い状況でしたが、いとも簡単に乗り越えてくれました。本当に驚くべき馬です」

カーインライジングは出国前に義務付けられている検疫を終え、2週間後にシドニーへ向けて出発する。これに伴い、同馬とヘイズ師のスケジュールも変わる。

「こちらの調教コースが開く前にカーインライジングの調教を済ませなければならないので、かなり早起きする日が続きます。忙しくなりますね」とヘイズ師は話し、厩舎の看板馬がどんな変化にも対応できることにも触れた。

「こちらでは厩舎を一新する改修工事が進んでいて、私の厩舎の番になったため、別の厩舎へ移りました」

「その結果、2頭を除くすべての馬が4日間、飼い葉を食べ切れませんでした。でも『カーイン』は毎日きれいに平らげました。本当に並外れて丈夫な馬です」

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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