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今年の日本ダービーを制した斉藤崇史厩舎のクロワデュノールが、登録のある10月のG1・凱旋門賞に参戦することがサンデーレーシングから発表された。また、その前哨戦としてG3・プランスドランジュ賞を使う予定であることも明かされた。

同年の日本ダービー馬が凱旋門賞に挑戦したケースは、過去に3頭のみ。キズナ(2013年・4着)、マカヒキ(2016年・14着)、ドウデュース(2022年・19着)に次ぐ4頭目のダービー馬として、クロワデュノールはフランスに渡ることになった。

また、サンデーレーシングは出資者への報告の中で、鞍上は引き続き北村友一騎手が務めることも合わせて発表。デビュー以来全てのレースで手綱を取っている相棒とともに、凱旋門賞に挑戦する。

クロワデュノールの陣営が前哨戦として選択したのは、G3・プランスドランジュ賞。9月14日にパリロンシャン競馬場で行われる2000m戦をステップレースとして選んだ。

昨年のプランスドランジュ賞を制した馬は、後にG1・プリンスオブウェールズステークスの勝ち馬となるオンブズマン。また、時には凱旋門賞の前哨戦として脚光を浴びることがあり、イヴァンジカ(1976年)、アレッジド(1978年)、そしてソーマレズ(1990年)など、5頭がこのレースを経由して凱旋門賞を制している。

なお、プランスドランジュ賞は1993年以降、3歳限定戦として組まれているが、今年からは古馬混合戦に戻して開催される予定だ。

日本馬にとって、このレースをステップに凱旋門賞へと向かうローテは異例だ。1985年、シリウスシンボリが出走した例が日本馬唯一の出走歴だが、同馬はその後、凱旋門賞ではなくG1・ロワイヤルオーク賞に出走している。

今年はフランス競馬の番組編成は大きく変更され、G2・ニエル賞、G2・フォワ賞、G1・ヴェルメイユ賞といった代表的な凱旋門賞の前哨戦は、例年よりも1週間早い9月7日に開催される予定となっている。

クロワデュノールは8月下旬に渡仏する予定と発表されており、斉藤崇史厩舎としては、2021年の凱旋門賞で7着に終わったクロノジェネシス以来、2頭目の凱旋門賞挑戦となる。

今年、凱旋門賞に遠征することが決まった日本馬はクロワデュノールが初。日本競馬にとって最難関の壁となっているこのレースには、今年6頭の日本馬が登録している。

同馬以外には、G1・有馬記念馬のレガレイラ、G1・天皇賞春で1着のヘデントールと2着のビザンチンドリーム、昨年の凱旋門賞12着のシンエンペラー、そして3歳馬のアロヒアリイが登録馬リストに名を連ねている。

ただし、クロワデュノールの凱旋門賞挑戦と同時に、レガレイラは凱旋門賞を回避することをサンデーレーシングは発表している。

その一方、サンデーレーシングはもう一頭の遠征馬として、アスコリピチェーノをフランスに送り込む予定だ。8月17日、ドーヴィル競馬場で行われるG1・ジャックルマロワ賞(1600m)に、クリストフ・ルメール騎手と共に挑戦する。

また、ヘデントールはヨーク競馬場のG1・インターナショナルステークスへの遠征を検討しており、参戦が実現すればダノンデサイルとの日本馬2頭での出走となる。秋の目標にはジャパンカップを見据えており、凱旋門賞は回避となる公算が大きい。

アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの副編集長。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。また、競馬以外の分野では、ナイン・ネットワークでオリンピック・パラリンピックのリサーチャーも務めた。

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