「前哨戦で明暗分かれる」ジ・エベレスト2026:有力候補パワーランキング(9月24日更新版)
カーインライジングがついに豪州へ到着した一方、ランキングでは順位変動も。G1勝ち馬が急浮上し、前哨戦では圏外だった2頭が台頭。大一番まで3週間半、今週末は有力馬の一頭が重要な一戦を迎える。
「前哨戦で明暗分かれる」ジ・エベレスト2026:有力候補パワーランキング(9月24日更新版)
カーインライジングがついに豪州へ到着した一方、ランキングでは順位変動も。G1勝ち馬が急浮上し、前哨戦では圏外だった2頭が台頭。大一番まで3週間半、今週末は有力馬の一頭が重要な一戦を迎える。
2026 09 24カーインライジングは火曜朝、十人余りが見守るなか、豪州の競馬場へ足を踏み入れた。前週土曜にランドウィックとコーフィールドで起きたことなど、同馬を不安にさせるものではなかっただろう。
ただし、ランキングでカーインライジングより下の勢力図は、その土曜に大きく揺れ動いた。今年ずっと追い求めてきたG1タイトルをついに手にし、それにふさわしく順位を上げた馬がいる。
G2・ザショーツでは、7日前にはランキング圏外だったマズが勝利し、同じく圏外だったキングズシークレットも3着に入った。先週の12頭のうち2頭は、まったく別のレースへ向かうことになった。
メルボルンの都市圏開催は日曜に移り、コーフィールドではG1・マニカトステークス(1200m)が行われる。ランキング圏内の12頭からは、バイヴァハト、ジミーズスター、オリーブアナザーデイの3頭が登録している。
休み明けで連覇を狙うチャームストーンをはじめ、モイアステークス覇者のマイグラディオラ、ナポレオニック、ギガキック、さらにジェームズ・マクドナルド騎手を騎乗するトレント・エドモンズ調教師の牝馬、エクストラギャラクティックと顔を合わせる。
そして、その前日の土曜には、ゲストハウスがG1・ゴールデンローズステークスで真価を問われる。
本番の出走枠も徐々に埋まり始めている。ランキング内の1頭が今週、出走枠を確保し、3頭目の出走決定馬となった。残る各馬にとっては、10月3日のG2・プレミアステークスが最後の実質的な選考レースになりそうだ。
王者を追う挑戦者たちを、エキスパート陣はどう評価したのか。最新ランキングを見ていこう。
1. カーインライジング –
馬齢/性別: 6歳騸馬
調教師: デヴィッド・ヘイズ
戦績: 24:22-2-0
主な勝ち鞍: G1・ジ・エベレスト(2025年)
全員一致の1位で、ついに豪州入りした。
月曜日、シャティン競馬場からカンタベリーパーク競馬場まで16時間に及ぶ長距離輸送を終えた。
香港出発時は意図的に7kgの余裕を持たせた馬体で、輸送によって5kg減った。火曜には軽快な足取りで2周半を26分かけて回った。10月6日にランドウィック競馬場でザック・パートン騎手を背に、バリアトライアルへ出走予定。10月17日の本番までレースには使わない。
デヴィッド・ヘイズ調教師は、数分ほど動きを見ただけで、豪州のトップスプリンターたちを退けた昨年よりも「控えめに見て10%」良くなっていると評価した。
「先ほど獣医師と話したのですが、昨年より輸送にうまく対応できたと、獣医師は強く感じているそうです。今シーズンは昨年より馬体重が重く、それは私にとって大きな好材料です」
対戦相手の顔ぶれを見渡しても、ヘイズ師に不安はない。
「今年はスプリンターたちをかなり注意深く見てきました。明らかに良い馬は何頭かいると思います」
「ただ、私の見立てでは、この馬に勝つには相手はかなり力をつける必要があり、こちらは少し調子を落とさなければなりません。そして、カーインライジングが調子を落としているとは思いません」
2. テンプテッド –
馬齢/性別: 4歳牝馬
調教師: キアロン・マー
戦績: 13:8-2-2
主な勝ち鞍: G1・サラウンドステークス(2026年)
順位は変わらず、週末に実戦を迎えることもなかった。10月3日のプレミアステークス(1200m)が、G2・コンコルドステークスからジ・エベレストまでの唯一の実戦となる。土曜の結果を見ても、地元勢の筆頭という評価が揺らぐことはなく、むしろ後続との差はさらに開いたと言っていい。
アダム・ペンギリー記者は『Idol Horseニュースデスク・ポッドキャスト』で、次のように話した。
「昨年、カーインライジングの2着だったテンプテッドが、今もおそらく地元勢の最上位候補です」
3. ジョリースター ↑1
馬齢/性別: 6歳牝馬
調教師: クリス・ウォーラー
戦績: 23:10-5-4
主な勝ち鞍: G1・TJスミスステークス(2026年)
復帰戦のG2・ザショーツでは敗れたものの、順位は上がった。
ロイヤルアスコット遠征以来の休み明けで臨んだザショーツは、前に行った馬に有利な展開となった。そのなかで、ジ・エベレスト候補のうち唯一、後方から差を詰め、マズにクビ差まで迫った。エキスパート陣は内容をまったく悲観していない。今回もまた、いつもどおり安定して自分の走りを見せたからだ。
ジェームズ・マクドナルド騎手は「相手のそろった一戦で、外を回るロスもありましたが、最後までしっかり伸びています」と振り返った。
今後は昨年と同じく、ザショーツから4週間の間隔を空け、ウォーラー師自身の出走枠でジ・エベレストへ直行する。本番が休み明け2戦目となる。

4. ゲストハウス ↓1
馬齢/性別: 3歳牡馬
調教師: ミック・プライス&マイケル・ケント・ジュニア
戦績: 5:3-1-1
主な勝ち鞍: G1・ゴールデンスリッパー(2026年)
出走しないまま一つ順位を下げたが、それはジョリースターが実戦で結果を示したためにすぎない。
土曜のローズヒルで行われるG1・ゴールデンローズステークス(1400m)で巻き返しを図る。そこでは、G2・ラントゥザローズを勝ち、サンドメニコステークスではゲストハウスの5着だったウォーウォーヴンと再戦する。共同馬主であるクールモアの出走枠が、事実上この一戦に懸かる。
先述のペンギリー記者は、ゲストハウスが本番のジ・エベレストへたどり着くと見ている。
「ゲストハウスは、自らの走りで有力候補に名乗りを上げるでしょう」
共同調教師のマイケル・ケント・ジュニア師は今週、ゴールデンローズを前に次のように語った。
「これ以上ない状態です。狙いどおりに仕上がっています。ベストの走りで1400mをしっかり走り切れると強く期待していますし、そうなればこの馬が中心でしょう」
5. エンジェルキャピタル ↑3
馬齢/性別: 5歳牡馬
調教師: クリス・ウォーラー
戦績: 18:6-2-2
主な勝ち鞍: G1・サールパートクラークステークス(2026年)
先週末、G1・サールパートクラークステークスの勝利で大きく順位を上げ、エキスパート陣の評価も全員一致だった。
ベン・メルハム騎手がじっくり構え、最後の100mで力強く伸びると、連覇を狙ったセパルスを4分の3馬身差で差し切った。C.F.オーアステークス、ニューマーケットハンデキャップ、ウィリアムリードステークスで好走しながら届かなかったG1タイトルを、ついに手にした。
ハンデが有利に働くと判断したウォーラー師は、マニカトステークスからこちらへ目標を切り替えていた。
厩舎関係者のダレン・ビードマン氏は「これまで何度も、G1勝利にふさわしい好走をしてきました」と話した。
ユーロンは土曜のレース前、同馬が自社の出走枠を使う候補に残っているとしていた。この週末、ランキング内のどの馬よりも強く出走をアピールしたのが、このG1勝利だった。エキスパート陣は、今やエンジェルキャピタルがその枠に入ると見ている。ただし、王者を破るとまでは考えていない。
ユーロンの新レーシングマネージャー、ダニー・ロルストン氏は『ザ・サラブレッド・レポート』に次のように語った。
「ジ・エベレストは有力な選択肢として話し合っています。今すぐ出走を決めるわけではありません。レース後の状態を確認してから判断しますが、間違いなく選択肢の一つです。自前のチームから枠に入れるなら、この馬が最もふさわしい候補でしょう」
6. ニンジャ ↓1
馬齢/性別: 4歳騸馬
調教師: マイケル・フリードマン
戦績: 10:5-1-2
主な勝ち鞍: G2・ホバートヴィルステークス(2026年)
休み明けのG2・ザショーツは9着。後方勢がまったく差を詰められない展開だった。しかし、この結果で本番出走そのものが変わることはない。
ニンジャはフェアウェイ・サラブレッズが保有する出走枠で、カーインライジングへの挑戦馬として最初に出走が決まり、現在は出走確定馬3頭のうちの1頭となっている。ただし、本番でどこまでやれるかという評価には大きく影響した。
トミー・ベリー騎手は「いい走りでした。前に行った馬に展開が向きましたが、この馬もよく走りました」と振り返った。ペンギリー記者もPodcastに出演した際、区間タイムは十分に優秀だったと指摘している。
マイケル・フリードマン調教師は、ジ・エベレストの前にもう一戦使う案を示している。候補は本番2週前、10月3日にローズヒルで行われるG2・プレミアステークス(1200m)で、テンプテッドと、今回新たにヘッドウォールも向かう予定だ。
7. マズ NEW
馬齢/性別: 8歳騸馬
調教師: ジョセフ・プライド
戦績: 47:11-4-9
主な勝ち鞍: G1・ドゥームベン10000(2022年)
G2・ザショーツを制したモーリス産駒だが、ジョセフ・プライド調教師はジ・エベレスト出走に否定的だ。
このレースでは、ゲートへ向かう途中で2、3度立ち止まり、誘導員らに蹴りかかった。それでもレイチェル・キング騎手を背に1番枠から先手を奪うと、そのまま最後まで捕まらなかった。
キングは「この馬のことを決して忘れてはいけません。本当に堅実です」と話した。
一方、プライド師は4度目のジ・エベレストに乗り気ではない。マズは2022年に3着、2023年に11着、昨年は9着だった。
「勝てるレースへ行きたいと思っています。ジ・エベレストには何度か出走しましたが、この馬に本当に合うレースではありません」
「雨の一日になれば、おそらく勝負に加われるでしょう。ただ、それ以外の条件で6着や7着に入ったところで、私としてはあまり意味がありません」
最終的な判断は、馬主であるトリプルクラウン・シンジケーションズに委ねられる。
エキスパート陣のマズへの評価は、プライド師自身よりも高い。ザショーツの勝ち馬で、過去にこのレースで好走している馬なら、陣営が望むかどうかにかかわらず、出走枠の打診が集まるのが普通だ。
道悪での好成績も、シドニーが荒天に見舞われれば切り札になり得る。そうした天候はいつ起きてもおかしくない。
8. バイヴァハト ↓2
馬齢/性別: 4歳牡馬
調教師: クリス・ウォーラー
戦績: 14:4-3-1
主な勝ち鞍: G1・メムジーステークス(2026年)
出走しないまま二つ順位を下げた。下位にいた2頭が勝利したためだ。
次走はすでに決まっており、この馬をめぐる疑問への答えも出る。日曜のマニカトステークスに登録し、ナッシュ・ローウィラー騎手を背に、2月以来初めて1200mへ距離を短縮する。
順位が二つ下がったことより、こちらの方がはるかに重要だ。ウォーラー師は1400mが最適距離だと話しており、これまではゴールデンイーグルの方が自然な目標に映っていた。
だからこそ、マニカトステークスへの出走は、10月17日のジ・エベレストが現実的な選択肢として残っていることを示す、現時点で最も明確なサインとなる。
9. ヘッドウォール –
馬齢/性別: 7歳騸馬
調教師: マシュー・スミス
戦績: 20:7-6-4
主な勝ち鞍: G2・コンコルドステークス(2025年)
ヘッドウォールのジ・エベレスト出走が決まり、これで出走確定馬は3頭となった。
レグ・ヤング氏が率いるシンジケートと、マックス・ウィットビー、ニール・ウェレット、コル・マッデン、スティーブ・マッキャンの各氏が共同保有する出走枠との間で契約がまとまった。
ウィットビー氏らのグループが保有する出走枠は、2017年にベガマジック、2021年にマスクドクルセイダーで2着、プライベートアイで3着、トレッキングで4着という実績を持つ。
ウィットビー氏は「ジ・エベレストで非常に良い勝負ができると感じ、ヘッドウォールを獲得したいと考えました」と説明した。
「もちろん、カーインライジングを負かすのは難しいでしょう。それでも参加できることをうれしく思います。ヘッドウォールはこの春の2戦で非常に良い走りを見せており、今までで最も充実しています」
ザショーツ5着は、着順以上に内容があった。先行勢が止まらない展開のなか、マズから1馬身差まで迫り、当日の全レースを通じて最速となる上がり600m32秒70を記録した。その前走では、1年ぶりの実戦ながら不運もあり、テンプテッドの2着に入っている。
マシュー・スミス調教師は、大一番の前にもう一戦使いたいと考えている。
スミス師は『レーシングアンドスポーツ』に次のように語った。
「長く実戦から離れていたので、もう一度レースを使う必要があります。そこで、来週のプレミアステークスへの出走を考えています。本番には十分に仕上がり、最高の状態でジ・エベレストへ向かえるでしょう」

10. オリーブアナザーデイ –
馬齢/性別: 4歳騸馬
調教師: トム・デイバーニッグ
戦績: 9:6-1-0
主な勝ち鞍: G3・ヒース1100ステークス(2026年)
日曜が正念場となる。ハリー・コフィー騎手を迎えて、強豪がそろうマニカトステークスに登録した。
5連勝が止まったボビールイスクオリティ以来の一戦で、連覇を狙うチャームストーン、モイアステークス覇者のマイグラディオラ、距離を短縮するバイヴァハト、ナポレオニックと対戦する。
フレミントンの前にトム・デイバーニッグ調教師が示していた見解は、馬主が改めて判断し、マニカトステークスへの出走も遠征も可能だというものだった。今や、それだけが同馬の可能性を支えている。本番3週前の今回は、無敗馬だった頃に出走枠保有者から寄せられていた関心を、現在の同馬へもう一度向けさせる最後の機会だ。
11. ジミーズスター –
馬齢/性別: 7歳騸馬
調教師: キアロン・マー
戦績: 29:11-5-4
主な勝ち鞍: G2・ラッセルボールディングステークス(2025年)
ついに実戦の時が来た。イーサン・ブラウン騎手を背に日曜のマニカトステークスへ登録。メムジーステークス9着以来の出走で、共同馬主が同レース前に示した条件を試される一戦となる。
以前の「ジミー」らしい走りを取り戻せばジ・エベレストの話が再び動き出す。そうでなければ、同じランドウィック開催で行われる総賞金500万豪ドル(約5億6000万円)のキングチャールズ3世ステークスへ向かう。
本番まで3週間となり、もはや第三の選択肢はない。どちらのレースに出るかは、マニカトステークスで決まる。
12. キングズシークレット NEW
馬齢/性別: 5歳騸馬
調教師: ジョセフ・プライド
戦績: 15: 6-3-3
主な勝ち鞍: リステッド・カンタベリースプリント(2026年)
マズの僚馬で、4月のホールマークステークスに続き、ザショーツでも同馬に僅差で先着を許した。今回は2着にハナ差まで迫り、ヘッドウォールとニンジャには先着している。
アンドリュー・アドキンス騎手は「今回も素晴らしい走りでした。僚馬には敗れましたが、本当に堅実です。さらに良くなっています」と評価した。
「この馬がゴールへ向かって力強く伸びる走りが気に入っています。今シーズンは以前よりもさらに良い状態で戻ってきました」