競馬場: 阪神競馬場
開催日: 4月12日
距離: 1600m
総賞金: 3億0380万0000円(約196万0000米ドル)
日本競馬のクラシックシーズンが始まる。先陣を切るのは3歳牝馬限定のG1・桜花賞、牝馬クラシックの第一冠を争う一戦だ。この先のシーズンに向け、世代の力関係を測る基準となるレースでもある。
歴代勝ち馬の顔ぶれは、当然ながら実に豪華だ。その中には後に優駿牝馬を制した馬が17頭いる。
さらに、桜花賞、優駿牝馬、秋華賞の三冠体制となってから牝馬三冠を達成したのは、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドの6頭。エリザベス女王杯が最終戦だった時代までさかのぼれば、1986年のメジロラモーヌが最初の牝馬三冠馬となった。
現役騎手では、武豊騎手が桜花賞5勝、川田将雅騎手が3勝、岩田康誠騎手が2勝、ジョアン・モレイラ騎手が2勝、クリストフ・ルメール騎手も2勝を挙げている。
ノームコアの夢を叶えるか、ドリームコア
ノームコアは3歳だった2018年、前哨戦のフラワーカップで3着に入ったものの桜花賞には出走できず、代わりにオークスへのステップレースであるフローラステークスへ進み、そこでも3着だった。
結局、クラシックには一度も出走できなかっただけに、その無念を娘のドリームコアが晴らせるかもしれない。
ノームコアがその後に残した実績は大きい。4歳時にG1・ヴィクトリアマイルを制し、5歳時にはキャリアの締めくくりを飾る形でG1・香港カップも勝った。
そのドリームコアは2歳時に3戦して2勝。年明け初戦となった今年2月14日のG3・クイーンカップでは、クリストフ・ルメール騎手を背に鮮やかに勝利した。桜花賞でも同騎手が騎乗する見込みだ。
今世紀、クイーンカップを勝ってから桜花賞も制した牝馬は、昨年のエンブロイダリーだけである。

武豊騎手、アランカールで久々の桜花賞制覇なるか
武豊騎手は桜花賞を5勝しているが、最後の勝利は22年前のダンスインザムードまでさかのぼる。日本競馬を代表する名手はいま、4年前にウォーターナビレラでハナ差2着だった一戦以来となる、大きな勝機を迎えているように見える。
今回その相棒となるのが、先月のG2・チューリップ賞で初めて騎乗し、3着に導いたアランカールだ。
アランカールは2歳時にデビューから2連勝。北村友一騎手とのコンビで臨んだ阪神ジュベナイルフィリーズでは1番人気に推されたが、スタート後に控えて、すぐに離れた最後方となったが、それでも大外を回って脚を伸ばし、5着まで押し上げた。
武豊騎手の起用がアランカールに違いを生み、騎手自身が20年以上遠ざかっている6度目の桜花賞制覇へと繋がるかもしれない。
阪神JFは桜花賞に繋がる一戦か?
昨年のG1・阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったのはスターアニスだった。レース名の通り、2歳牝馬の事実上の王者決定戦であり、毎年12月に阪神で行われる。同じく阪神のマイルで争われる4か月後の桜花賞へ向けた、重要なステップと見なされている。
では、阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬の桜花賞成績はどうか。
両レースが並び立つ1949年までさかのぼると、両方を勝った馬は7頭いる。最初の達成馬はミスオンワードで、1956年から1957年にかけてそれを成し遂げた。つまり、阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬の桜花賞勝率は9%という計算になる。
ただ、対象を今世紀に限ると様相はかなり違う。2001年のテイエムオーシャン以降、過去25回の桜花賞でこのダブルを達成した馬は6頭おり、勝率は20%まで上がる。直近の達成馬は2023年のリバティアイランドだ。
ならば、2歳女王決定戦を1馬身1/4差で鮮やかに制したスターアニスにも、その順番が巡ってきたのかもしれない。
阪神JF組のその後は?
スターアニスは年明け初戦で桜花賞に向かうが、その不在の間にも阪神ジュベナイルフィリーズ組は結果を残している。
前述の通り、アランカールはチューリップ賞で3着。勝ち馬のタイセイボーグは阪神ジュベナイルフィリーズで3着だったが、そのタイセイボーグは桜花賞のメンバーに入っていない。
昨年12月の阪神ジュベナイルフィリーズで4着だったスウィートハピネスは、その後リステッドのエルフィンステークスを勝った。
一方で、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬のギャラボーグは、前走のクイーンカップでドリームコアの9着に敗れた。さらに同7着だったショウナンカリスも、その後のG2・フィリーズレビューではギリーズボールの8着に終わっている。
前哨戦組か、直行組か
2001年以降、年明け初戦で桜花賞を勝った馬は4頭いる。そのうち3頭はグランアレグリア、リバティアイランド、ソダシという特別な才能だった。残る1頭はステレンボッシュである。
同じ期間に、前哨戦を1戦使って勝った馬は10頭、2戦使って勝った馬も10頭。4戦を使い、桜花賞も勝ち切ったのは、キストゥヘヴンただ1頭のみ。そのキストゥヘヴンは未勝利戦で2連敗の後に初勝利を挙げ、フラワーカップも勝って、目覚ましい成長曲線で桜花賞まで制した。
前哨戦を1戦使って桜花賞を勝った10頭のうち、7頭はその前哨戦も勝っていた。エンブロイダリー(クイーンカップ)、デアリングタクト(エルフィンステークス)、アーモンドアイ(シンザン記念)、ハープスター(チューリップ賞)、ブエナビスタ(チューリップ賞)、ラインクラフト(フィリーズレビュー)、テイエムオーシャン(チューリップ賞)がそれに当たる。
さらに、チューリップ賞を勝って本番も制した3頭を含め、同レースで3着以内に入りながら桜花賞を勝った馬は計9頭。改めて見直すべき重要な前哨戦であることは明らかだ。
ただ、年明け初戦組に話を戻すと、前哨戦なしで桜花賞を勝った4頭はいずれも直近7回のうちに出ている。この期間の勝率は57%に達しており、近年は直行組が強い傾向にある。スターアニスの動向は目を離せない。