最新ニュース
08/05/2026
デムーロが語る「希望の光」となったヴィクトワールピサのドバイWC制覇、“優しさ”はトルコでも大人気
ドバイワールドカップ制覇の快挙から15年。トルコにいるヴィクトワールピサは、体調不良を乗り越え、今も種牡馬の仕事を続けている。担当獣医師とミルコ・デムーロ騎手が、その優しさと真面目さを語った。
デイヴィッド・モーガン
08/05/2026
「100万円の格安馬」は今や豪州の怪物牝馬、“ディープの孫”シーザアリバイを発掘した「馬主の勝負」
“超”格安で買われた牝馬。その馬に乗るため極限まで減量した騎手。人口349人の田舎町から来た畜産農家。シーザアリバイのドンカスターマイル圧勝には、あらゆる「勝負」が詰まっていた。
アダム・ペンギリー
08/05/2026
「イクイノックスは親子で…」社台SSのスタッフが語る、あの種牡馬の性格と“仕事の流儀”
オルフェーヴル、ディープインパクト、キタサンブラックとイクイノックスの親子。日本最高峰の種牡馬牧場、社台SSの担当者が語る、名種牡馬の個性と“向き合い方”とは。
マイケル・コックス
NHKマイルカップの概要
- 開催日 5月10日(日曜日)
- 競馬場 東京競馬場(左回り)
- 所在地 府中市(東京都)
- 国際格付け G1
- 国内格付け G1
- 出走条件 3歳馬(騸馬不可)
- 馬場 芝
- 距離 1600m
- 総賞金(日本円) 2億8310万0000円
- 総賞金(米ドル) 約182万7000米ドル
- 初開催 1996(タイキフォーチュン)
NHKマイルカップの歴史
スピード自慢の3歳馬が集まるレース、東京競馬場の1600mで行われるNHKマイルカップは、皐月賞はスタミナ面で不向きだった牡馬にとっては絶好の舞台だ。また、桜花賞を経た牝馬にとっては、牡馬相手に勝負を挑む絶好のチャンスとなっている。
その一方で、日本ダービーへのステップレースという異なる側面も持っているレースだ。
牝馬はこのレースで好成績を誇っている。1997年にシーキングザパールが勝利して以降、5頭の牝馬がNHKマイルカップを勝利。シーキングザパールはその1年後、モーリスドゲスト賞を制し、欧州G1を勝った初の日本調教馬となった。
1999年の凱旋門賞2着馬、エルコンドルパサーもまた、NHKマイルカップの歴代勝ち馬に名を連ねている。
東京の大きな左回りのマイルコースは、長い直線を備えており、スピード能力と決め手が問われる。3歳馬たちにとっては決して楽なコース設定ではなく、過去を振り返れば、このレースを経て飛躍を遂げた馬も多い。
過去の勝ち馬には、クロフネ、キングカメハメハ、ミッキーアイルといった名が並ぶ。いずれもここで存在感を示し、その後、馬産地でも種牡馬として存在感を示した牡馬たちだ。NHKマイルカップを勝つということは、エリート候補への第一歩でもある。

NHKマイルカップのデータ
NHKマイルカップの有力馬
ダイヤモンドノット(3歳牡馬・ブリックスアンドモルタル × エンドレスノット)
調教師: 福永祐一
騎手: 川田将雅
主な勝ち鞍: G2・京王杯2歳S (2025)
ダイヤモンドノットはデビューから一貫して1600m以下の距離を使われ、マイルでの出走は今回が2度目。徹底して短距離馬として育てられてきた快速馬が、NHKマイルカップでマイル王者の座を狙う。昨年12月、G1・朝日杯フューチュリティステークスではカヴァレリッツォに接戦の2着。リベンジの舞台としても絶好の好機だ。
母のエンドレスノットは短距離で4勝、母の全兄弟には2016年ダービー馬のマカヒキ、1200mのG3を制したウリウリがいる血統。6月にデビューすると初勝利までは3戦を要したが、11月のG2・京王杯2歳ステークス(1400m)ではライバルを圧倒して3馬身差で勝利。翌月のG1初挑戦でも2着に健闘し、3歳初戦のG3・ファルコンステークスは途中まで熾烈な競り合いとなったが、最後は突き放して重賞2勝目を挙げた。
父のブリックスアンドモルタルは、2019年の全米年度代表馬として、鳴り物入りで日本に輸入された種牡馬だが、これまでに産駒G1勝利はない。調教師に転身して4年目の福永祐一師は、騎手として勝利した2005年NHKマイルカップ(ラインクラフト)以来の勝利、そして調教師としてはG1初勝利を目指す。
ただし不思議なことに、ファルコンSの勝ち馬がNHKマイルカップが出走した場合、10頭連続で3着以内に入れていない(2014年と2017年は出走なし)。パンジャタワーとラウダシオンは同レースを敗れた後に勝っているが、連勝となると2009年のジョーカプチーノが最後だ。
カヴァレリッツォ(3歳牡馬・サートゥルナーリア × バラーディスト)
調教師: 吉岡辰弥
騎手: 西村淳也
主な勝ち鞍: G1・朝日杯FS (2025)
JRA最優秀2歳牡馬のカヴァレリッツォは、2000mに初挑戦して敗れたG1・皐月賞を経て、実績あるマイルに戻ってきた。昨年の朝日杯FSでは、後の皐月賞2着馬であるリアライズシリウス、そしてNHKマイルカップでも対戦するダイヤモンドノット、アドマイヤクワッズ、エコロアルバらを破っている。
2歳時はすべてマイル戦を使い、アドマイヤクワッズがレコード勝ちしたG2・デイリー杯2歳Sでは、勝ち馬とタイム差なしの2着。朝日杯FSではアドマイヤクワッズにリベンジを果たす形で勝利し、同年の最優秀2歳牡馬を射止めた。
しかし、クラシック初戦の皐月賞(2000m)では距離の壁が露呈し、初の大敗となる13着に沈んだ。
皐月賞を含め、前走2000mでの敗戦を経てNHKマイルカップを勝利した馬は、ジャンタルマンタル、シュネルマイスター、アドマイヤマーズが過去10年以内にいる。昨年の2着馬、マジックサンズも皐月賞経由のローテで挑んでおり、「距離短縮組」は好条件とも言えるパターンだ。
エコロアルバ(3歳牡馬・モズアスコット × スターアクトレス)
調教師: 田村康仁
騎手: 横山和生
主な勝ち鞍: G3・サウジアラビアロイヤルカップ (2025)
2歳シーズンに期待を集めたエコロアルバが、NHKマイルカップで競馬場に戻ってきた。朝日杯FSでは3番人気に推され、結果は4着に敗れたものの、勝ち馬のカヴァレリッツォとの差はわずか0.3秒。翌年も注目すべき一頭であることに疑いの余地は無かったが、無理に前哨戦を挟むことなく、結果として4ヶ月の休み明けで3歳マイル王決定戦を走ることとなった。
2018年の安田記念馬、モズアスコットを父に持つ同馬は、7月の新潟でのデビュー戦を2馬身半差で勝利すると、10月のG3・サウジアラビアロイヤルカップ(1600m)では8頭立ての最後方から豪快に差し切り勝ち。東京の長い直線で発揮されたその末脚は破壊力抜群だった。
結果的に内を通った2頭で決まった朝日杯FSでは、馬場の真ん中を通って差を詰めるも、最後はアドマイヤクワッズにもさらに外から交わされて4着に終わった。
NHKマイルカップと同じ条件のG3を勝っていることは魅力的だが、3歳初戦としてNHKマイルカップに出走し、3着以内に入ったケースは過去10年には存在しない。過去3戦はすべて乗り替わりとなっており、今回も前走騎乗した松山弘平騎手ではなく、横山和生騎手と新コンビを組む。

ロデオドライブ(3歳牡馬・サートゥルナーリア × ビバリーヒルズ)
調教師: 辻哲英
騎手: ダミアン・レーン
主な勝ち鞍: 3歳1勝クラス (2026)
NHKマイルカップの重要な前哨戦であるG2・ニュージーランドトロフィーだが、今年は勝ち馬のレザベーションではなく、2着馬のロデオドライブの方が注目を集めるかもしれない。過去10年、ニュージーランドトロフィートロフィーで負けた馬がNHKマイルカップを勝った例は2頭(シャンパンカラーとケイアイノーテック)いるが、逆に連勝を果たした馬はいない。
吉田勝己氏の所有馬である同馬は、12月に中山でデビュー戦を勝利すると、3月の条件戦を3馬身差で圧勝し、一気に注目を集める存在となる。翌月のG2・ニュージーランドトロフィーでは1.7倍の圧倒的な人気を集め、上がり3ハロンでは最速の末脚を繰り出したが、2番手追走から先頭に立ったレザベーションを捕まえることはできず、クビ差の2着に敗れた。
キャリア3戦はすべて中山1600mで走っており、それ以外のコースでの出走経験はない。一瞬の加速力が魅力ではあるが、直線の長い東京ではこれまでとは異なる戦いとなるだろう。
Idol Horseの競馬記者の推奨馬は?
タカハシ・マサノブ記者
視点: 産駒別のコース相性
東京1600mは試行回数が多い条件であるため、種牡馬の好相性もハッキリしている。一定の出走頭数がある種牡馬に絞った場合、サートゥルナーリア、リアルスティール、キズナは相性が良い種牡馬だ。これらの3頭は、短距離路線で無類の強さを誇るロードカナロアを上回っている。
今年はサートゥルナーリア産駒が3頭が出走するが、東京競馬場で行われたリステッド・アイビーSを強い内容で勝っているアンドゥーリルに注目したい。
同様の理由で、東京マイルの新馬戦で強い競馬を披露したアスクイキゴミ(ロードカナロア産駒)も軽視できない。前走勝ったG3・チャーチルダウンズカップ(旧アーリントンカップ)は、NHKマイルカップ前哨戦の中でも特に好相性の一戦だ。
2020年のNHKマイルカップ2着馬、レシステンシアの半弟であるバルセシート(キズナ産駒)は息の長い末脚が魅力的で、まさに東京の長い直線が合いそう。アドマイヤクワッズ(リアルスティール産駒)も末脚が強力な一頭で、マイルに戻った今回は本来の強さが見られそうだ。
推奨馬: 12番・アンドゥーリル、 16番・アスクイキゴミ、14番・バルセシート、14番・アドマイヤクワッズ
ホーマン記者
視点: 能力重視
NHKマイルカップは、春の3歳戦で唯一の1600mのG1である。通常、クラシックで結果を出し切れなかった実績馬と、マイルで上昇中の3歳馬が集まる。マジックサンズ、ジャンタルマンタル、ソングライン、アドマイヤマーズといった近年の勝ち馬や入着馬は、いずれもクラシックでの敗戦からこのレースで巻き返している。
今年、そのタイプに当てはまるのが、皐月賞で敗れたアドマイヤクワッズとカヴァレリッツォ。どちらも2歳時にマイラーとして実績を残している2頭だ。
アドマイヤクワッズはG2・デイリー杯2歳Sでカヴァレリッツォを破り、一方のカヴァレリッツォはG1・朝日杯FSで逆転。このレースでアドマイヤクワッズは3着だった。いずれも2000mはベスト距離を超えていたように見えたため、皐月賞での敗戦は度外視できる。
特にアドマイヤクワッズは、デビュー戦で経験済みの東京マイルに戻ることで、好転が見込めるはずだ。
東京競馬場は後方待機馬に向きやすいため、末脚自慢の馬には注意が必要。G2・ニュージーランドトロフィー2着馬のロデオドライブは、同レース組で上がり3ハロン最速を記録しており、サートゥルナーリア産駒の同馬にとって、ダミアン・レーンへの乗り替わりもプラス材料だ。
また、バルセシートも注目に値する。これまでマイルで4回走り、そのすべてで上がり最速を叩き出している。東京初出走ではあるが、妙味ある存在になり得る。
推奨馬: 11番・アドマイヤクワッズ、4番・カヴァレリッツォ、17番・ロデオドライブ、14番・バルセシート
上保周平記者
視点: 東京マイル適性
NHKマイルカップは、加速力と、長い直線、そして坂を通して脚を持続させる力の両方が問われるコースで行われる。近年の開催では差し馬の存在感が目立っており、単なる先行スピードに頼る馬よりも、東京マイルで長く脚を使える馬に注目したい。
アスクイキゴミは東京1600mのデビュー戦を勝ち、続くG3・チャーチルダウンズカップでは上がり3ハロン33.7秒の末脚を繰り出した。戦術の幅があり、前半の流れが正直なペースになっても対応できるはずだ。
エコロアルバは、東京マイルのG3・サウジアラビアロイヤルカップを勝っており、すでに同コース同距離で実績がある。長い直線で末脚を持続させる能力を見せており、外すのは難しい。
アドマイヤクワッズもこのコースと距離のデビュー戦を勝っている馬で、皐月賞15着から中2週でここへ向かう。しかし、今回の距離短縮はプラスに働くはずだ。G1・朝日杯FSの3着、そしてデイリー杯での走りを見ても、マイルに戻ることは好材料である。最大の懸念は、皐月賞でどれだけ消耗しているかだが、東京マイル適性という観点では、押さえる価値がある。
G1・朝日杯FSを制したカヴァレリッツォは、明らかに高い能力を持つマイラーである。サートゥルナーリア産駒は東京芝1600mでも高く評価でき、強い流れになっても好位で運べれば粘り込むだけの格がある。ただし、皐月賞での大敗後の状態面に不安があるため、やや評価を下げた。
推奨馬: 16番・アスクイキゴミ、 10番・エコロアルバ、 11番・アドマイヤクワッズ、4番・カヴァレリッツォ
スティーヴン・ホー記者
推奨馬: 切れ味が活きるコース
皐月賞で結果を出せなかったスピード型の馬が、このレースで巻き返しを狙うことは多い。しかし、過去5年に絞った場合、皐月賞に出走した後、NHKマイルカップで入着した馬は2頭だけである。2025年のマジックサンズ(皐月賞6着、NHKマイルカップ2着)と、2024年のジャンタルマンタル(皐月賞3着、NHKマイルカップ1着)だ。
東京競馬場の長い直線を考えると、強烈な末脚を持つ馬が特に有利になる。注目すべきは、過去5年の3着以内15頭のうち、最終コーナーで3番手以内にいた馬はわずか3頭だけだったことだ。一方で、その時点で後方、あるいは最後方付近にいた差し馬でも入着を果たしており、戦術的なスピードよりも加速力の重要性が高いことを示している。
ダイヤモンドノットは、このメンバーの中でもかなりの自在性を持つ。前哨戦として重要なG3・ファルコンSを勝っている馬だ。ラウダシオンとパンジャタワーは、それぞれ2020年と2025年にファルコンS勝利後、NHKマイルカップを制している。
ファルコンステークス2着馬のフクチャンショウもまた、潜在的な有力候補と見られている。2歳時にはG2・京王杯2歳Sでダイヤモンドノットに敗れたものの、3歳シーズンでは2戦で入着している。安定した末脚を持っており、この大一番で注目すべき伏兵である。
カヴァレリッツォは、皐月賞での大敗から再浮上を狙う。左回りの中京でのデビュー勝ちが、ここでは好材料になるかもしれない。マイルへ戻ることで後方から運べるようになり、東京の長い直線で強い決め手を発揮できるはずだ。
エコロアルバは、3歳シーズン初戦としてこのレースに向かう。すでに同じコースと距離のG3・サウジアラビアロイヤルカップを勝っている馬である。キャリア3戦すべてで強い末脚を見せており、考慮に入れるべき存在だ。
推奨馬: 7番・ダイヤモンドノット、18番・フクチャンショウ、4番・カヴァレリッツォ、10番・エコロアルバ