2022年にロイヤルアスコット初勝利を挙げて以来、ハンデ戦を中心に3勝を積み重ねてきたジョージ・バウヒー調教師。だが、今年はその上を狙う。目標は開幕日のG1・キングチャールズ3世ステークス、期待のビリービングでロイヤルアスコットでのG1初制覇を狙う。
ビリービングは4月、メイダンのG1・アルクオーツスプリントを制覇。これまでG1スプリント戦で6度の4着以内と安定した成績を残してきたが、ついに念願の頂点に立った一戦だった。このレースが、名門クールモアのデリック・スミス氏の紫の勝負服をまとっての初戦。昨年末、ハイクレアレーシングから移籍したばかりだった。
「クールモアがビリービングを購入した後も、我々のもとに預け続けてくれたことに本当に感謝しています」と、バウヒー調教師はIdol Horse Podcastでアンドリュー・ルジューンに語った。
「ドバイで次のレベルに押し上げるチャンスを与えてくれたことにも感謝しています。実際、メイダンでは良い状態に仕上がっていると感じていて、彼女は期待どおりの走りを見せてくれました。昨年のブリーダーズカップを直前で回避することになったシーズン終盤を思えば、非常にうれしい結果でした」
「今ではとても扱いやすい馬になっており、これはチーム全体の努力の賜物です。キングチャールズ3世Sを楽しみにしています。昨年は僅差の敗戦でしたし、今年は去年以上の出来ですからね」
昨年はロイヤルアスコットでG1・キングチャールズ3世SとG1・クイーンエリザベス2世ジュビリーステークスの2鞍に出走し、中3日で両G1に挑み、いずれも4着に食い込んだビリービング。しかし、今年は1戦に絞る方針だとバウヒー調教師は明かす。
「ジュビリーSにも登録だけはするかもしれません。もし何かアクシデントがあってキングチャールズに出られなかったときの保険としてね。でも、ずっと前から5ハロン戦を本線に考えてきましたし、今年は1回の出走で十分だと思っています」
今年のビリービングはハイクレアレーシングの勝負服での出走予定はないが、バウヒー厩舎としてはハリー・ハーバート氏が率いるハイクレアレーシングの馬を複数頭出走させる予定だ。
昨年のサンドリンガムハンデキャップ勝ち馬ソプラノは、G2・デュークオブケンブリッジステークスに出走予定。また、ケンジントンパレスハンデにはシックコロンビーヌ、G3・アルバニーステークスにはアウェイクンがスタンバイしている。
さらに、オーストラリアのファーストライトレーシングとクイーンズランド州のG1トレーナー、トニー・ゴラン調教師が所有するヘイトゥルーブルーが、G2・ノーフォークステークスに登録。開催を通して計11頭の出走候補を送り出す充実の布陣だ。
「ビリー・ロックネイン騎手がほとんどの馬に騎乗予定です。ビリービングには当然ライアン・ムーア騎手が騎乗しますし、ブリタニアSに出るエルブルハンにも乗ってもらいます。シャドウェル所有馬も1頭おり、こちらにはジム・クローリー騎手が騎乗予定です」