G1・安田記念を完勝、完全復活の走りを見せたジャンタルマンタルの眼前には、再び世界への遠征プランが広がっている。
社台レースホースが所有するジャンタルマンタルだが、ここまでの臨戦過程は決して順調とは言えず、出走歴は過去13か月で1走のみ。その1走は半年前のG1・香港マイルでの13着惨敗だった。
しかし、日曜日の東京競馬場で見せた圧巻の勝利により、ジャンタルマンタルは2歳・3歳・4歳でG1を制覇。日本競馬の中でも限られた名馬の一頭となり、陣営の議題には海外遠征が再浮上した。
安田記念は11月1日にデルマー競馬場で行われるG1・ブリーダーズカップマイルの『優先出走権』を兼ねており、高野友和調教師はその選択肢も含めて検討すると語った。
「今後はまだ未定です。BCマイルも含め、海外遠征先や距離、まだ何も決まっていないのでこれから協議することになります」
1馬身半という2着との着差以上に、ジャンタルマンタルの圧倒ぶりは際立っていた。パレスマリス産駒の同馬は道中3頭ぶん外を楽に先行し、残り200mで川田将雅騎手がゴーサインを出すと一気に突き抜けた。
2着はガイアフォース、前走でロマンチックウォリアーを下したソウルラッシュは後方待機から末脚を伸ばすも、3着までに留まった。
高野調教師はレース後、香港での復帰戦が想定以上に硬い馬場だったことで数か月の立て直しを余儀なくされたと明かした。
「目標を定めて、次走の日程も分かった上なので、計画的に進めることができました。馬体の回復を始め、必要なことを期間内にできたと思います。香港での厳しい競馬があったのにも関わらず、帰厩後はとても順調に調整が進められました」
「中間は調整に支障が出るようなトラブルもなく、それが本当に大きかったです。一番を挙げるとすれば、社台ファーム・山元トレセンのスタッフさんの真摯な接し方のおかげかなと思います」