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先週土曜のサウジカップではフォーエバーヤングが結果を出し、注目は来月のドバイへ移る。しかし、フォーエバーヤングを別格とすれば、サウジカップデーでの日本勢の内容はやや物足りず、ドバイでは巻き返しが求められる。

敗れはしたものの、日本勢で最も目を引いたのはG3・サウジダービーのサトノボヤージュだった。道中は戸崎圭太騎手を背に気持ち良く運んだものの、スタミナの壁にぶつかったのか、直線で脚が鈍って失速。結果は3着に敗れた。

勝ち切れなかったことで、サトノボヤージュのケンタッキーダービー挑戦の構想は一旦見直しとなった。だが、来月のメイダンで行われるG2・UAEダービーを見据えるパイロマンサーの陣営は今もその夢を追い続けている。

パイロマンサーはサウジには遠征していないが、吉村圭司調教師は現地にいた。リヤドの競馬場でIdol Horseの取材に応じ、無敗の同馬が週内に栗東トレーニングセンターへ戻り、ドバイへ向けた準備を進める予定だと明かした。

「放牧から戻して厩舎で仕上げます」と吉村師。UAEダービーからケンタッキーダービーへ転戦、という道筋を描いていることを明かした。

そのローテは2年前、フォーエバーヤングが歩んだルートでもある。UAEダービーを勝利し、チャーチルダウンズ競馬場のケンタッキーダービーでは3着に入った。

「UAEダービーからケンタッキーダービーへつなげられるかは、自信を持って言えるものではありません」と吉村師は語る。「とにかくUAEダービーにまずは集中して、彼のパフォーマンスを発揮できるように、いい結果出るように、それがつながっていけばと思います」

パイロマンサーは日本で3戦3勝。フォーエバーヤングが初のサウジ遠征へ向かった時と同じく、無敗のまま海外初挑戦へ踏み出すことになる。ゴドルフィンの自家生産馬である同馬は、昨年10月に京都で新馬勝ちを飾り、3戦目に川崎のJpn1・全日本2歳優駿を制した。

「国内の走りを見ても、まだあの馬は底を見せていないと思っています」と吉村師は続けた。

岩田望来騎手は、パイロマンサーがドバイでも通用すると見ている。そして自身もまた、世界を意識している。

Idol Horseの取材に対し、岩田望来騎手は「川崎では初めてのナイターで少し戸惑うところもありましたが、普段はとても乗りやすい馬です」と語った。

「ドバイも合うと思いますし、距離も問題ないはずです。日本での3戦は教育の一環で走り方を変えてきました。そのぶん対応力があることも分かっています」

Mirai Iwata wins the Hanshin Juvenile Fillies
MIRAI IWATA / G1 Hanshin Juvenile Fillies // Kyoto /// 2024 //// Photo by Hiroki Yamanaka

岩田望来騎手の父は、ロードカナロアの主戦騎手として知られる岩田康誠騎手。25歳の岩田望来は近年、自身の引き出しも広げてきた。

夏場にはフランスと英国で経験を積み、2年前の夏はフランスで6鞍に騎乗して1勝。昨夏は英国のニューマーケットにあるウィリアム・ハガス厩舎で修行し、シャーガーカップにも参戦した。

「ハガス厩舎の主戦騎手であるトム・マーカンドが日本で騎乗していたので、昨夏イギリスへ行く相談をして、助けてもらいました」と岩田騎手。「英語が得意ではないので大変でしたが、とても良い経験でしたし、楽しかったです」

「海外の関係者から騎乗依頼をもらえるようになりたいですし、日本馬が海外へ行く時にも乗りたい。国際的な騎手になるため、技術と経験をもっと高めていきたいです」

一方の戸崎騎手は、来月のG1・ドバイシーマクラシックでダノンデサイルとともに連覇を狙う。前走の有馬記念ではレガレイラではなく、2024年日本ダービー馬のダノンデサイルを選択して3着。11月のジャパンカップと同じ着順だった。

「ドバイシーマクラシックのダノンデサイルは本当に強かった。なので乗りたかったし、有馬記念でも同じ強さを期待していました」と戸崎騎手はIdol Horseに話す。

「でもまだ子どもっぽいところを見せてしまいました」

その「幼さ」は昨年8月、英ヨーク競馬場のG1・インターナショナルステークスで5着に敗れた時にも表れていた。戸崎騎手によれば、5歳になった今もまだ成長し切れていないという。

「ヨークではテンションが高すぎて、力を出し切れませんでした。ただ、その後は実戦を重ねて良くなってきています。ジャパンカップも良い走りでしたが、カランダガンが本当に強かったです」と戸崎騎手。

「ドバイで勝った時は幼さを見せませんでした。でも乗る時は、普段の振る舞いに気を配りながら対応しています。まだ子どもっぽいので」

1999年2月16日、米フェアグラウンズ競馬場でジュリー・クローン騎手が通算3500勝を達成。女性騎手として史上初の快挙を成し遂げた。

Jockey Julie Krone
JULIE KRONE / Photo by Shaun Botterill/Allsport

2018年2月18日、ボブ・バファート厩舎のジャスティファイが、サンタアニタ競馬場の7ハロン戦でデビュー。単勝オッズ1.5倍の1番人気に支持され、9馬身1/2差の圧勝だった。

その後、ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークスを制して三冠を達成。3歳デビューでケンタッキーダービーを勝った馬としては、1882年のアポロ以来となった。

オービーは1904年2月22日生まれ。フレッド・マッケイブ調教師の管理馬として1907年に英エプソムのダービーを制し、アイルランド調教馬として史上初の英ダービー制覇を達成。さらに英ダービーと愛ダービーの連覇(ダービーダブル)を史上初めて成し遂げた馬でもある。

1969年2月22日、米ウェストバージニア州チャールズタウンで歴史が動いた。バーバラ・ジョー・ルービン騎手が、米国のパリミュチュエル方式のレースで女性騎手として初勝利を挙げた。騎乗馬はコヒージョンだった。

落馬事故での大怪我から復帰したヴィンセント・ホー騎手が、再起という選択への「証明」、そしてリトルパラダイスとゴールデンシックスティの比較について、Idol Horseのデイヴィッド・モーガン記者に率直に語った。

先週のアジア競馬会議で壇上で存在感を示したウインフリート・エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏。アジア競馬連盟の会長としての役割だけでなく、昨年9月にIdol Horseのアダム・ペンギリー記者へ語った、鋭い問題提起も改めて読んでおきたい。

土曜の豪G1・ライトニングステークスで、ゴドルフィンのテンティリスはダミアン・レーン騎手を背に、最後方から一気に突き抜ける圧巻の勝利を挙げた。その1年前、同じ開催のカードで同馬は、リステッドのタリンダートステークスを制している。

そして今年もまた「2年連続」を思わせる気配がある。土曜のタリンダートステークスを勝ったハードキックが、実に印象的だった。前で流れに乗り、残り300mでレーン騎手が加速を促すと、馬名どおりの鋭い反応。数完歩で後続を置き去りにし、ゴール前は流す余裕すら見せて、3馬身近い差をつけて押し切った。

ベン、ウィル、JD・ヘイズ調教師が管理するハードキックは、デビュー前のバリアトライアル3本もすべて1着。今週土曜には注目の2歳G1、昨年テンティリスが2着だったブルーダイヤモンドステークスが行われるが、ハードキックはそこには出走しない。

しかし、そう遠くない将来にトップレベルで戦っているはずだという期待を持たせる走りだった。

クイーンズシルバージュビリーカップ
シャティン(香港)、2月22日

日曜の主役はカーインライジングだ。18連勝がかかる一戦で、オッズは圧倒的な支持を集める見込みとなっている。

現在、香港国内の連勝記録ではサイレントウィットネスと並んでいる。カーインライジングは昨年この1400m戦を制し、その後は豪州のG1・ジ・エベレスト制覇によって、世界最高峰のスプリンターであることを証明した。

今回も相手はおなじみの顔ぶれで、ヘリオスエクスプレスや元短距離王者のラッキースワイネスらが立ちはだかる。それでも敗れれば大波乱だろう。

ベリーエレガントステークス(旧名チッピングノートンステークス)
ランドウィック(オーストラリア)、2月28日

豪州の新星牝馬・オータムグローは、先週土曜のG2・アポロステークスを楽勝し、無敗を9連勝に伸ばした。この内容なら目標としてきたベリーエレガントステークスへ向けても視界良好だ。

4歳馬がここを勝てば、近年の名牝ヴィアシスティーナ、ベリーエレガント、そして最強牝馬のウィンクスに続く存在となる。

オーストラリアンギニー
フレミントン(オーストラリア)、2月28日

G1・ヴィクトリアダービー馬のオブザーバーは、2月7日のG2・オータムステークスを始動戦で勝利し、オーストラリアンギニーの前売りで主役候補に立つ。

ただし、キアロン・マー厩舎の同馬の前には、先週土曜のG3・CSヘイズステークスを制したクリス・ウォーラー厩舎のシックスティーズが立ちはだかる。

ドバイスーパーサタデー
メイダン(UAE)、2月28日

G1・ドバイワールドカップへ向けた前哨戦、G2・アルマクトゥームクラシックの鍵を握るのはブパット・シーマー調教師かもしれない。陣営は有力候補を2頭擁立。2024年ドバイワールドカップ覇者のローレルリバーと、前走でG1・アルマクトゥームチャレンジを制したインペリアルエンペラーだ。

香港ゴールドカップ
シャティン(香港)、3月1日

ロマンチックウォリアーは、香港三冠完全制覇へ向けて順調に歩みを進めている。前走のマイル戦、G1・スチュワーズカップでは、昨年のトリプルクラウン覇者ヴォイッジバブルを下した。

今回は2000m、距離面でもロマンチックウォリアーのホームと言える条件で、再びヴォイッジバブルと対戦する。三冠最終戦は5月のG1・チャンピオンズ&チャターカップ(2400m)だ。

なお、ロマンチックウォリアーは勝てば2024年以来の同レース制覇となる。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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