ロンジン・香港インターナショナルホースショーが、2026年1月30日から2月1日まで、アジアワールド・エキスポで開催される。香港競馬の一流ジョッキーも今回は勝負ではなく、純粋な敬意を胸に、スタンドから競技を見守る予定だ。
ヴィンセント・ホー(チャクイウ・ホー)騎手は、最も活躍した地元出身騎手に贈られるトニー・クルーズ賞を4度受賞し、G1ジョッキーとして活躍してきた。ゴールデンシックスティの長年のパートナーでもある彼は、今回はスタンドでひとりのファンとして、今の自分を形作ってきた競技を楽しむ。
ホーにとって馬術は、物珍しさでも目新しさでもない。自分自身の礎の一部だ。
10代の頃、目覚ましい成功を収める競馬のキャリアへと踏み出す前に話は遡る。ホーは2年間、馬術競技でトレーニングを積んでいた。障害飛越を学び、同じく馬を中心にしながらも、まったく異なる哲学で動く馬術の世界に没頭していた。
「馬術の世界は別のスポーツです。馬は同じでも、品種からして違います。ウォームブラッド(温血種)についての知識は、サラブレッドについて私たちが持っているものよりも、馬術選手たちの方が上です。馬術の選手は何年もかけて、自分の馬を育てますから」とホーは言う。
その違いこそが、馬術が彼の敬意を集める理由の核心だとホーは説明する。
「ジョッキーは乗る役、調教師は調教する役と分担されています。でも馬術の選手は、その両方をやります。いろいろな意味で、はるかに技術的です」とホーは続ける。
競馬では、馬群の中で一瞬の判断が求められ、成功が本能、ペース、位置取りに支えられることも多いが、馬術の各競技は、選手と馬のあいだに、より深く、より親密な対話を要求する。そのコミュニケーションは、手綱や進行方向にとどまらず、バランス、脚の圧、リズム、そして“感覚”へと広がっていく。
「競馬、とくに香港競馬では、ペース配分と良い位置取りが重要です。周りで起きていることに集中して、電光石火の速さで反応することが必要です」とホーは競技性の違いを説明する。
「でも障害飛越の世界では、選手は馬に反応します。単に方向だけではなく、馬そのものに。手だけではなく、バランスと脚を使ってコミュニケーションするんです」
その繊細さが、彼をもっとも惹きつけている。
「空中で、瞬時に微調整をしなければならないんです。ただ座って跳んでいるわけではありません。そこには多くの努力と経験があります。馬への理解という点では、馬術の方が深いです」


ホーの敬意は机上のものではない。彼は今も、負傷からのリハビリの最中にある。馬術的な取り組みは、身体の回復にとっても、心を切り替える意味でも中心的な役割を担い続けている。
彼は定期的に北海道へ足を運ぶ。そこには、引退した名王者、ゴールデンシックスティが暮らしている。競馬の栄光とは別の場所で、新しい意味を帯びたパートナーシップだ。異なる状況であらためてゴールデンシックスティにまたがることで、ホーは馬術の基本にもう一度立ち返った。
「ノーザンホースパークに行くと、朝に彼に乗っているインストラクターが77歳なんです。私が着くと、その人はゴールデンシックスティで馬場馬術をしています」とホーは言う。
学びは続いている。そして、それは謙虚さも連れてくる。
「コースを暗記するのが好きじゃないんです」とホーは笑顔で話す。
「でも彼が教えてくれるんです。特に引退馬への向き合い方を。馬をきちんとウォーミングアップさせることは、彼から学びました。私にとって、そこへ行くことは大切です」
学ぶことへの開かれた姿勢は、経験とともにむしろ大きくなる。
「経験を積めば積むほど、学べることが増えます。終わりのないプロセスです。好奇心はいつも持ち続けています。馬を理解すること、乗ること、トレーニングすることだったり」
ホーは、競馬ファンにも、その心構えをロンジン・香港インターナショナルホースショーへ持ち込んでほしいと願っている。
大会は3日間。5つ星レベルの国際障害飛越競技、ジュニア世代の競技、引退競走馬を披露するミュージカルライド、そして馬を中心に据えた幅広いライフスタイル体験が並ぶ、一流の馬術スポーツの祭典となる。
とりわけ競馬ファンにとって、このショーは、違う視点を通じてホースマンシップを見る貴重な機会になるとホーは考えている。
「馬術競技の世界では、8歳や9歳でも若い馬と見なされます。馬は何年も経験を積みます。5つ星のレベルで障害が1.6メートルまで上がると、かなり難しくなります。コースはストライドの組み立てと意思決定を試してくる。選手が空中で調整する瞬間はきっと驚きだと思います」
身体的な負荷も桁違いだ。きついターン、素早い反応、精密なバランスが、最高峰では選手と馬の両方を試す。
「選手には優れた本能と、優れたタッチが必要です。きついターンでバランスを保つのは大変な努力が必要です。競技の面白いところです」とホーは言う。
香港が“午年”を迎え、この象徴的なイベントが再び開催される中で、ホーのメッセージはシンプルだ。興味を持って、来場し、じっくりと技術を味わってほしい。
「馬術を通じて学んできたことから、本当にたくさんの恩恵を受けました。見ているだけでも、私は学び続けています」と彼は言う。
600勝を挙げ、世界の舞台を制し、香港競馬でも屈指のパートナーシップを築いたジョッキーにとっても、その好奇心、そして馬への敬意は変わらない。
そしてアジアワールド・エキスポでの3日間、彼はまた学ぶ。ほかの皆と同じように。
