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ダミアン・レーン騎手はストライドの大きな日本馬がムーニーバレーに適応するために何が必要なのかを知っている。本番9日前にして、この独特なコースでのプログノーシスの馴致調教から自信を得たようだ。

レーン騎手は5年前に日本馬リスグラシューでコックスプレートを勝利しており、プログノーシスの充実した調教はその時と良い比較ができるとして、レース当日の好走につながるはずだと語った。

プログノーシスは後半1000mを1分04秒12で、400mを23.56秒でまとめる力強い調教を見せた。調教後の鞍上は次のように話した。

「彼はリスグラシューよりも少し強い調教をこなしました。彼女(リスグラシュー)はただ単にコースの下見といった感じでしたが、彼の場合は最後の200メートルでギアを上げるように指示が出ていました」

「コースに慣れて、最後の200メートルで脚を伸ばすために来たという感じですね。本当にうまくやってましたよ」

リスグラシューは2019年にライバルたちを圧倒した。プログノーシスはまだG1勝利こそないものの、2000mのG2レースで2勝し、G1レースで3回入着している。昨年のG1・天皇賞(秋)ではイクイノックスに次ぐ3着、そして春の香港開催では昨年のコックスプレート覇者、ロマンチックウォリアーに2年連続で2着に食い下がっている。

プログノーシスはコックスプレートでオーストラリアとニュージーランドの最高峰の中距離馬たちを打ち負かすだけでなく、ムーニーバレーの独特のコース形態も克服しなければならない。

このメルボルン独特の『受け皿』のような形状、短い周回コース(1805m)、傾斜のついたカーブ、そしてオーストラリアのレースで最も短いわずか173mの最終直線、それら全てが一つのチャレンジとなっている。

通常、左回りの高度に戦術的なレースでは、位置取りとペースのみならず、バランスも重要な要素となる。

レーン騎手は、リスグラシューが実際にはコックスプレート優勝時にムーニーバレーをうまくこなせなかったが、ただライバルたちに対して格の差があっただけだと述べた。

「レース中、彼女は実際それほど素晴らしかったわけではありません。コーナリングは上手くなかったです。ただ、彼女が対戦相手よりもはるかに優れていただけでした」

ムーニーバレーに馬が適応する上で、正しい脚さばき(この場合では左手前)での走り方が鍵となるが、レーン騎手は仮に馬がそれを正しくできたとしても、きつい曲線に対して過剰に軌道修正しようとして、内ラチの方に逸れる傾向があると語った。

「リスグラシューは片方の手綱だけで、レース中ほとんどの間、内に寄ろうとしていました。馬はバランスが少し崩れると、特に最終コーナーで、過剰に進路を補正してコーナーを曲がろうとします。だから彼女に合図を出したら、かなりひどく内に寄っていきました」

「馬が手前を間違えていると、通常外に逃げてしまうものです…でも彼女は逆で、過剰に補正しようとして内側を走っていました」

「今朝のプログノーシスは、手前替えがとても上手でした。非常に賢い馬だという印象を受けましたね。だからレース中にプレッシャーがかかっても、問題ないでしょう。彼はコースを上手くこなすと思います」

Lys Gracieux and Damian Lane win Cox Plate
LYS GRACIEUX, DAMIAN LANE / G1 Cox Plate // Moonee Valley /// 2019 //// Photo by Daniel Pockett

コックスプレートに出走予定のブロードサイディング、ヴィアシスティーナ、ドックランズもそれぞれムーニーバレーのコースで調教を行った。

ウェリビー競馬場を拠点としているプログノーシスは、10月22日(火)に開催される『ブレックファスト・ウィズ・ザ・ベスト』イベントのためにムーニーバレーに戻る予定はない。このイベントでは一部のコックスプレート出走馬が公開調教を行う。プログノーシスの調教師である中内田充正調教師はコックスプレートの前日にメルボルンに到着する予定だ。

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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