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木曜日、香港ジョッキークラブ(HKJC)はジョアン・モレイラ騎手に対し、短期免許の申請を承認しないと発表した。この決定は、香港の競馬ファンや関係者に驚きと失望をもたらした。

今回の復帰案を主導したキャスパー・ファウンズ調教師は、モレイラを厩舎所属の主戦騎手として迎え入れたいと考えていた。4度のリーディングトレーナーに輝いた同師は、モレイラの卓越した技術と経験を駆使し、再びリーディングトレーナーの座を目指して挑もうとしている。

ファウンズ師はIdol Horseに対し「仕方がないことです」と語り、現実を受け入れる姿勢を見せた一方で、シーズン終了までのどこかでモレイラを起用したい考えも明らかにした。

「クラブの事情は理解しています。説明も受けましたし、シーズン終了までに彼を起用できるよう申請を進めるつもりです。シーズンは長いですから、慌てる必要はありません」

「日程を調整して、HKJCの所属騎手として、もしくは私の厩舎の主戦騎手として来られるように動いていきます」

もっとも、この計画にはスケジュール調整という大きな課題が立ちはだかる。モレイラは母国のブラジルでは主戦契約先であるリオ・イグアス牧場から騎乗依頼があるうえ、日本でもJRAの春のG1シリーズで短期騎乗を望む関係者がいるため、日程調整は難航しそうだ。


HKJCの声明文は、前日にジェームズ・マクドナルド騎手、ホリー・ドイル騎手、マキシム・ギュイヨン騎手を11月から12月の短期免許として、さらにディラン・ブラウン・マクモナグル騎手を1月から短期免許で迎え入れることを発表した直後に出されたものだった。

その声明内では、「シーズン前半は所属騎手の空きがないと判断した」と明言されていた。

さらに声明では、2月17日以降に騎乗を希望する場合は12月1日までに申請を行う必要があるとされており、モレイラを含むいかなる騎手も、その日以前に騎乗免許を取得することは事実上不可能となることが示された。

HKJCのレーシング・エグゼクティブディレクター、アンドリュー・ハーディング氏は香港メディアへのコメントで、騎手免許に関する取り組みは「数か月前から行われるもので、事前の計画が不可欠です」と強調。さらに「騎手構成の安定性」などの要素をバランスよく保つ必要性についても言及した。

モレイラは世界的に著名な騎手の一人であり、今年はすでに日本とブラジルでG1を6勝している。また、厩舎所属騎手としての騎乗経験も豊富だ。

2018年には、香港を離れて日本での通年騎手免許取得を目指したが、同年10月上旬の筆記試験で不合格に。その後、クラブが11月17日に免許付与を発表し、12月9日にはジョン・サイズ厩舎所属の主戦騎手として香港競馬に復帰している。

過去10年では、ジェラルド・モッセ(マンフレッド・マン厩舎)やトミー・ベリー(ジョン・ムーア厩舎)といった一流騎手が、厩舎との所属契約を結んだ例があった。ただし、香港競馬界は世界でも屈指の競争と厳しさを誇る舞台であり、こうした専属契約のスタイルはこの環境にそぐわず、近年ではすっかり廃れた存在となっている。

ハーディング氏はまた、モレイラに免許を付与することは「クラブの採用戦略を損ない、すでに香港で騎乗することを約束している騎手たちに不公平になる」として、認められないとの見解を示した。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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