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イギリスのリチャード・キングスコート騎手が、新シーズンから香港競馬での騎乗を開始する。香港ジョッキークラブ(HKJC)の騎手ライセンスを新たに取得し、2025/26シーズン開幕から香港に拠点を移すことが決まった。

キングスコートの通年免許は7月17日に正式発行され、9月の第一週に開催される新シーズン開幕戦に先立って香港入りする予定となっている。なお、ライセンスの有効期間は2026年の2月17日までを予定している。

38歳のキングスコートは、この夏、母国のイギリスで好調を維持しており、先週のロイヤルアスコット開催ではハリー・ユースタス厩舎(香港のデヴィッド・ユースタス調教師の兄弟)の牝馬、タイムフォーサンダルズでG1・コモンウェルスカップを制覇。その5日前にはソールズベリー競馬場で3勝、その後のブライトン競馬場でも2勝を挙げている。

ロイヤルアスコットでの勝利後、キングスコートはITVのインタビューに対して「(香港での)騎乗機会は本当に幸運でした。依頼は突然舞い込んできたのですが、結果的には大正解でした」とコメント。香港での思い出を好意的に振り返っていた。

キングスコートは今年2月から4月にかけて、香港競馬の短期免許を取得して13開催に騎乗。ヴィンセント・ホー、ザック・パートン、アンガス・チャン、キース・ヤンらの負傷離脱でHKJCが騎手不足に苦しむ中、助っ人として駆けつけての緊急参戦だった。

最初の4開催はわずか6鞍しか騎乗できず、スロースタートの序盤となったが、それでも3月26日のシャティン開催では3戦3勝(うち1勝はユースタス厩舎の所属馬)の大活躍。短期免許最終日のレースでも、単勝12倍の騎乗馬を勝利に導いた。

キングスコートがこの短期間で挙げた4勝のうち、3勝はリッキー・イウ厩舎の所属馬での勝ち鞍。同厩舎での勝率は27%、3着以内率は63%と好相性を誇った。

また、全体の勝率も9.52%を記録し、この数字を上回るのは現在香港で騎乗する騎手の中では5人のみ。当初は厳しい戦いを余儀なくされたが、最終的には好成績を残すことに成功。初めての香港競馬を終えて帰国の途に就いたキングスコートは当時、次のように語っていた。

「ぜひまた戻ってきたいです。来シーズンもHKJCが声をかけてくれることを願っています」

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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