クリスチャン・デムーロは東京からサンディエゴへの長いフライト中、忘れられない週末を振り返る時間がたっぷりあるだろう。そしてブリーダーズカップでは、シャフリヤールとドンフランキーに騎乗予定のデムーロ。東京での大勝を胸に、今週末も華やかな一戦に挑む。
日本時間の土曜日、2年ぶりの日本での騎乗を果たしたデムーロは京都競馬場で2勝。その後、東京で迎えた日曜日には驚異の6勝を達成し、まさに圧巻のパフォーマンスを披露した。
土曜日京都の第4レースでヴィリアリートに騎乗し勝利したデムーロは、最終レースではヴィンテージボンド(7.8倍)で勝利。そして日曜日の東京では、短距離で断然人気馬だったクニノハッピーとダノンミッションでの勝利に始まり、巧みな戦術を駆使して7.8倍のチューラワンサを勝利へ導く。
さらに続く2歳新馬アマキヒ(母は牝馬三冠馬アパパネ)はリードを保ったまま力強く押し切った。そして次のレースは7.9倍のエヴァンスウィートで見事に連勝で締めくくった後、さらにミエスペランサで追い込み勝ち星を重ね、1日に6勝という偉業を成し遂げた。
「日本に戻れてとても嬉しかったし、土曜には2勝、4度の2着といい結果が出せた」とIdol Horseに語った32歳のデムーロ。なお、彼が日本での騎乗を控えていた理由の一つとして、2022年12月以来、累積した制裁点が多かったことも影響している。
「日曜日は本当に良かった。アマキヒはまだ若く前半は少しぎこちなかったが、思ったよりも完勝だった。騎乗機会5連勝で、9レースで1日に6勝目を達成できたのも、もちろんとても嬉しい!」
さらに、デムーロがチューラワンサで挙げた勝利はJRA通算200勝の記念すべき一戦でもあった。彼がJRAで初勝利を挙げたのは2012年1月14日、小倉競馬場の条件戦でシャイニーホークに騎乗してのこと。
それから多くの勝利を積み重ね、パリロンシャンの凱旋門賞でも2度のG1制覇を果たしたが、まだ手にしていないのがブリーダーズカップでの勝利。この週末にその壁を打ち破りたい考えだ。
「シャフリヤールに再び乗ります。今回は同馬が現地に先に渡っているので調整には関わっていないが、調教師からは状態が良いと聞いている。去年のような走りを期待したいね」とデムーロは語る。
昨年のブリーダーズカップ・ターフではシャフリヤールと共に3着の成績を収めているデムーロだが、今回は今年3月のドバイシーマクラシックで2着に敗れたライバル、レベルズロマンスとの再戦の場ともなる。シャフリヤールは8月の札幌記念で5着に敗れて以降、調整を重ねており、同馬に騎乗した武豊は最後はあまり追わずに次戦へつなげている。
6歳馬シャフリヤールは月曜朝にデルマー競馬場のダートコースで軽めの調教を行った。「1年前と同じ調子なら、対戦馬も昨年とほぼ同じ顔ぶれで勝ち馬だったオーギュストロダンは不在だから、似たような競馬ができるだろう。デルマーは小回りコースだから、うまく対応できればと期待している」
「スプリントではドンフランキーにも騎乗する予定なので、日本馬にとっても、また自分にとっても良い週末になることを願っている」