ブリーダーズカップとメルボルンカップカーニバルという、世界を代表するレースの開催が今週末、競馬ファンを魅了する。
最も大きな注目のひとつは、エイダン・オブライエン調教師による年間G1勝利数の記録更新だ。オブライエン師は2017年、1年間にG1を28レースを制してその記録を打ち立てており、今年は現時点で25勝に到達している。
オブライエン師はまた、通算G1勝利数でも他の調教師より11勝も多い数字を挙げており、最も近いライバルはクリス・ウォーラー調教師だ。両師は、太平洋の両側でそれぞれ自身の数字をさらに積み上げるチャンスを得ることになる。
では、2025年のここまでで、他にG1戦線の主役となったのは誰か。
日曜日の時点で、今年の世界のG1レース439競走のうち367競走がすでに行われており、今後これら2つの開催が終わる頃には、その数は399に達する見込みだ。
これまでに行われた367のG1競走は、6大陸18カ国、69の競馬場で施行された。勝ったのは302頭の馬で、その生産国は15カ国、父となった種牡馬は199頭に及ぶ。勝利ジョッキーは150人、勝利調教師は179人にのぼる。
コックスプレートでのヴィアシスティーナの勝利は、少なくとも勝利数という観点では、彼女を世界のG1ウィナーの頂点へと押し上げた。
今年のG1勝利はこれで5勝目となり、ジ・エベレストを制した香港のカーインライジングに1勝差をつける形になっている。一方で、3勝を挙げた馬は10頭が同数で並んでいる。
ヴィアシスティーナは、メルボルンカップカーニバル最終日のVRCチャンピオンズステークスで、その数字を6勝に伸ばす可能性がある。
一方、主戦であるジェームズ・マクドナルド騎手は、2年連続、そして過去4年で3度目となる“ワールドベストジョッキー”に選出される見込みだ。このタイトルは、世界の主要G1レース上位100競走のみを対象に決まるものだが、マクドナルドは量・質の両面で首位に立っている。
マクドナルドはこれまでにG1で15勝を挙げており、負傷離脱中のライアン・ムーア騎手に2勝差、ウィリアム・ビュイック騎手に4勝差、クリストフ・スミヨン騎手とフラヴィアン・プラ騎手に5勝差をつけている。
ダミアン・レーン騎手とジョン・ヴェラスケス騎手はいずれも9勝で、今週末はそれぞれ日本とアメリカ合衆国で騎乗したのち、メルボルンカップでマクドナルドと対戦する予定だ。7勝のジョアン・モレイラ騎手もそこに加わる可能性がある。
メルボルンカップの前に、マクドナルドはヴィクトリアダービーデーに行われる3つのG1レースには騎乗しない予定で、その代わりにシドニーで行われるゴールデンイーグルに回る。ゴールデンイーグルは、おそらくオーストラリアのレースの中で唯一、G1へ格上げされるべきと胸を張って言える競走だろう。
ブリーダーズカップは、サラブレッド生産の世界において、アメリカとアイルランドのどちらが頂点に立つのかを大きく左右する開催となる。その意味では、ブリーダーズカップは自らがワールドチャンピオンシップと称するにふさわしいイベントであると言える。
現在までに、アメリカ生産馬は59頭の異なるG1ウィナーを送り出し、これらが合計73のG1レースを制している。
アイルランド生産馬は52頭のG1馬を輩出し、それらの馬が合わせて71の大レースを勝っている。
これら大きな2開催は、世界のリーディングG1サイアーを決定づける戦いにもなる。
おそらく筆頭候補はウートンバセットだ。彼は先月、不慮の死によってこの世を去り、クールモアは大きな痛手を被ったが、それでもなお、彼の産駒は9頭がG1を制し、その合計勝利数は11に到達している。
ドバウィとフランケルはいずれも6頭のG1馬を送り出しており、イントゥミスチーフはナイトオブサンダーやスニッツェルと並んで5頭のG1馬を送り出している。ただし、イントゥミスチーフ産駒は、ソヴリンティを筆頭に、これまで合計9つのG1勝利を積み上げている。
ウートンバセットがイントゥミスチーフに対して優位を保ちそうなのは、ブリーダーズカップに加えて、メルボルンカップカーニバルでも有力馬を送り込む点にある。
たとえば、メルボルンカップのアルリファーやプレサージュノクターン、クールモアスタッドステークスのガロネロ、ヴィクトリアダービーのプロヴィデンスといった精鋭が、豪州のG1レースに出走を予定している。

 
                    
                 
                             
     
     
                                     
                                                                             
                                                                            