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デイヴィッド・モーガン

「グロリアス(輝かしい)」と称されるグッドウッド競馬場の真夏の5日間開催は、晴天ならばその名の通り華やいだ雰囲気に包まれるが、今週は雨予報もあり、英仏海峡から名物の海霧が吹き込めば馬場状態は読みにくいものとなりそうだ。

ただひとつ確かなのは、火曜日の開幕日が高いレベルを約束していることだ。難解なハンデ戦に加え、2歳馬によるG2・ヴィンテージステークス、G2・レノックスステークス、そして最大の注目となる、起伏に富んだ2マイルで行われるG1・グッドウッドカップといった重賞が組まれている。

イリノイは、アスコットのG1・ゴールドカップ(3990m)で2着からの直行でグッドウッドカップを制すれば、2011年のオピニオンポール以来の快挙となる。エイダン・オブライエン厩舎のこの牡馬は、アスコットでは手応えよく進んだものの、最後の400mでスタミナを欠いた。今回は、同じ厩舎の3歳馬スカンジナビアと対戦する。3歳馬には14ポンドの有利な斤量条件があるが、1990年以降、このレースを3歳で制したのはストラディバリウスのみだ。

36年前を振り返れば、ガイ・ハーウッド厩舎がサディーム、マッザカーノで連覇を達成した。現在そのハーウッドの旧拠点(グランディやダンシングブレーヴを輩出した名門)は、フランス人のダヴィッド・ムニュイジエ調教師が拠点としている。その管理馬サンウェイは昨年のG1・セントレジャーでの内容から見ても、イリノイにそう見劣りしないだろう。

イチオシ推奨馬:R2・10番ヴィンチェンツォペルージャ

アンドリュー・ホーキンス

今季の英国平地競馬で失望の一頭となっているのが、ウィリアム・ハガス厩舎のレイクフォレストだ。

昨年ゴールデンイーグルを制した際の出走20頭中上位11頭のうち8頭が、その後G1馬となっている(G1・クイーンエリザベス2世ジュビリーステークスを制したラザットも含まれる)ことからも、当時のレベルは証明済みだ。にもかかわらず、本馬自身はその後の仏英3戦で結果を残せていない。各敗戦には理由があるものの、その言い訳もそろそろ限界だ。

今後の2戦が今季の評価を決定づけるだろう。まずは火曜日のG2・レノックスステークス(7ハロン)で結果を出さなければならない。このレースは、来月のヨーク競馬場・イボアフェスティバルで初めてG1に昇格した7ハロン古馬混合戦・シティオブヨークステークスへの重要な前哨戦でもあるのだ。

今回のレノックスSでは、このレースを2度制した古豪キンロス、仏2000ギニーでアンリマティスにアタマ差と迫ったジョンキル、昨年の勝ち馬オーディエンス、そして一癖ある3歳馬ノーブルチャンピオンらと対戦する。レイクフォレストにとっては、力を示すための絶好の試金石となるだろう。

今こそ、レイクフォレストが立ち上がる時だ。

イチオシ推奨馬:R7・9番ダッシュオブアズール

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの副編集長。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。また、競馬以外の分野では、ナイン・ネットワークでオリンピック・パラリンピックのリサーチャーも務めた。

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