Aa Aa Aa

G1・サウジカップに名を連ねていたローレルリバーが回避となったが、ドバイワールドカップ馬を管理するブパット・シーマー調教師は、好調のウォークオブスターズとともに引き続き賞金2,000万米ドルの大一番を見据えている。

シーマー調教師は水曜日、ローレルリバーが「小さな」調教上の不測の事態により出走を取り止めたことを明らかにした。これによりこの現役ダート世界最強馬は、ホワイトアバリオ、ソウルオブアンエンジェル、ロックト、シエラレオーネといった米国勢を含む回避馬のリストに加わった。

「ローレルリバーは予定していた調教を1本消化できなかった。ちょっとしたアクシデントであり、負傷が原因ではない」とシーマー師はIdol Horseの取材に対して強調。当初、一部メディアが報じていたこの7歳馬の負傷と回復期間を誤りだと否定した。

「本来なら月曜に追い切る予定だったがそれを見送った。大きな問題ではないが、それによって数日間軽めの調整をせざるを得なかった。サウジには2本の追い切りをこなして向かう予定だったが、1本しかできなくなった」

「予定していた調教をこなせなかった以上、十分な準備なしに遠征するのは避けたかった。100%の状態で臨めないのなら、大一番に出る意味がない。だからこそ、ドバイワールドカップに目標を切り替えることにした」

そうなると、ウォークオブスターズが日本のダート王者フォーエバーヤング、そして香港の名馬ロマンチックウォリアーと対戦することとなる。G1・サウジC(1800m)は2月22日に行われる。ローレルリバーの回避に伴い、シーマー師はUAEリーディングジョッキーのタイグ・オシェア騎手がウォークオブスターズに騎乗すると明かした。

「ウォークオブスターズは月曜に追い切りをこなし、状態は万全で非常に良い状態を維持している。残る追い切りは来週月曜に1本で火曜に出国する予定だ」

ウォークオブスターズは昨年のG2・ゴドルフィンマイルで2着。当時、僚馬ローレルリバーが圧巻のパフォーマンスでドバイワールドCを制し、主役の座を奪われたが、この6歳馬は今シーズン自己最高のパフォーマンスを見せている。このドバウィ産駒の騙馬は、前走のG1・アルマクトゥームチャレンジ(メイダン・1900m)では、果敢な逃げから押し切り勝ちを収め、サウジCの有力馬に浮上した。

Walk Of Stars wins at Meydan
WALK OF STARS, TADHG O’SHEA / G1 Al Maktoum Challenge // Meydan /// 2025 //// Photo by Francois Nel

シーマー調教師は、キングアブドゥルアジーズ競馬場でウォークオブスターズが対戦する強敵たちの実力を十分に理解しつつも、自身の管理馬が十分に戦えると考えている。

「フォーエバーヤングもいるし、ロマンチックウォリアーもいる。サウジCはサウジCで簡単なレースにはならない」

「だが、ウォークオブスターズは他の馬よりもあのコースを好むと思う。サウジのダートはメイダンよりも少し深く、芝馬向きの馬場だ。だからウォークオブスターズには合っているはずだ。彼には機動的なスピードがあるし、うまくいけば上位に食い込むだろう」

「この馬はとても機動力がある。どこにでもポジションをとれるし、スタートもよい。道中の追走も楽だ。2番手、3番手、4番手のどこにでも置けるし、前に行くこともできる。本当に扱いやすいタイプだ」

ウォークオブスターズはゴドルフィン生産馬で、チャーリー・アップルビー厩舎時代は英国でロイヤルブルーの勝負服をまとい、芝の下級条件戦を制覇。さらに2022年のG1・エプソムダービーにも出走したが、最下位に終わった。しかし、2023年にシーマー厩舎へ移籍し、ダートへ転向してからは別馬のような成長を遂げている。

「彼には大きな才能があると思う。ただ、ちょっと変わったところがある」とシーマー師は語る。「あらゆるものに注意を向けていて、自分をまだ2歳馬だと思っているようだ。トラックでもどこでも、いつも耳を立てて周りを見渡している。時々不安げな様子を見せることもあるが、一度自信を持てば本領を発揮するタイプだ」

シーマー師は、サウジCの開催日にもう1頭の欧州輸入馬を送り込む予定だ。トラファルガースクエアがG2・レッドシーターフハンデキャップに出走する。この4歳馬は、昨年10月初旬のG2・ショードネイ賞(パリロンシャン競馬場)で2着に入った後に購入され、今回がシーマー厩舎での初戦となる。

「状態はとても良い。できればもう少し早く使っておきたかったが、購入が少し遅れたためそれが叶わなかった。それでも順調に調整できているし、健康状態も問題ない」と同師。「この後はドバイに戻って、ドバイゴールドカップを目指すつもりだ。どんな馬場でもこなせるし、扱いやすい馬だ」

さらに、ローレルリバーとウォークオブスターズも4月5日のメイダン開催を視野に入れており、シーマー師は2頭を万全の状態に仕上げ、再びドバイワールドカップのタイトルを狙う考えだ。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

デイヴィッド・モーガンの記事をすべて見る

すべてのニュースをお手元に。

Idol Horseのニュースレターに登録