2024年、世界最高のスプリンターは香港の新星・カーインライジングだったことが正式に認められた。ただし、ワールドベストレースホースランキング(WBRR)によると、同等の評価を得た馬は2頭いた。
カーインライジングのG1・香港スプリント優勝により獲得したレーティング121は、総合24位タイとなった。同馬と同等の評価を得たスプリンターは、年間3勝を挙げたものの最後のG1・ブリーダーズカップターフスプリントで5着に敗れた米国のコグバーン、そして昨年G1・キングスフォードスミスステークス(イーグルファーム)で唯一の勝利を挙げたオーストラリアのアイウィッシュアイウィンだった。
ロンドンで開催された国際競馬統括機関連盟(IFHA)のワールドレーシングアワードにおけるカーインライジングの評価は、1年前の香港のラッキースワイネスに続き、レーティング125でスプリント部門世界トップとなるものだ。

カーインライジングと同じ香港のロマンチックウォリアーについては、同じIFHAのハンデキャッパーパネルは、レーティング115以上を獲得した約260頭の中では総合5位タイとの評価を下した。
ロマンチックウォリアーは2024年、東京のG1・安田記念での海外遠征を含む5戦を全勝し、圧倒的な活躍を見せたが、IFHAのハンデキャッパーたちがレーティング125以上と判断する内容の走りはなかった。この評価は年末のG1・香港カップ(シャティン)での成績に基づくものだった。
ダニー・シャム調教師が管理する7歳馬の評価は、G1・ジャドモントインターナショナルステークス2着のカランダガン、G1・BCクラシック1・2着のシエラレオーネとフィアースネス、そして日本の年度代表馬でG1・天皇賞(秋)とG1・ジャパンカップを制したドウデュースと同じであった。
シティオブトロイとローレルリバーは2024年のワールドベストホースリストで共に128のレーティングを獲得し首位に立った。これはジャドモントの米国産ダート馬(ドバイ所属)とクールモア所属の欧州チャンピオン芝馬(アイルランド調教)が最高位を分け合うという『外交的な』決着となった。
2023年のチャンピオン・イクイノックスのような大スターが不在の年となり、今年のトップ2頭は過去のワールドチャンピオンの135という評価より7ポンド低い評価を受けた。
このレーティング128という数値は、2019年にエネイブル、ヴァルトガイスト、クリスタルオーシャンが『ワールドベストホース』のタイトルを分け合った時と同じく、歴代最低の最高レーティングと並ぶものだった。
ローレルリバーの最高レーティングは、その年3戦目となる2024年3月のG1・ドバイワールドカップでの印象的な勝利に対して付けられた。この競走はその後の勝ち馬をあまり輩出していない。一方、シティオブトロイの最高レーティングは実力馬が揃ったG1・ジャドモントインターナショナルS(ヨーク)での成績によるもので、この歴史ある競走が再び世界のトップ100・G1競走の最高位に選ばれる一因となった。

オーストラリアのヴィアシスティーナは競走馬ランキングで127のレーティングを与えられ3位となり、ジャパンカップで6着と健闘したゴリアテは、後にG1・凱旋門賞を制することになるブルーストッキングに対する勝利により126のレーティングを獲得し、ランキング4位となった。なお、ブルーストッキングは122のレーティングで総合16位タイに位置付けられた。
よくあることだが、香港はその規模以上の成果を残し、リストに12頭がランクインした。また、香港の11のG1競走のうち8競走が世界トップ100に入った。
トップ4のG1競走を締めくくったのは、サラトガのトラヴァーズステークス、ランドウィックのクイーンエリザベスステークス、アスコットのキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス。5位タイには、東京のジャパンC、デルマーのBCクラシック、ロンシャンの凱旋門賞が入った。
香港競馬最高峰のレースである香港カップは、26位タイにランクインした。