BCに参戦する19頭の日本馬、一番のチャンスは?
デイヴィッド・モーガン: BCクラシックではフィアースネスやシティオブトロイといった強豪と対峙するという厳しい戦いが待ち受けているが、それでもフォーエバーヤングは日本勢の中でチャンスがあると思っています。
他の日本馬よりも、マイナス点が少ないです。海外実績、アメリカでの成績、前哨戦の勝ちっぷり、どれを取っても文句なしです。
アンドリュー・ホーキンス: BCジュヴェナイルフィリーズのアメリカンビキニです。距離自体は疑問ですが、前走は牡馬相手に良い走りを見せ、1000mの新馬戦でも良いスピードを見せていました。アメリカの2歳牝馬路線は手薄かもしれないので、チャンスは充分なのではないでしょうか。
フランク・チャン: BCスプリントのリメイクです。アメリカのスプリント路線は平年並みのレベルですが、リメイクはサウジと韓国で良い走りを見せてくれました。海外での安定感を考慮しても、やはり有力候補だと思います。
マサノブ・タカハシ: フォーエバーヤング…と言いたいところですが、BCジュヴェナイルターフスプリントのエコロジークの名前を挙げさせてください。この馬のスピードは一級品です。先行争いをできるだけのスピードがありますし、逃げ切りも夢じゃないと思います。
番狂わせを起こしそうな日本馬は?
デイヴィッド・モーガン: シャフリヤールは31ヶ月間も勝利から遠ざかっているので過小評価されがちかもしれませんが、BCターフ制覇に相応しい馬です。ドバイシーマクラシックの勝ち馬で、今年は2着でしたが、相手はレベルスロマンスでした。
今回はドバイとは違ったレースになると思いますが、昨年のBCターフでは最終コーナーで進路が塞がりながらも、3着まで追い上げました。5ヶ月の休み明けで3着に入った前走札幌での競馬もまだ余裕を残していました。
アンドリュー・ホーキンス: BCジュヴェナイルのシンビリーヴです。まだ1戦1勝馬ですが、前走は楽勝でした。今年は牝馬より牡馬の方がメンバーは揃っていますが、面白い存在だと思いますよ。
フランク・チャン: BCディスタフのオーサムリザルト。3歳女王のソーピードアンナ、最優秀古馬牝馬のイディオマティック、この2頭の一騎打ちに注目が集まっているレースですが、ソーピードアンナはかなり厳しい競馬を戦ってきました。
トラヴァーズSではフィアースネスと激闘を繰り広げ、前走のコティリオンSでは敗北寸前まで追い詰められました。一方、イディオマティックは昨年ほどの勢いはありません。この2頭が本調子ではない場合、無敗のジャスティファイ産駒であるオーサムリザルトが、マルシュロレーヌの再来になるかもしれません。
マサノブ・タカハシ: BCマイル、ジオグリフ。この馬の傾向を見ると、デルマーのような小回りコースは向いています。あまり目立つ存在ではありませんが、今年のレースはどれも安定した成績を残しています。しかし、『番狂わせ』という表現は適切ではないかもしれません。イクイノックスを破った馬だとバレてしまえば。
デルマーのBC24、今年の注目点は?
デイヴィッド・モーガン: メタマックスは有力馬というわけではないかもしれませんが、Cygamesがスポンサーを務めるBCスプリントに出走します。この馬のオーナーはサイバーエージェントの社長、藤田晋氏です。Cygamesとしては、この機を活かしてウマ娘の英語版配信日を発表するのでしょうか?今後の展開に注目ですね。
アンドリュー・ホーキンス: デルマーは独特なコースであり、特に内側の芝コースはタイトな小回りで、ヨーロッパ調教馬にとっては厳しい舞台です。過去2回のデルマー開催のうち、ヨーロッパ勢は芝の13レースで6勝していますが、内訳を見るとゴドルフィン5勝、クールモアが1勝です。日本勢も強力なので、今年はかなり苦戦するかもしれません。
フランク・チャン: 日本馬の多さも然る事ながら、特に2歳馬は数も質も優秀です。
マサノブ・タカハシ: BCクラシックに集まった、3頭のスーパースターに注目です。正直、過去の日本競馬の歴史を振り返っても、これほどの馬が3頭も同じ時代に存在したことはありませんでした。このドリームチームで勝てなければ、日本競馬界の夢は遠のいてしまうと思います。
ブリーダーズカップ終了後、どんなことが話題になりそう?
デイヴィッド・モーガン: もし勝てれば、日本馬の強さや日本血統のアメリカ競馬での活躍が話題になると思います。逆に勝てなければ、アウェイでアメリカ馬を倒すことの難しさが話題になるでしょう。同様に、シティオブトロイが勝てば、ジャスティファイの評判は大きく上がることになりますね。
アンドリュー・ホーキンス: 結果に関係なく、BCクラシックを走ったシティオブトロイは注目の的です。勝てばクールモアにとっては大金星、敗れても立派な走りを見せれば、芝ダート二刀流の名馬として賞賛を浴びることになると思います。
仮に惨敗で終わったとしても…まあ、2001年のBCクラシックで大敗したガリレオのことを考えれば、種牡馬価値には大きな影響は出ないでしょうね。
フランク・チャン: 日本馬たちが特にダートで好成績を収めた場合、アメリカの競馬界はその話題で持ちきりだと思います。
マサノブ・タカハシ: ブリーダーズカップの結果に関わらず、2歳馬を海外に遠征させるべきかは話題となるでしょう。フューチャースターズフライデー(1日目の2歳戦)の結果によって、日本競馬のトレンドが変わるかもしれません。
BC24、一番見たい『見出し』は?
デイヴィッド・モーガン: “海外遠征のパイオニア、森秀行調教師が悲願のブリーダーズカップ制覇”です。森調教師の長年に渡る海外経験、北米のセールでの投資を考えると、悲願の光景を見たいですね。
アンドリュー・ホーキンス: “欧米対決に割って入る、日本競馬”。ブリーダーズカップはまだ世界選手権ではないかもしれませんが、日本馬が対等な競争相手として割って入ることで、よりグローバルな戦いに近づくと思います。
フランク・チャン: “日本発のアメリカ血統、本場のアメリカ血統を撃破”
マサノブ・タカハシ: “デルマーの夜明け: チームジャパン、手ぶらでは帰国せず”