ゴドルフィン・オーストラリアの専属調教師を長年務めるジェームズ・カミングス調教師が、家族が50年にわたって築いてきたレイラニロッジ調教場の馬房使用を申請する考えを明らかにした。ゴドルフィンのオーストラリア部門が大幅な体制変更を発表したことを受けての動きだ。
ジェームズはこの8年間、ゴドルフィン・オーストラリア専任の調教師として指揮を執ってきたが、現地時間水曜日朝に発表された通り、その専属契約を終了する。
Idol Horseが2025年3月に報じたように、契約は今年半ばに満了予定で、ジェームズ・カミングス調教師は新たな契約を結んでいなかった。
今回の発表によると、ゴドルフィンは今後、オーストラリア国内の複数の調教師に管理馬を分散させる方針だ。ジェームズもその一人として引き続き馬を預かることになる。
ジェームズはIdol Horseに対し、祖父でメルボルンカップを12勝した名伯楽のバート・カミングス、父アンソニー、兄エドワードと、3代にわたり使用されてきたロイヤルランドウィックの名門レイラニロッジ調教場での調教再開を申請することを明かした。
「独立するには、今がちょうど良いタイミングです。レイラニロッジの馬房使用に応募するつもりですし、あらゆる選択肢を視野に入れています」とジェームズは語った。
父のアンソニー・カミングス調教師が、競馬統括機関であるレーシングNSWにより「適格かつ適正な人物ではない」と判断され、調教師ライセンスの剥奪により、レイラニロッジは半世紀ぶりに利用者がおらず空き馬房となっていた。同氏の資格が剥奪された理由だが、規制当局は厩舎経営における財政状況に懸念を示していた。
兄のエドワード・カミングス調教師もレイラニロッジの継承に意欲を見せていたが、父の厩舎を救うため一時的に支援した後、自身の本拠地であるホークスベリーに戻ることとなった。
香港への移籍の噂が絶えない中、今後もオーストラリアを拠点とするのかと問われたジェームズは、「もちろんです」と即答する。
「何よりも素晴らしいのは、ゴドルフィンが今後も重要な顧客でいてくれるということです。これ以上ない好条件だと思います。これからも素晴らしい馬たちを預からせてもらえることに、心から感謝しています」
「これまでにも素晴らしいチームメンバーと共に、最高の時間を経験してきました。種牡馬入りさせた馬は8頭、G1勝利は50勝にのぼります。本当に素晴らしい時間でした。独立に向けて細かい調整ができているのは良いことです。やらなければならないことがたくさんありますからね」
「そして、今後もゴドルフィンから私のもとに馬を送ってくれる予定です」
この発表により、ゴドルフィンの管理馬が8月1日以降どの厩舎に向かうのか、国内の有力調教師たちの関心が一気に高まっている。
「専属調教モデルから離れることで、ビジネス面での柔軟性が高まります」とゴドルフィンは声明を発表した。
「調教頭数の総数はこれまでと変わりません。これは我々のビジネスモデルの根幹です」