ロマンチックウォリアーは今、キャリアの終盤に差し掛かりつつある。しかし、昨シーズンは地元香港で無敗を貫いた。馬主のピーター・ラウ(劉栢輝)氏は、この偉大な王者を最後にもう一度、海外へ送り出すことを検討している。
目標は、来年2月にリヤドで行われるG1・サウジカップ。ロマンチックウォリアーにとっては、勝利を逃した忘れがたい一戦だ。
ただし、まずは直近の目標が最優先となる。現在8歳で、高額賞金を誇るサウジカップの開催時には9歳を迎えるロマンチックウォリアーにとって、12月の香港国際競走に組まれる香港カップで、前人未踏の5連覇を成し遂げることが第一の目標となる。
ラウ氏がIdol Horseの取材に語ったところによると、G1・香港カップまでに前哨戦を1戦挟む可能性が高い。最有力候補は、11月中旬にシャティン競馬場で行われるG2・ジョッキークラブカップだ。距離は香港カップと同じ2000mとなる。
ラウ氏はロマンチックウォリアーの動向について、「病気や故障などがない限り、現時点で考えているのは12月の香港カップまで。そこへ向けて、事前に1戦使うかもしれません」と説明した。
「香港カップでの走りを見て、以前のような力がないことが明らかになれば、そのレース後に引退させるかもしれません。しかし、そこで勝てたなら、最後の海外遠征としてサウジカップに出走させることも検討するかもしれません」

ロマンチックウォリアーは、類いまれな戦績によって競馬史に残る名馬の一頭となった。
アイルランド産の騸馬で、獲得賞金は2億8870万香港ドル(約59億円)に達し、世界の競走馬で歴代最高となっている。香港年度代表馬に2度選ばれ、史上3頭しかいない香港三冠馬の一頭でもある。
これまでに通算31戦24勝を挙げており、海外でも豪州のG1・コックスプレート、日本のG1・安田記念、ドバイのG1・ジェベルハッタを制している。
一方、ロマンチックウォリアーは、今世紀屈指の名勝負となった2025年のサウジカップで、日本馬のフォーエバーヤングに敗れて2着となったことも記憶に新しい。
ダニー・シャム調教師が管理するスーパースターは、キャリアで初めて、そして現在まで唯一となるダート戦に、主戦のジェームズ・マクドナルド騎手とのコンビで臨んだ。最終コーナーを外々で回り、リヤドの直線で力強く先頭に立ったものの、ゴール寸前で日本のダート王、フォーエバーヤングに差し返された。
ロマンチックウォリアーは今年初め、再挑戦のため再びリヤドへ向かう可能性もあった。しかし、故障によって前年夏に手術を受けたため、ラウ氏とシャム師は香港国内にとどめることを選択。その結果、2025/2026年シーズンを無傷の6戦6勝で終えた。
「前回のサウジカップでの走りを見ると、芝よりもダートのほうが強い馬なのかもしれないとも思えます」とラウ氏は説明する。「5頭分外を回り、世界最高のダート馬には敗れましたが、3着馬には10馬身差をつけました」
「ですから、今の力を維持していることが確認でき、健康面にも問題がなければ、サウジカップを目指すのが私たちのプランです」
ロマンチックウォリアーは6月下旬、香港ジョッキークラブの従化トレーニングセンターへ移動し、7月10日にシャティンへ戻るまでは、毎日プール調教のみを行っていた。その後は記録上、12日間にわたってすべての運動を休み、7月27日に調教を再開した。それ以降は、新シーズンへ向けて速歩とプール調教を重ね、コンディションを高めている。