英国平地競馬のシーズンを締めくくる大舞台、英チャンピオンズデー。ジャック・カラン騎手は正装に身を包み、アスコット競馬場を訪れた。しかし、騎乗のためではない。G1の舞台で手綱を取る日はきっと訪れるだろうが、この日の目的は、今年の見習い騎手王者として表彰を受けることだった。
その一日は、夢をかなえ、目標を達成し、さらには騎手一家の伝統を受け継いだことを象徴していた。
カランの傍らには母トリッシュさん、今年のアマチュア騎手王者に輝いた兄弟のヘンリーと、テッドとウィル、そして今から実に27年前、自らも英国の見習い騎手王者となった父ニール・カラン騎手がいた。
父のニールは、努力を惜しまず、歯に衣着せぬ物言いをし、筋金入りのタフさを備えた騎手として成功を築いてきた。G1勝利を挙げ、香港競馬で騎乗した時期には現地の人々から「アイアンマン」と呼ばれるなど、国際的にも名を知られた。息子のジャックもまた、成長期の多くを香港で過ごしている。
だが、父ニール・カランの成功の土台となったのは、駆け出しの頃に技術を磨き、評価を築いた冬の日々だった。リングフィールド、サウスウェル、ウルヴァーハンプトンを転戦し、ポリトラックやファイバーサンドで騎乗した。
当時、調教師として存在感を高めつつあったカール・バーク調教師の管理馬に乗り、馬主のナイジェル・シールズ氏の勝負服で挙げた勝利も数多かった。
現在ではそのリストに、タペタコースのニューカッスル競馬場も加わる。寒さが厳しく、容赦なく、騎手を鍛え上げる冬の舞台だ。日が短く夜の長いこれから数カ月、オールウェザー馬場で、本物の泥臭い努力を重ねる日々がジャック・カランを待っている。
アスコットで戴冠する前夜、雨が降るニューカッスル競馬場の検量室前に立ったジャック・カランは、Idol Horseにこう語った。
「この冬は英国に残るので、冬用の手袋を引っ張り出します。でも、楽しみにしています」
「昨年は海外へ行って、オーストラリアでは本当に楽しく過ごしました。でも、この冬はここで懸命に働き、良い馬に乗って、いい勝ち鞍を挙げたいですね。春に向けて、少しずつ人脈を広げていければと思います」
ジャック・カランはニューカッスル競馬場をよく知り、ニューマーケットにある実家からA1を北上する約250マイル(約400キロ)の長旅にも、すっかり慣れている。その数分前には、10ハロンのハンデ戦で熟練した騎乗を見せて勝利し、まるでニューカッスルのベテランのようだった。
「ああいう騎乗は、とても満足感があります。乗っていて分かるんです」と、パトロールを冷静かつ完璧な差し切り勝ちへ導いた騎乗を振り返った。勝負を決めるその瞬間にだけ、同馬の頭が前に出ていた。
「おそらく、想定よりも後ろの位置取りになりました」

19歳のジャック・カランは、若い力が台頭するジョージ・バウヒー調教師の厩舎に所属する、3人の王者の一角だ。
バウヒー厩舎では、兄弟でアマチュア騎手王者のヘンリーとともに調教に騎乗している。さらに、土曜日に英国平地競馬のチャンピオンジョッキーに輝いた、まだ20歳のビリー・ロックネイン騎手もいる。
ロックネイン騎手は先日の取材で、「素晴らしい職場ですし、ジョージ(バウヒー調教師)は私たち全員に機会を与え、支えてくれました。今年これだけの結果を残せたことは、チームにとって本当に素晴らしいことです」とIdol Horseに語った。
ジャック・カランはその環境で成長を続けている。それでも、自分とバウヒー厩舎が成し遂げた一年を思うと、今なお夢ではないかと頬をつねりたくなる。
見習い騎手王座の対象期間では54勝を挙げ、2位に15勝差をつけた。年間ではすでに63勝に達し、今も数字を伸ばしている。
兄弟は5勝を挙げてアマチュア騎手チャンピオンを手中に収め、ロックネインは159勝でチャンピオンジョッキーの座を獲得。年間通算ではすでに223勝を挙げている。バウヒー厩舎は80勝を記録し、そのうち4勝は英2000ギニーを含むG1での勝利だった。
「信じられないほどの一年です。それに、今年のバウヒー厩舎を代表する馬はボウエコーですから、厩舎にとって驚異的な一年になりました」
「チーム全体が好調なのは本当にうれしいです。私たちは密に連携し、同じ馬たちの調教に乗って、厩舎全体のためになるよう意見を伝え合っています。この上昇傾向を続けていきたいですね」
「厩舎全体ができるだけうまく回るよう、全員でできることをすべてやっています」
ジャック・カランは生まれた時から競馬とともに生きてきた。少年時代を香港で過ごし、バリアトライアルへ足を運び、父の調教騎乗を見てきた経験が、競馬への深い情熱と騎手になる決意を育んだ。そして父から助言を受けられることも、大きな支えとなっている。
「それがどれほど恵まれたことか、よく分かっています。父がいてくれることに心から感謝していますし、父が経験してきたすべてから学べることにも感謝しています」とジャック・カランは語った。
「父は1999年だったか、そのあたりに見習い騎手王者になりました。競馬界で考えられることは、ほとんどすべて経験してきた人です」
「父の時代から競馬は変わっているので、今とは少し違います。もちろん自分の道は自分で切り開かなければなりませんが、必要な時にいつでも父がいてくれるのは心強いです」
ジャック・カランはこの日、ニューカッスル開催で2勝を挙げ、競馬場を後にした。ネパールも後方から追い上げる競馬となったが、パトロールの時より早めに進出した。残り1ハロンで先頭に立つと、オッズ19倍で1馬身3/4差の勝利を収めた。
見習い騎手王者の座を手にした今、その大切な功績もジャック・カランにとってはすでに過去のものだ。ここから前進し、成長を続けなければならないことを理解している。
見習い期間を終えたばかりの若手騎手は、多くが成績の落ち込みに直面する。それを避けるには、懸命に働き、高速道路を何マイルも走り、さらに勝利を積み重ねる必要がある。
「アスリートなら、いつだって今の自分以上を求めるものです。これで十分ということはありません」とジャック・カランは話す。「今年の経験から学び、来年へ向けて改善すべきことがあります。このまま上昇傾向を続けていければと思います」
「今季は少し焦ってしまった時期もありました。なかなか勝てない時期があったり、騎乗停止が重なったりして、気持ちが少し浮ついていたんです」
「でも、素晴らしいエージェントのトニー・ハインド氏と父(ニール・カラン騎手)が、いつも自分を落ち着かせてくれます。『リラックスしていれば、いずれ結果はついてくる』と言ってくれるんです」
将来の目標には、いつかロックネインに続いてチャンピオンジョッキーになることも含まれている。父が2005年と2007年のタイトル争いでいずれも2位に終わり、あと一歩で届かなかった座だ。
だが、その前に待っているのは厳しい冬競馬での戦いである。そこで人脈を築き、支援を得ることで、来年はさらなる成功を収め、次の段階へ進みたいと考えている。
「今の心構えは、とにかく脇目も振らず、できるだけ多くの勝ち星を挙げることです」
「そして楽しみ続けること。それも何より大切です。結局のところ、これはずっとやりたかったことですし、自分の仕事が大好きです」
「だから、一歩引いて外から眺めてみると、本当に驚異的な一年でした。自分が掲げた目標をすべて上回ることができました。そこまでできたのですから、感謝しなければなりません」