クリス・ウォーラー調教師は、オーストラリアの定量戦の最高峰で5勝目の栄光に浸りながら、コックスプレートを圧勝したヴィアシスティーナのメルボルンカップ出走の可能性を否定しなかった。
アイルランド産の7歳牝馬、ヴィアシスティーナがウィンクスのコースレコードを2秒近く更新して8馬身差の勝利を収めた直後にウォーラー調教師は、「今日取り組むべき問題ではないですね」と感極まりながらIdol Horseに語った。
ウォーラー調教師の唯一のメルボルンC勝利は2021年、コックスプレートでステートオブレストとアナモーの3着後に出走した、当時6歳の牝馬、ベリーエレガントによるものだ。
コックスプレートは近年、メルボルンCへの重要な前哨戦として位置付けられている。コックスプレートの勝ち馬には負担重量の加重はなく、ウォーラー調教師と馬主のユーロン・インヴェストメンツが11月第1火曜日に出走することを選択した場合、ヴィアシスティーナは56キロを背負うことになる。
2005年のマカイビーディーヴァ以来、コックスプレートとメルボルンカップの2冠を達成した馬はいない。それ以降も、エフィシエント(2007年)、グリーンムーン(2012年)、フィオレンテ(2013年)、ベリーエレガント(2021年)、ゴールドトリップ(2022年)がコックスプレートを最後の前哨戦として走っている。

ウォーラー調教師はメルボルンC出走の可能性についての質問をかわしたが、波乱の1週間を経て、レース後は安堵の表情を見せていた。ヴィアシスティーナは火曜日、ムーニーバレー競馬場での調教中に右前肢のバンデージが緩み、J・マクドナルド騎手を落馬させていた。
ヴィアシスティーナは競馬場スタッフに無事捕獲されるまで、コースを1周以上ギャロップで走り続け、トレーナーは今後の進め方について難しい決断を迫られた。
結果として正解となったのは、ウォーラー調教師がヴィアシスティーナの調教を続行することを選択しただけでなく、木曜日に再度ムーニーバレーでギャロップを行わせたことであった。
「自分の仕事をして、やるべきことを進めていくだけです」と調教師は自身の決断について語り、競馬への注目度が高まるこの時期に、競馬界が批判を受けないよう配慮する責任も感じていたと付け加えた。
「フットボールのコーチや子供の世話をする母親のように、ほとんどの人が持っているような直感があります…起きたことが良い印象をもって受け止められ、競馬が最高の形で見られるよう、できることはすべて試みました」と彼は語った。
「我々がしたことの多くはおそらくやりすぎでしたが、ただ良いショーを見せて、起きてしまったことに対抗したかっただけです」
これは調教師にとって5度目のコックスプレート制覇であった。この競走の勝利数で史上最高のバート・カミングス調教師と並び、7勝のT・J・スミス調教師に次ぐ記録となったが、ウォーラー調教師にとってはウィンクス以外の馬での初勝利だった。
この勝利は、2017年にウィンクスが記録した2分02秒94のコースレコードを1.87秒更新して2分01秒07としたことで、伝説の名牝との比較を明らかに引き出すことになった。
ウォーラー調教師は「私は、最強馬がコックスプレートを勝つものだと考えて育ってきましたが、今日のレースを見ても、その考えは変わりません」と語った。
「(今回は)まったく異なるし、ウィンクスがやってのけたことはそれはもう驚異的なものでした…でも、彼女(ヴィアシスティーナ)なら、ウィンクスを押しのけることができたでしょうね」
「本当に特別な勝利でした」