ウィンクスの2番仔、そして初の牡馬となる当歳馬が、来年のイングリス・イースター・イヤリングセールに上場される。オーストラリア国内でもトップの注目度を誇るイースターセールだが、その中でも目玉の一頭となりそうだ。
ウィンクスの “長男” だが、その父は4度のリーディングサイアーに輝いた実績を持つスニッツェル。来年の3月、29日と30日の2日間に渡ってシドニーで開催されるイースターセールにて、売却される予定となっている。
「偉大なウィンクスの長男がイングリス・イースター・イヤリングセールに上場されることは、まさにこの上ない喜びであり、オーナーグループに心からの感謝を申し上げます」と語るのは、イングリス社のセバスチャン・ハッチCEO。
ウィンクスの初仔、ピエロ産駒の牝馬は、昨年のイースターセールにて1000万豪ドル(当時約10億円)で落札。オーストラリア国内のサラブレッドとしては、史上最高額の落札額となった。
後にキンセアネーラと名付けられたこの牝馬だが、落札したのはウィンクスの共同オーナーでもあったデビー・ケピティス氏。自身が率いるウォピットブラッドストックの名義で落札した。
ケピティス氏はこれで、ウィンクスの他の共有馬主であるピーター & パティ・タイ夫妻、エリザベス・トレウィーク氏、リック・トレウィーク氏から所有権を買い取った形になった。キンセアネーラは現在、母と同じクリス・ウォーラー厩舎に入厩している。
ピーター・タイ氏はウィンクスの初仔が落札した当時の心境について、「ピエロ産駒の娘が落札されたときの興奮は言葉では言い表せないほどでした。文字通り、度肝を抜かれました」と振り返る。
「ウィンクス、そしてピエロ産駒の長女が私たちを導いてくれた旅路は、本当に最高の景色でした。今度は名牝の長男が、誰かの下へと渡ることになります。少なくとも、私たちにとっては史上最高の名牝で間違いありません」
ケピティス氏はウィンクスの長男について、「ハンサムな子です。一目見れば分かりますが、全ての資質が備わっています。そのカリスマ性は生まれたときからそうでした」と自身の印象を語った。
昨年落札された初仔のアンダービッターは、あのジョン・スチュワート氏。アメリカを拠点とする、著名な馬主だ。イングリスのハッチCEOは、2番仔の牡馬も初仔と同様に世界的な注目を集めるだろうと語った。
「この牡馬が登場する来年のイングリス・イースター・イヤリングセールは、楽しみな光景が待っていると思います。私自身、この馬の成長過程を何度も見る幸運に恵まれましたが、いつ見ても良い馬に見えました。セールでは最上級の1歳馬として姿を現すはずです」
「イースターセールは毎年、世界中から幅広いバイヤーが集まります。この牡馬が目玉となることで、世界的な注目度にはより一層拍車がかかると思います」
なお、ウィンクスは2024年は空胎だったが、今年はトゥーダーンホットとの交配が予定されている。