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NHKマイルカップを制したロデオドライブの今後の予定は、この馬自身の未来と同じようにまだ定まっていない。辻哲英調教師は、才能はあるが気性面に課題を抱える3歳馬について、次のプランを描く前にまずは解決することがあると明言した。

日曜日、写真判定の末に決着したNHKマイルカップの勝利後、辻師は東京競馬場で「今後に関しては全く決まってないです。まだ色々と難しいところがある馬なのでそれらを解決してからになると思います」 と語った。

その「難しいところ」はレース前から露呈していた。辻師は、サートゥルナーリア産駒の同馬が「スタート前に危うい部分を見せていました」と明かした上で、「まだ精神的に幼いところがある」と評した。厩務員がうまく対処したものの、調教師は今後の課題を冷静に見据えている。

「そういう部分が成長してくれれば、もう少しこれぐらいの距離や、ちょっと長めの距離でも我慢させながら調整していけるのかなと思います。馬の成長度合いを見て考えていきたいです」

日曜日のレースで初めてコンビを組んだダミアン・レーン騎手も、同様の危うさを感じ取っていた。パドックで同馬が「少し気合が乗って、神経質になっているところもありました」とし、「コースに出る際も少しテンションが高かったですが、馬場に入ってからは落ち着いて、素晴らしい感触でした」と振り返った。

現時点では、レーンも遠征計画や距離の試行錯誤を急ぐつもりはない。

「まだ彼に冒険をさせるべきかは分かりません。今のところは、マイルが完璧に合っていると思います」

Damian Lane and Rodeo Drive ahead of the 2026 NHK Mile Cup at Tokyo
RODEO DRIVE, DAMIAN LANE / G1 NHK Mile Cup // Tokyo /// 2026 //// Photo by Shuhei Okada

こうした慎重なトーンは、NHKマイルカップが伝統的に切り開いてきた可能性とは対照的だ。

このレースは時に、世界舞台への重要なステップとなってきた。1998年に優勝し、フランスを席巻して1999年の凱旋門賞で2着に入ったエルコンドルパサーがその筆頭である。

アドマイヤマーズは優勝から2年後に香港マイルを制し、記念では2023年の3着馬・オオバンブルマイが、次走でオーストラリアの1000万ドルのレース、ゴールデンイーグルを制した。日本の競馬カレンダーではマイルのG1選択肢は限られているため、NHKマイルカップの勝ち馬は、遅かれ早かれ海外へ矛先を向けることになるのが常だ。

ロデオドライブにはその道を歩むだけの才能がある。4月18日から短期免許で騎乗しているレーン騎手は、末脚を持続できる能力こそが、他馬と際立って優れている点だと説明する。

「彼は明らかに、速いラップを長時間維持することができます。それはすべての名馬ができることであり、彼は今日、それを証明してくれました」

「特定のどの馬に似ているというわけではありませんが、あの非常に力強い走りを維持できる能力こそが、彼を特別な存在にしているのだと思います」

ロデオドライブはこれで4戦3勝、これまでの出走はすべてマイル戦だ。4月11日のG2・ニュージーランドトロフィーで2着に敗れた後、最高峰の舞台へと挑戦し、1:31.5の勝ち時計で見事に突き抜けた。昨年、ヘデントールで制した天皇賞春以来となるJRA G1・7勝目を挙げたレーンは、ロデオドライブに惜しみない賛辞を送った。

「今日の走りで、彼は今後しばらくの間、G1レベルで戦っていけることを証明したと思います。まだピークには達していないと願っていますし、これからもさらにG1での勝利を積み重ねていってほしいですね」

Damian Lane driving Rodeo Drive to victory in the 2026 G1 NHK Mile Cup
RODEO DRIVE (L), DAMIAN LANE / G1 NHK Mile Cup // Tokyo /// 2026 //// Photo by Shuhei Okada

今回の勝利は、2021年3月に厩舎を開業し、これがG1初制覇の辻調教師にとって大きな節目となった。

また、この勝利は密かなチームプレーの賜物でもあった。1勝クラスでの勝利やニュージーランドトロフィー2着時に騎乗していたかつての主戦、津村明秀騎手は、G1レースでの騎乗こそレーンに譲ったものの、最後まで陣営を支え続けた。

「前走まで乗ってくれた津村明秀ジョッキーも、本番乗れないと分かった後もアドバイスをくれたり相談に乗ってくれました。津村ジョッキーのアドバイスがなければ、このハナ差を凌ぎきれたか分からないので、彼にも感謝したいです」

千葉県出身で、北里大学で獣医師資格を取得した後に戸田博文厩舎などで調教助手として経験を積んだ辻師は、調教師として現在7年目を迎えている。この勝利の意味について問われると、謙虚な言葉で勝利の喜びを振り返った。

「馬にとってチャンスはそう何度も巡ってくるものではないので、しっかりものにできたのは嬉しいです」

上保周平、Idol Horseのジャーナリスト。日本、海外問わず競馬に情熱を注いでいる。これまでにシンガポール、香港、そして日本の競馬場を訪れた経験を持っている。

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マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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