リッキー・イウ調教師は、G2・ジョッキークラブカップ(2000m)でヴォイッジバブルがロマンチックウォリアーに為す術なく敗れたことを受けて、12月の香港国際競走ではマイル戦に距離を戻すかどうかを検討していると述べた。
日曜日、香港カップ前哨戦での両雄対決は注目を集めたものの、香港三冠馬のヴォイッジバブルは復帰初戦のロマンチックウォリアーに抵抗することができず、ダニー・シャム厩舎のスーパースターに1馬身半差の敗北を喫する2着に終わった。
レースはヴォイッジバブルがハナを切った一方、鞍上のザック・パートン騎手が極端なスローペースに落とし込んだため、後半の末脚勝負が決め手となる展開に。最初の1200mは、標準タイムよりおよそ30馬身も遅い流れだった。
イウ師はIdol Horseの取材に対し、「良い走りはしてくれました」とレースを振り返る。
「もともとは逃げるつもりはなかったのですが、誰も行かなかったので前に出て逃げる形になりました」
「ペースはとても遅く、そのスローな流れがロマンチックウォリアーにはプラスに働いたと思います。それでも、いろいろな状況を踏まえれば、ヴォイッジバブルは十分に良いレースをしてくれました」

このレースでは、5着に入ったバンドルアワードが、今季のシャティン競馬場での上がり2ハロン最速となる21.4秒をマーク。ロマンチックウォリアーは驚異の21.73秒、ヴォイッジバブルも22.04秒でラスト400mを駆け抜けた。
同じ日のG2・ジョッキークラブスプリント(1200m)では、カーインライジングが最後の2ハロンで22.02秒を叩き出しており、短距離戦と比較しても遜色ない末脚勝負となった。
この日のシャティン競馬場ではG2レースが3鞍行われ、香港マイル前哨戦のG2・ジョッキークラブマイルでは、ピエール・ン厩舎のギャラクシーパッチが接戦を制して勝利。断然人気に推されたマイウィッシュは4着に敗れた。
マイル路線の注目馬が敗れた一戦と、ヴォイッジバブルがロマンチックウォリアーに敗れた一戦が重なったことで、イウ師は来月の香港国際競走に向けたプランを再検討する方向に傾いている。
当初、ヴォイッジバブルは香港カップに向かう方針だったが、調教師は香港マイルへの路線変更の可能性について、関係者と協議すると述べた。
「先々を考えると、オーナーと話し合うつもりです。今は選択肢がありますから」とイウ師は話す。
また、ヴォイッジバブルを当初予定していた香港カップに加え、昨年制した香港マイルにも登録する予定であると調教師は明かした。
「香港ヴァーズには登録していませんが、マイルと2000m(香港カップ)には登録します。そこからどうするかは、話し合って決めるつもりです」
「ロマンチックウォリアーが非常に手強い相手であることは承知の上ですが、どちらのレースに向かうかを最終的な判断を下す前に、オーナーと今一度相談してから決めるつもりです」
関係者によれば、香港ジョッキークラブが水曜日に発表する出走予定馬の中で、ヴォイッジバブルは両方のレースに名を連ねる可能性があるという。