骨折により春のクラシックシーズンを棒に振った無敗の牝馬、モンローウォークが、13日の阪神競馬場で失った時間を鮮やかに取り戻した。秋華賞トライアルのG2・ローズステークスを3馬身差で制し、無敗で同レースを勝った牝馬としては24年ぶりとなった。
前回、この記録を成し遂げたのはファインモーション。2002年のローズステークスを足がかりに無敗で秋華賞を制し、続くG1・エリザベス女王杯も勝利した。この活躍により、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選出されている。
モンローウォークはまだ、その域に達したわけではない。それでも4戦4勝で、ここまでは一度も真価を問われるような場面はなかった。
もっとも、モンローウォークは以前から注目を集めていた。6月にはデイヴィッド・モーガンが『ワールド・レーシング・ウィークリー』の世界の注目馬リストに選出していた。当時は怪我明けの巻き返しを図る一頭として、10カ月ぶりの勝利を挙げた。
それから3カ月がたち、重賞勝利も加わった今、注目馬としての評価はさらに高まっている。
上村洋行調教師の管理馬で、単勝1倍台の1番人気に支持されたモンローウォークは、序盤に行きたがる面を見せた。戸崎圭太騎手がなだめながら、逃げるファストフォワードをマークする2番手に収める。そこから徐々に差を詰めると、難なく先頭に立って一気に後続を突き放した。
芝1800mの勝ち時計は「1:44.5」。ラスト3ハロンは34秒1で、イクイノックスの全妹にあたる3着のイクシードと並び、メンバー最速の上がりだった。勝ち馬と同じキズナ産駒のエンネが2着に入り、3着馬のイクシードにはさらに1馬身半差をつけた。
戸崎はレース後、「久しぶりに乗りましたが、とても強い競馬で、期待通りで良かったなと思います」と勝利を振り返った。
「スタートをうまく切れれば、自然と前の方につけられるだろうと思っていました。道中はこの馬のリズムで運べたと思います。しっかり制御が利いていましたし、よく我慢もしてくれました。直線では反応の良さを感じました。促すとすぐに応えてくれて、あらためてセンスの高さを感じました。直線では鞭を一度も使っていません」

戸崎が安堵したのも無理はない。昨年8月、新潟の芝1600mで行われた新馬戦では、当時木村哲也調教師の管理馬だったモンローウォークに騎乗し、3馬身差の楽勝へ導いた。
しかし、その後に骨折が判明し、春の桜花賞とオークスは棒に振った。6月に復帰した際は、厩舎も鞍上も替わり、横山和生騎手を背に函館の芝1800mで2連勝。復帰後2勝目は7月19日で、これにより重賞挑戦への道を切り開いた。
戸崎は「新馬戦の頃から、フットワーク、バネの良さは感じていました。また夏を越えて、力も付けて成長しているなと感じています。連勝で重賞を勝つことができて、僕としても嬉しく思いますし、ほっとしています」と語った。
モンローウォークは2023年ノーザンファームミックスセールで、当歳時に6820万円(約42万1000米ドル)で落札された。ノーザンファームの生産馬で、馬主はエムズレーシング。父キズナは、モンローウォークで通算54頭目のステークスウイナー、35頭目の重賞勝ち馬を送り出した。
母のアンフィトリテ2は2018年、コーフィールド競馬場のG1・豪1000ギニーを制し、G1・オーストラリアンギニーでも3着に入った。現役時代は当初ダレン・ウィアー調教師、のちにデヴィッド・ヘイズ調教師が管理し、その後日本へ売却された。
モンローウォークは同馬の第3仔で、産駒の中では最も高い実績を挙げている。その後にはロードカナロア産駒の2歳馬、コントレイル産駒の1歳馬、イクイノックス産駒の当歳馬が続く。
牝馬三冠の最終戦となる秋華賞は10月18日、京都競馬場で行われ、ローズステークスで3着以内に入った3頭はいずれも優先出走権を獲得した。上村師はモンローウォークが故障から復帰して以来、この一戦を目標に据えてきた。
24年前には、ファインモーションがローズステークスと秋華賞を連勝。モンローウォークも同じく無敗のまま、鮮やかな前哨戦勝利を手に本番へ向かう。
将来の展望: G1級の牝馬。秋華賞でも本命候補筆頭格と目されるだろう