先週末、地元ブラジル開催のG1・ラテンアメリカ大賞でオバタイェを勝利に導いたジョアン・モレイラ騎手だが、感動の余韻に浸っている暇はない。シドニーのスプリングカーニバルでの騎乗が決まり、さらに今季後半には香港での短期騎乗の計画も依然として視野に入っている。
モレイラは、ゴールデンイーグルが開催される11月1日に、ロイヤルランドウィック競馬場で騎乗予定となっている。高額賞金のメインに乗るかは未確定ながら、同日午後に組まれた高額賞金の一般戦・ラッセルボールディングステークス(1300m)で、日本からの遠征するシュトラウスに騎乗することは決まっている。
モレイラは翌週もオーストラリアに滞在し、メルボルンカップに騎乗する可能性もあるが、こちらも未確定だ。そして彼は、今回オーストラリアへ向かう理由はシュトラウスだと語った。
「シュトラウスには以前に騎乗しています。それがまたオーストラリアへ行く理由です。ちょうど手が空いていましたし、それならば飛行機に乗って、遠征先に滞在して良い馬に騎乗するべきと考えました」
気性難を課題として抱える4歳馬のシュトラウスだが、モレイラは2歳時の2023年11月に騎乗している。そのとき3戦目でG2・東京スポーツ杯2歳ステークスを制し、キャリア初の重賞勝利を挙げた。
3歳以降のシュトラウスは苦戦が続き、今年ははここまで3走のみ。しかし、武井亮調教師の管理するこの牡馬は、今年初戦を勝利で飾ると、前走8月のG3・CBC賞では、近走好調のインビンシブルパパとジューンブレアに次ぐ3着と善戦した。
「前走は素晴らしかったですね。強いメンバー相手に良い競馬をしました」と “マジックマン” は語る。
「今回はメンバーがそこまで強くないかもしれません。あの距離のトップホースたちはちょうどジ・エベレストを走ったばかりですから、陣営はちょうど良い番組を見つけたのかもしれません。ここで一発あっても不思議ではありません」
「どんな相手と走るかはまだ分かりませんが、彼は今とても良い走りをしています。ベストを発揮できればチャンスはありますし、軽視は禁物だと思います」
「いい馬ですが、道中で引っ掛かる一面が少し目立つので、騎手や陣営が力を引き出し切るのがやや難しいタイプです。距離短縮が功を奏して本来の良さが出てきています」
一方で、モレイラは香港での短期免許も楽しみにしている。キャスパー・ファウンズ調教師は今季序盤、香港ジョッキークラブ(HKJC)に働きかけ、香港4度のリーディング騎手であるモレイラが年末の2か月間ライセンスを取得する案を打診したが、当時は騎手枠が埋まっていたため認められなかった。
それでも、モレイラはHKJCの関係者と連絡を取り合っており、彼が申請すれば、シーズン後半に短期免許での騎乗をクラブは歓迎する姿勢だという。
「あとはHKJC側のタイミング次第です。今季中に香港でまた乗れることを期待していますし、待ちきれません。みなさんには数多くの応援をいただいていますので、楽しみにしています」