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ブパット・シーマー調教師は来週のメイダンで強力な手駒を揃えており、かつて世界一に輝いたローレルリバーも、1年ぶりの実戦復帰を果たす可能性がある。シーマー師はドバイワールドカップへ向け、チーム全体の調整に入っている。

昨年1月、ドバイの主役はロマンチックウォリアーだった。G1・ジェベルハッタを圧巻の内容で制した香港のスターが大きな話題をさらったが、今年はそのロマンチックウォリアーがG1・スチュワーズカップ出走のため香港に留まる。

したがって、来週の同時期に組まれる『ファッションフライデー開催』で焦点となるのは、G1・アルマクトゥームチャレンジとG3・ファイアブレイクステークスの2レースだ。いずれもドバイワールドカップへ向けた、各陣営の手応えを測る一戦となる。

ドバイ競馬のトップスター、ローレルリバーは、ファイアブレイクステークスでの1年ぶりとなる復帰戦が検討されている。昨年の同レースでは、同馬はまさかの敗戦を喫している。

ローレルリバーは、2024年のドバイワールドカップ覇者であり、同年の『ロンジン・ワールドベストレースホースランキング』ではシティオブトロイと並び世界1位に選出。ドバイが誇る怪物は、あの夜、直線で大きく抜け出していった。ところが最後に失速し、2着に後退してしまった。

ジャドモントファームの自家生産馬である同馬は、その後「ちょっとしたアクシデント」と当時説明された理由でサウジカップを回避し、さらにドバイワールドカップも回避となっている。

UAEで2度のリーディングトレーナーを獲得したブパット・シーマー師は、8歳馬となったローレルリバーを、3月28日のドバイワールドカップへ再び向かわせるつもりでいる。僚馬も層が厚く、なかでも昨年のアルマクトゥームチャレンジを制したウォークオブスターズが筆頭だ。

「ローレルリバーはすごくいいですよ」とシーマー師はIdol Horseに語った。

「23日のファイアブレイクステークス(1600m)を使うかもしれません。走れる状態としては75~80%くらいでしょうが、ひと叩きしておいて、スーパーサタデー、そしてワールドカップへと進められればと思っています」

 「昨年はファイアブレイクステークスでG1実績による加算斤量を背負っていて、かなり速いラップで飛ばしました。今年は、あの時より少し良くなっているかもしれません。ただ次のレースに余力を残したいと思っています。主眼はワールドカップですし、まだここで仕上げ切るつもりはありません」

シーマー師によれば、昨年のドバイワールドカップ前、ローレルリバーは「普段の調教中に後肢を前肢にぶつけてしまい、少し腫れが出た」という。

「大したことではなく、1週間から10日で治りました」と師は続けた。

「ですが、そのせいで調教が中断してしまいました。ドバイワールドカップは、最後の15日のうち10日も調教ができないようでは出せません。リスクを冒したくなかったので、スキャンなども全部やりました。実際、ドバイWCの時期にはもう調教を再開できていたんですが、とにかくタイミングが最悪でした」

その結果、シーマー厩舎のドバイワールドカップ代表はウォークオブスターズとなり、同馬は4着と健闘した。だがウォークオブスターズは、2000mのマクトゥームチャレンジを勝ったあと、サウジカップではフォーエバーヤングの後ろで大きく崩れ、12着に敗れている。前々で運ぶ形が持ち味の馬だけに、厳しい内容だった。

Laurel River wins the 2024 Dubai World Cup
LAUREL RIVER, TADHG O’SHEA / G1 Dubai World Cup // Meydan /// 2024 //// Photo by Amin Mohammad Jamali

今回は、マクトゥームチャレンジの連覇が濃厚なプランに見える。ただし、この開催はシーマー厩舎にとってドバイワールドカップ開催へ向けた重要な準備の場であり、主力級の同厩舎馬が複数頭ぶつかる可能性もある。

先月のメイダンでは、英国勢のハートオブオナーが勝ち、ウォークオブスターズが3着、アルトリウスが2着。さらにリモースが5着、カビールカーンが7着だった。シーマーは上位入線馬の内容に満足している。

「ウォークオブスターズの元々のプランは、マクトゥームチャレンジへ直行することでした。オーナーとレーシングマネージャーが私と話し合って、すでに1、2戦使った馬がいる中で、いきなり大きなG1にぶつける意味はない、という結論になったんです」とシーマー師は語った。

「ウォークオブスターズはまだ75%くらいの仕上がりでしたし、G1実績による加算斤量を背負い、勝ったハートオブオナーより3.5kgほど重かった。今回は斤量が同条件になって、仕上がり面の不利もなくなります」

アルトリウスは昨季、米国のブラッド・コックス厩舎から移籍後にドバイで3戦し、ファイアブレイクステークス4着、続くG2・アルマクトゥームクラシックでは、同厩舎のインペリアルエンペラーの2着だった。

「アメリカから来た馬は、こちらに来て翌年に良くなることが多く、アルトリウスもそういうタイプに見えます」とシーマー師は言う。

「前走も良い競馬でしたし、あの時は馬齢重量の関係で勝ち馬より1kg重かったです。どれほど上積みがあるかは分かりませんが、自然な良化はあるはずです」

一方、前走G2・アルマクトゥームマイルでは、1着馬はインペリアルエンペラー、2着はコミッショナーキング、3着がメンデルスゾーンベイだった。この3頭も、ファイアブレイクステークスとアルマクトゥームチャレンジの両方で選択肢を持つ。

なお、インペリアルエンペラーは昨年のアルマクトゥームチャレンジで2着に入っている。

Walk Of Stars wins at Meydan
WALK OF STARS, TADHG O’SHEA / G1 Al Maktoum Challenge // Meydan /// 2025 //// Photo by Francois Nel

1950年1月11日、サンタアニタ競馬場でサイテーションが故障から復帰した。5歳馬のサイテーションは、球節の関節炎の影響で4歳シーズンを全休し、最後の実戦は1948年12月だった。この三冠馬は復帰戦でも勝利し、これで16連勝を達成。オッズは1.15倍だった。

そのサイテーションの三冠ジョッキーである名手、エディ・アーキャロ騎手は、1932年1月14日、メキシコのティフアナにあったアグアカリエンテ競馬場で、16歳にしてキャリア初勝利を挙げている。

翌日の1932年1月15日、オーストラリアの伝説的名馬、ファーラップは、アグアカリエンテ競馬場へ向かう遠征の途中でサンフランシスコに到着した。この遠征で同馬は、3月20日にアグアカリエンテハンデキャップを制することになる。

1978年1月15日、日本の無敗の名馬、マルゼンスキーが東京競馬場で引退式を行った。外国産馬の輸入制限があった当時(母馬が受胎した状態で日本へ輸入された)、3歳時の三冠レースへの出走は叶わなかったが、2歳王者決定戦である朝日杯3歳ステークスを大差で制するなど、8連勝を積み上げた。

先週日曜のシャティン競馬開催前、ザック・パートンは香港ダービー候補7頭を手中にしていた。デイヴィッド・モーガンとマイケル・コックスが、サゲイシャスライフを選んだ決断の裏側と、それが他の騎手陣に及ぼした影響を掘り下げる。

豪・ヴィクトリア州、ヘイズ家が運営するリンジーパーク調教場は、先週の山火事で大きな被害を受け、7頭が死亡し、施設インフラも破壊されるなど甚大な被害を受けた。

昨年10月には、アダム・ペンギリー記者がデヴィッド・ヘイズ調教師に対し、亡き父のコリン・ヘイズ元調教師が築いたリンジーパークの遺産について話を聞いた。

2戦目でG2を勝つ馬はそう多くないが、ソーハッピーはサンタアニタで行われたG2・サンヴィセンテステークスを勝ち、2戦2勝とした。ランハッピー産駒の3歳馬は11月のデルマーで39倍のオッズでデビュー勝ちを飾り、続く重賞も制覇。次走はG1・サンタアニタダービーが濃厚となった。

マーク・グラット厩舎のこの牡馬は、当歳時に1万2000ドルで取引され、1歳時は2万ドルで再び売買された。その後、昨年3月のオカラで、グラット師が15万ドルで手に入れた。キャリアも同じように順調に積み上がっており、この一戦でも直線で鋭く抜け出して先頭に立つと、そのまま押し切った。

近年ではムースとナダルがこのレースからG1・アーカンソーダービーを勝ち、ナイキストは10年前にサンヴィセンテステークスを勝ってからG1・フロリダダービー、そしてG1・ケンタッキーダービー制覇へとつなげた。

ソーハッピーは、それに匹敵するにはまだ相当な上積みが必要だ。ただ、伸びしろを感じさせるのも確かで、騎乗したマイク・スミス騎手はレース後にこう語っている。

「さあ、どうなるか。どこまで行けるか見てみましょう」

アルマクトゥームチャレンジデー
メイダン競馬場(ドバイ)、1月23日

ブパット・シーマー厩舎のウォークオブスターズは昨年、G1・アルマクトゥームチャレンジを制し、2月のG1・サウジカップへの前哨戦としてこのレースを使った。

サウジカップでは見せ場を作れず、その後のG1・ドバイワールドカップでは4着。今回はタイトル防衛の公算が大きい。12月のメイダン初戦では、ジェイミー・オズボーン厩舎のハートオブオナーに敗れて3着。このレースには、同厩舎のアルトリウスも出走していた。

開催カードには芝のG1・ジェベルハッタも組まれ、ゴドルフィンは昨月、メイダンのG2・アルラシディヤでワンツーだったオペラバッロとネーションズプライドを送り込む可能性がある。

レイルウェイステークスデー
エラズリー競馬場(ニュージーランド)、1月24日

昨年2着のアラバマラスが、G1・レイルウェイステークス(1200m)で雪辱を狙う。

ただし相手にはオーストラリア勢の遠征馬が濃厚で、G2・ボビールイスクオリティを2度勝っているアーカンソーキッド、そしてメルボルンの春開催で3連勝を飾り、さらにG2・マクエウェンステークス勝ちもあるジグソーが待ち受ける見通しだ。

ニュージーランド調教馬で豪G3ウィナー、エスピオナージにはダミアン・レーン騎手が騎乗する。

スチュワーズカップ & センテナリースプリントカップデー 
シャティン競馬場(香港)、1月25日

シャティン開催は夢の豪華二本立てとなった。G1・センテナリースプリントカップでは、世界最強スプリンターのカーインライジングが、サイレントウィットネスの持つ香港史上最多タイ記録の17連勝に並ぶことを狙う。

そしてG1・スチュワーズカップでは、ロマンチックウォリアーとヴォイッジバブルがマイルで激突する。スチュワーズカップは香港三冠初戦でもあり、昨年ヴォイッジバブルが達成した香港三冠制覇は、1993/94シーズンのリヴァーヴァードン以来、史上2頭目の快挙だった。

ケープタウンメットデー 
ケニルワース競馬場(南アフリカ)、1月31日

G1・ケープタウンメットは、ダーバンジュライ、サマーカップと並ぶ、南アフリカの古馬混合主要G1のひとつ。昨年はジャスティン・スネイス調教師が、エイトオンエイティーンで調教師として3年連続制覇を果たした。

もしこのディフェンディングチャンピオンがスネイス師の4連覇、2007年から2009年に3連覇したポケットパワー以来の連覇を実現するには、まずは先週のマイルG1・キングスプレートで8着に沈んだ内容からの巻き返しが必要になる。

キングスプレートを制したザリアルプリンスは、昨年のG1・ダーバンジュライをエイトオンエイティーンに首差で勝っており、こちらもケープタウンメットに登録がある。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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