土曜日のG1・コックスプレート、日本のプログノーシスはオーストラリアのトップホースたちを大きく突き放し、ウィンクスのトラックレコードを0.6秒上回るタイムでゴール板を駆け抜けた。それでも勝利にはあと一歩届かず、再び世界の舞台で2着に甘んじる結果となり、レースを制したのは驚異的なパフォーマンスを見せたヴィアシスティーナだった。
オーストラリアの競馬ファンからも1番人気に支持されたプログノーシスは、リスグラシューに続く日本馬制覇の最有力候補だと見られていた。しかし、それはクリス・ウォーラー調教師とジェームズ・マクドナルド騎手の前に阻まれ、マクドナルドにとってはこれが記念すべきG1レース100勝となった。
また、アナモー、ロマンチックウォリアー、ヴィアシスティーナという3頭の異なる馬でコックスプレート3連覇を成し遂げた記録はマクドナルドで2人目であり、ブレント・トムソン騎手に肩を並べる快挙となった。
日本の競馬ファン、そしてプログノーシスを応援していたファンにとって、序盤の展開は期待が高まるものだった。
ジュリアン・ウェルシュ氏によるゲート特訓の成果もあり、プログノーシスは好スタートを切る。1周目の短い直線で先行争いに加わり、外からプライドオブジェニに競りかけると、内のロイヤルパトロネージを見ながら3番手で追走。これまでとは違い、先行策での競馬を展開した。
残り1200mの地点では、マイケル・ディー騎手がロイヤルパトロネージを抑え、プライドオブジェニが先頭に戻る。しかし、レーンはプライドオブジェニの大逃げを許さず、2馬身以内の位置をキープして追走させた。
プライドオブジェニが600m過ぎで手応えを失うと、プログノーシスは先頭に躍り出る。しかし、これまで後方7番手の位置にいたヴィアシスティーナが鞍上の合図に応えて急加速、プログノーシスはすぐさま先頭を奪われる形となった。
交わされてからも粘り強い走りを見せ、他の後続馬の追撃は凌ぎきったが、ヴィアシスティーナには8馬身差の2着。香港でロマンチックウォリアーに敗れたQE2世Cでの2着2回に続き、日本国外でのG1レース2着は3回目となった。
鞍上を務めたダミアン・レーン騎手も、世界トップクラスの走りを見せた勝ち馬のパフォーマンスにお手上げ状態だった。
「今日の彼女(勝ち馬)は強すぎました。プログノーシスは本当によく頑張ってくれて、これ以上ない走りでした。スタートも決まって、レース中も良かったです。コーナーの段階では勝つ自信を持って回ってこれましたが、今日のヴィアシスティーナは別格でした」
プログノーシスが12月のG1・香港カップ(2000m)に参戦した場合、ロマンチックウォリアーやヴィアシスティーナとの再戦が実現する可能性はある。