英国人騎手のハリー・ベントレーは、早くも香港競馬での騎乗復帰に向け、リズムを取り戻し始めている。
休暇を兼ねた療養、身体のリハビリ、厳しい体力づくりが入り交じった欧州での夏を終え、香港に到着したのは金曜の夕方。土曜には香港ジョッキークラブ(HKJC)の医師の診察を受け、6月13日の激しい落馬以来、初めて騎乗許可が下りた。日曜には調教に復帰し、月曜には従化でバリアトライアルに騎乗した。
10週間前、スマイリングファルコンから落馬して激しく地面に叩きつけられたことで、香港競馬でのキャリアで最も充実したシーズンは途中で幕を閉じた。
それでも34勝を挙げ、トモダチココロエでG2・プレミアボウルを、ストーミーグローブで4歳クラシックシリーズ第2戦の香港クラシックカップを制し、二つの大きな勝利も収めた。
「落馬ではかなりの怪我を負いました」とベントレーはIdol Horseに明かす。「左腕と肋骨5本、それに肩甲骨を骨折しました。こうしたけがから復帰するには少し時間がかかりますが、その後の回復ぶりにはかなり満足しています」
香港で5年以上騎乗してきた34歳のベントレーは、今日のヒーローも明日にはたちまち過去の人になりかねないという、この世界の厳しさをよく知っている。だからこそ、落馬が2025/2026年シーズンの残り1カ月という時期に起き、その後に香港競馬の夏休みを迎えられたことを幸いに思っている。
「考え方としては、もっと悪い時期に起きていた可能性もあった、と捉えるしかありません。シーズン中盤だったら3カ月近くを棒に振っていたところですが、実際に欠場したのは1カ月だけでした」
「それでも、ものすごくもどかしかったです。シーズンの内容には本当に満足していましたから」
「騎乗馬の質や勝ち星の内容という点では、間違いなくこれまでで最高でした。40勝の大台にはぜひ乗せたかったのですが、残念ながらかないませんでした」

ベントレーは、2023/2024年シーズンに香港での自己最多となる39勝を挙げた。前シーズンは34勝で、かねて目標としてきた40勝の大台には届かなかった。それでも今シーズン、再びその目標を狙える状態にあると感じており、9月6日の開幕を前向きな気持ちで待っている。
「ぜひ40勝に到達したいです」とベントレーは意欲を示す。「もちろん昨シーズンも目標にしていて、届かなかったわけですが、ぜひその数字を達成したいと思っています」
怪我の内容と落馬の時期を踏まえ、ベントレーは身体を治すだけでなく、気持ちをリフレッシュする機会としてもこの期間を生かしているという。
「最初の4週間は、けがのダメージから身体を回復させることに専念し、とにかく無理をせずに過ごしました」とベントレーは振り返った。
「ずっと動くことはできたので、寝たきりにはなりませんでした。それでも最初の4週間は、心身ともに休養を取る時間を楽しみました」
「その後は理学療法士に診てもらい、たっぷりと徒手療法を受けました。同時に、筋力を取り戻すための運動にも十分に取り組みました」
「腕にはプレートが入っていて、7本のねじで固定されていました。その手術では当然、組織や筋肉、腱の一部を切らなければなりません。手術そのものでも患部にはダメージが加わります」
「大切なのは、筋肉や腱の強さを取り戻し、騎乗の負荷に耐えられる状態にすることでした」


復帰後、調教に2回、バリアトライアルに5回騎乗した時点で、ベントレーは「かなりいい感じです」と良好な手応えを得ている。今は前向きに、前シーズンの実績をさらに伸ばせると展望を語る。
「ある程度は、思い切って騎乗に戻るしかありません。身体の感触にはとても満足しています」
「体力づくりには確実に取り組んできたので、フィットしていると感じますし、腕もかなり強くなっています。今の状態にはとても満足しています」
「ただ、馬に乗るのは10週間ぶりだったので、これからの1週間、バリアトライアルへの騎乗を重ねるほど、どんどんしっくりくるはずです。今週は、とにかく感覚をしっかり取り戻すために大切な期間です。感覚はすぐに戻ってくるでしょう」
そうなれば、ここ1、2年で着実に高まってきた騎乗馬の質を、さらに上げていけると期待している。
「昨シーズンは、これから伸びていきそうな馬が何頭かいました」とベントレーは評価する。「スマートゴルフは昨年、本当に良かったと思います。残念ながらシーズン終盤に鼻出血を発症しましたが、それでも立ち直り、今年は活躍してくれると思っています」
「それからエリートゴルフもいます。少し年齢を重ねた今なら、間違いなく良くなってくるでしょう。3歳時は非常に幼いところがありながら、それでも2勝できました」
ベントレーは、昨シーズンのような勢いを再び生み出し、それを維持していくには、香港の調教師や馬主との良好な関係を通じて騎乗機会を得ることが欠かせないと理解している。
「昨シーズンに築いた関係を改めて強め、そうして得たチャンスを生かしていくことが目標です」
「夏の間は誰もが休暇モードなので、オフシーズンを通じてすべての調教師と連絡を取り続けるわけではありません。ただ、最後の2週間ほどになると、『この頃には戻ります。バリアトライアルで馬に乗る機会などをぜひいただきたいです』というメッセージを送るようにしています」
「とにかく関係者に自分の存在を意識してもらいたいのです。そして、自分が戻ってきたことを知っておいてもらいたいのです」