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今週、フランスでシュトラウスとの一戦を終え、英国入りしたジョアン・モレイラ騎手。彼の脳内にあるのは、ただ一つ。ほとんど畏敬ともいえる思いを抱くようになった一頭の馬だ。

「彼は海外の国際舞台で勝つにふさわしい馬です」とモレイラは、ヨーク競馬場で再び騎乗する日本のスプリンター、サトノレーヴについて話す。同馬は金曜日のG1・ナンソープステークスと、その翌日に行われるG1・シティオブヨークステークスの両方に登録している。

「日本国内ではその実力を証明し、香港やイギリスでも非常に強い相手に素晴らしい競馬をしてきました。どれほど強い馬なのか、皆さんに示してほしいです」

堀宣行調教師は、サトノレーヴをG1の舞台へ送り出すことを、一度もためらわなかった。この2年間、日本、香港、そして現在の長期英国遠征で、世界最高峰のスプリンターたちに挑み続けてきた。今回の遠征はロイヤルアスコット開催、ニューマーケットを経て、今週のヨークへと続く。ただし、海外でのG1制覇は、まだ果たせていない。

サトノレーヴの馬体重は1200ポンド弱(約540キロ)。スプリンターとして飛び抜けて大きいわけではないが、筋肉質だ。モレイラの目を引くのは、その馬体が放つ圧倒的な迫力である。

モレイラはサトノレーヴを「怪物ですよ」と評する。さらに、こう続ける。

「大柄な馬ですが、とても素直です。乗るのが難しい馬ではありませんが、弱点もあります。短距離戦で求められるような素早いスタートを切れないことがあるんです。香港遠征での何戦かにも、その弱点が表れていました」

「ただ、私が騎乗したこれまでの2度では、うまくスタートを切らせることができました。日本で一度、イギリスで一度です。その2回は、どちらもゲートから飛ぶように出ていきました」

ただしモレイラによれば、問題は「発馬のタイミングが合わないことがある」点だという。5ハロンや6ハロンの短距離戦では、それが勝利と、あと一歩届かない結果との分かれ目になる。

この言葉は、サトノレーヴの競走生活そのものを言い表している。鮮やかな走りを見せ、果敢に挑みながらも、時にほんのわずかな差に阻まれてきた。ロイヤルアスコット開催のG1・クイーンエリザベス2世ジュビリーステークスには2度挑み、いずれも最後に差された。

昨年の遠征はモレイラとのコンビでラザットの2着。今年はライアン・ムーア騎手を背に、アルメラクの2着だった。

香港の絶対王者、カーインライジングとはこれまで4度対戦。そのうち、モレイラと組んで臨んだG1・チェアマンズスプリントプライズでは、2年連続の2着に入っている。

ロイヤルアスコット開催後もイギリス滞在を続け、前走、ニューマーケットのジュライカップでは3着だった。通算成績は20戦9勝で、14戦で2着以内に入っている。サトノレーヴはどの挑戦にも、必ず全力で応えてきた。

Lazzat beating Satono Reve at Royal Ascot in 2025
LAZZAT, SATONO REVE / G1 Queen Elizabeth II Jubilee Stakes // 2025 /// Ascot //// Photo by Alan Crowhurst (Getty Images)
Satono Reve after winning the Takamatsunomiya Kinen
SATONO REVE / G1 Takamatsunomiya Kinen // Chukyo /// 2026 //// Photo by Grant Courtney

現在のモレイラにとって、今の騎手人生は後半戦にある。母国ブラジルで定期的に騎乗しながら、海外での騎乗機会は以前より慎重に選んでいる。かつては記録を追い、香港の二つの競馬場を舞台に、週2日の開催で1年の大半にわたり、宿敵のザック・パートン騎手としのぎを削っていた。

モレイラは英国のG1をまだ勝っていない。英国競馬で最大の心残りを尋ねると、答えはすぐに返ってきた。2015年ロイヤルアスコットのG1・キングズスタンドステークスで騎乗したメディシアンマンだ。同じ日のG1・クイーンアンステークスでは、かつての相棒エイブルフレンドも凡走に終わっていた。

単勝51倍だった同馬について、モレイラは「ほとんど実績のない馬でした。人気薄でした」と振り返る。

「それでも、あわや勝つところでした」

もう一つの心残りは、そもそも騎乗することさえできなかった馬に纏わる。その5日後、同じ年のロイヤルアスコット開催では、豪州のブレイゼンボーがレースに臨んだ。モレイラにとって、豪州での飛躍のきっかけとなった一頭だ。

しかし、晴れ舞台に騎乗した鞍上は、クレイグ・ウィリアムズ騎手だった。結果は僅差の敗戦。モレイラは香港ジョッキークラブ(HKJC)が渡英を認めなかったことで、騎乗が実現することはなかった。

モレイラは「乗りたかったです」と吐露する。彼は今でもブレイゼンボーを「これまで騎乗した中で最も素晴らしいスプリンター」と評している。

モレイラはヨーク競馬場で騎乗した経験がないが、サトノレーヴとの英G1挑戦を心待ちにしている。

モレイラは「もちろん、ヨークのレースは毎年見ています」と話す。「その場の状況に応じて判断し、プランA、プランBを使い分けながら、馬の力を最大限に引き出すことだけを考えます。結果はなるようになるものです。思いどおりにいかなくても大丈夫です。それでも私は幸せです」

「この馬にまた乗る機会を得て、これほど格式ある開催で騎乗できる。それだけで本当にうれしいです」

「来年もまた機会があるかは、誰にも分かりません。いまこうして機会を得られた以上、一度一度を無駄にはしません。今は人生の別の段階にいますし、どんな結果でも私は幸せです」

サトノレーヴは東半球から西半球へと渡り、三カ国で最高峰のスプリンターたちを相手に、常に真っ向から勝負を挑んできた。モレイラは英国のG1を勝ちたいと願っている。だがサトノレーヴについて尋ねれば、その勝利を自分のため以上に、この馬のために望んでいることは明らかだ。

「サトノレーヴは本当に、勝つにふさわしい馬なんです」

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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