最新ニュース
03/10/2025
「通年免許は…」クリスチャン・デムーロ騎手が仏リーディング争いで奮闘中、JRA参戦は11月から
凱旋門賞を前に、クリスチャン・デムーロ騎手はフランスの年間リーディング獲得を目指して奮闘中だ。11月からの来日に向け、まずは母国での大一番に集中している。
デイヴィッド・モーガン
02/10/2025
「一番勝ちたい」「特別」マーフィーとC・デムーロ、名騎手2人に訊いた凱旋門賞への“情熱”
オイシン・マーフィー騎手にとっても、日本競馬にとっても、凱旋門賞は「特別な一戦」だ。クリスチャン・デムーロ騎手も三度目の戴冠を狙い、秋のロンシャンに挑む。
ワールド・レーシング・ウィークリー
11/11/2024
薔薇一族が返り咲き、スタニングローズがエリザベス女王杯制覇
スターズオンアースの牝馬三冠を阻止してから2年、クリスチャン・デムーロ騎手の導きによってスタニングローズが京都の舞台で蘇った。
アンドリュー・ホーキンス
C・デムーロはカヴァレリッツォに「自信あり」
日曜日、阪神競馬場で行われるG1・朝日杯フューチュリティステークスでは、無敗馬のアドマイヤクワッズ、リアライズシリウス、エコロアルバが激突する。
日本競馬の2歳王者争いを左右し得る一戦だが、クリスチャン・デムーロ騎手は、自身が騎乗するカヴァレリッツォにはその3頭を阻むだけの才があると見ている。
デムーロは今週、シャティンで行われた香港国際競走を終えて日本へ戻ってきた。香港で彼を待ち受けていたのは、G1・香港マイルでの、あまりに悔しい2着だった。
デムーロの騎乗したソウルラッシュは、昨年4月にドバイでロマンチックウォリアーを破った実績馬。直線序盤で先頭に立ち、勝利が見えたかに思えた。だが、地元の英雄・ヴォイッジバブルが、ゴール前で差し返し、アタマ差でソウルラッシュを退けた。
「ヴォイッジバブルを交わしたとき、これは決まったと思いました。それでもあの馬は本当にタフで、もう一度差し返されて負けてしまいました」とデムーロはIdol Horseに語り、7歳馬を香港遠征に向けて復調させた池江泰寿調教師の手腕を称えた。
「ソウルラッシュは先週日曜、すべてを出し切ってくれました。ドバイの後に膝を痛めて、回復に時間がかかってしまった分、ここまで状態を戻すのは少し大変でした」
そのソウルラッシュは、ブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬入りするため、このレースを最後にターフを去る。デムーロは未来へ目を向け、日曜の一戦からクラシック候補が現れることに期待を寄せている。
今年、初めてフランスのリーディングジョッキーに輝いたイタリア出身のクリスチャン・デムーロは、1カ月前の京都で行われたG2・デイリー杯2歳ステークスで、デビュー2戦目のカヴァレリッツォに騎乗した。
シルクレーシング所有の同馬は、スタート後は最後方で落ち着いて入り、道中は行きたがりながらも抑えながら進出。先頭の直後をマークする形まで押し上げた。デムーロは直線の入口で内ラチから外へ持ち出し、先頭へ躍り出た。
だが、内からアドマイヤクワッズが鋭く伸びてくる。カヴァレリッツォは若さを見せ、直線では真っすぐ走れず相手に寄る形となってしまい、アタマ差で敗れた。
「カヴァレリッツォは良い馬です。伸びしろが大きいと思います」と、吉岡辰弥厩舎の2歳馬・カヴァレリッツォについてデムーロは高く評価する。
「前走は幼さがあったので、そこから良くなってくるはずです。乗るのが簡単なタイプではなくて、序盤は少し熱くなって、引っかかってしまう一面があります」
「前走でも、良い末脚があるところを見せました。ただ、その後に幼さが出て、もたれてしまいました。良い馬に負けただけです。でも今度は勝てる番だと思います。そう願っています。順調に上手く進んで、良い状態で臨んでくれたらと思います」
アドマイヤクワッズは、アドマイヤズームが昨年このレースを勝ったオーナーの近藤旬子氏にとって、連覇を狙う一戦となる。
潤沢な資金を投じる新興の馬主、今福洋介オーナーのリアライズシリウスもまた、ここまで快進撃を続けている。前走のG3・新潟2歳ステークスを4馬身差で快勝し、そのとき2着に下したのが、先週のG1・阪神ジュベナイルフィリーズで3着に入ったタイセイボーグだった。
エコロアルバは10月上旬の東京で、G3・サウジアラビアロイヤルカップを鋭い末脚で勝利。一方、2着馬のガリレアは後に、デイリー杯2歳Sでアドマイヤクワッズとカヴァレリッツォの後塵を拝し、7着に沈んでいる。
11月1日の来日以降、JRAで27勝を挙げるなど、今回も順調な短期滞在を送っているクリスチャン・デムーロ。水曜朝には、栗東トレーニングセンターの坂路でカヴァレリッツォの追い切りにも跨がった。この厩舎らしく速い時計は求めず、58秒0の淡々とした時計で、終始滑らかなリズムで駆け抜けていった。
凱旋門賞の夢は諦めず、アロヒアリイは京都で再始動
田中博康調教師は、難題を何度も乗り越えてきたトレーナーだ。レモンポップをG1・チャンピオンズカップ連覇に導いた手腕は伊達ではない。さらに、扱いが難しく頑固な気性で知られるナルカミを、ダートでG1級のパフォーマンスへと導いている。
しかし日本のホースマンにとって、最大級の難題は別にある。10月、フランスのロンシャン競馬場で行われる欧州の2400m王者決定戦、G1・凱旋門賞をどう勝つか。これは未だに解かれていない難問だ。
田中師は今年、アロヒアリイで挑み、そして敗れた。次の挑戦まで残された時間は10カ月。その“解法”を探るプロセスは、1月の京都から始まる。
アロヒアリイは、初戦としてG2・日経新春杯に向かう予定だ。過去にはステイゴールド、ルーラーシップ、グローリーヴェイズといった、後に海外G1を勝つ馬がここを制している。
アロヒアリイは、G2・ギヨームドルナノ賞勝ちを経て昨年の凱旋門賞で上位人気に推されたが、ロンシャンでダリズの後方、17頭立ての16着という失意の結果に終わった。それでも凱旋門賞は、いまも田中師の視界から消えていない。
「オーナーと私の、凱旋門賞を勝つというのは夢のひとつなので、もちろん来年も持ち越しというか、プランの一つではあります」と田中博康調教師はIdol Horseに語った。
「まずは日本のG2・日経新春杯を。そこでの走りを見て、結果次第で考えていこうかと思います」
世界の競馬場から
1983年12月18日、2歳馬のための“世界初の賞金100万米ドル競走”が、ハリウッドパークで行われた。
ハリウッドフューチュリティ(現:ロスアラミトスフューチュリティ)は、その3年目にして当時世界最高額のレースとなり、その賞金総額は104万9725米ドル。“カナダの名手” サンディ・ホーリー騎手が、ゲイリー・ジョーンズ厩舎のファリタイムを勝利へ導いた。
その10年前、1973年12月15日。ホーリーは、史上初めて“年間500勝”を達成したジョッキーとなった。
1991年12月15日には、ダーモット・ウェルド調教師のアディショナルリスクが、香港マイルの前身にあたる香港招待ボウルを制し、香港国際競走で勝った“初の欧州調教馬”となった。
2014年12月21日、ダノンプラチナが、日本の2歳王者決定戦であるG1・朝日杯フューチュリティステークスを、新天地となった阪神で制した。2014年以前、このレースは中山で行われていた。
今週読みたいIdol Horseの記事
今週のシェーン・ダイ氏のコラムは必読だ。ロマンチックウォリアーの『仕事中毒』な調教師、ダニー・シャム師について、その姿をよく知る一人の元騎手として紐解く。
伝説の名トレーナー、ジョン・ムーア師、アイヴァン・アラン師の助手を歴任したシャムの厩舎で、主戦騎手として騎乗していたダイ氏。当時からその姿をよく知る一人だ。
短距離界の怪物、カーインライジング。その戦績は、香港競馬界を代表する2頭のスプリント王者、サイレントウィットネスやセイクリッドキングダムと肩を並べる。デイヴィッド・モーガン記者は、3頭について、調教師や騎手に話を聞き、先週の香港スプリントを前にその強さを記事にした。
サイレントウィットネスのトレーナー、トニー・クルーズ調教師は自身もまた、香港競馬史に残る偉人のひとりだ。香港国際競走が終わった今、1年前にマイケル・コックス記者が執筆した特集記事を読み返してはいかがだろうか。
今週のベストショット
先週日曜、中山の最終レースへ向かう騎手たちは足を止め、カーインライジングのG1・香港スプリントをしばし見入った。日本のサトノレーヴとウインカーネリアンはそれぞれ、9着と11着。カーインライジングは、スピード、パワー、そして折り合いの三拍子が整った、圧巻の走りを披露した。
Date
14 12月, 2025
Photographer
@eclipse__first
Location
Nakayama Racecourse
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世界の注目馬リスト
テーオーエルビスは、今後数カ月は注目馬としてマークしておきたい一頭だ。年明け早々の中東の高額重賞で存在感を示す可能性があり、さらに来年のブリーダーズカップまで視野に入ってくるかもしれない、ダートのスプリンターだ。
3歳馬のテーオーエルビスは、先週末の中山で行われた1200mのG3・カペラステークスを圧勝し、海外遠征に向けて弾みを付けた。これで4連勝で、重賞競走としては初勝利。だが今回の勝ち方は、最高峰が射程にあることを印象づけた。
テーオーエルビスはスタートこそ早くなかったものの、道中は手応え良く運び、直線で繰り出した加速の一撃で、後続を一気に突き放す。最終的な着差は5馬身差、地方交流の重賞を3連勝中だったヤマニンチェルキに大きな差を付けた。
高柳大輔調教師が手掛ける同馬は、2歳時にマイルのカトレアステークスでナチュラルライズ(今年のダート三冠路線の二冠馬)の3着だったが、スプリント路線へ矛先を変えてからは、ひとつずつ階段を上がってきている。
ワールドレーシングカレンダー:今後の注目レース
朝日杯フューチュリティステークス
阪神、12月21日
アドマイヤクワッズ、リアライズシリウス、エコロアルバ、無敗の重賞ウイナーたちが集結。アドマイヤクワッズは前走、G2・デイリー杯2歳ステークスで、再戦となるカヴァレリッツォを2歳コースレコードの決着で僅差に退けた。
リアライズシリウスは8月のG3・新潟2歳ステークスを4馬身差で快勝。エコロアルバは10月上旬、東京のG3・サウジアラビアロイヤルカップを制している。
日本の“2歳王者”を決めることも多いこのレースには、元スタージョッキーの福永祐一調教師にとって、厩舎初のG1馬となる可能性を秘めたダイヤモンドノット(G2・京王杯2歳ステークス勝ち馬)も出走を予定している。
ホープフルステークス
中山、12月27日
2000mの2歳G1・ホープフルステークスは、2014年に現在の名称と条件となって以降、コントレイル(牡馬三冠)、レイデオロ、クロワデュノール(いずれもダービー馬)、サートゥルナーリア(皐月賞馬)、そして現役スター牝馬レガレイラなど、のちの名馬を送り出してきた。
今年の一戦には、東京1800mのリステッド・アイビーステークスを制した中内田充正厩舎のサートゥルナーリア産駒、アンドゥーリルが出走を予定している。
有馬記念
中山、12月28日
レガレイラは、ファン投票で選ばれるG1・有馬記念で、史上6頭目となる2勝目、そして牝馬として初の連覇を狙う。
レガレイラはこの秋、G2・オールカマー、G1・エリザベス女王杯を制して充実一途だ。相手には、昨年3着で、その後G1・ドバイシーマクラシックを勝ったダノンデサイルに加え、G1・皐月賞馬のミュージアムマイル、G1・凱旋門賞5着のビザンチンドリーム、そして2023年のG1・天皇賞(春)以来の勝利でラストレースを飾りたいジャスティンパレスが見込まれている。
東京大賞典
大井、12月29日
東京大賞典は、地方競馬の年末を代表する大一番だ。今年も中央と地方の有力ダート馬が大井で激突する。
昨年、フォーエバーヤングはこのレースを勝ち、その後はG1・サウジカップ、G1・BCクラシックの頂点へと駆け上がった。過去の勝ち馬には、東京大賞典4連覇という偉業を成し遂げたオメガパフューム、そしてG1・ドバイワールドカップ馬のウシュバテソーロもいる。