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カーインライジングのジ・エベレスト遠征まで、残り2ヶ月。月曜日、シャティン競馬場のダートトラックを駆け抜けた世界最高峰のスプリンターについて、鞍上のザック・パートン騎手は「より力強くなっていますね」と目を細めた。

カーインライジングは、4月のG1・チェアマンズスプリントプライズ(1200m)を完勝で締めくくって全8戦のシーズンを終えた後、オフシーズンとして中国本土にある従化トレセンへと放牧に出ていた。

新シーズンから年齢が5歳となるこの同馬は、9月7日のシャティン開催で行われるクラス1・香港特区行政長官盃(1200m)で今季初戦を迎える予定となっている。先週には、シャティンのデヴィッド・ヘイズ厩舎に戻り、月曜日には主戦騎手であるパートンと騎乗して馬場入りした。

帰厩後初の調教は、ラスト400mを流した程度の軽い追い切り。報道陣の取材に応じたパートンは、3か月間の従化トレセンでの休養を経て、カーインライジングがフィジカル面でも成長して帰ってきたと語った。

「状態は良く、少し力強くなった感じがします。体重は20ポンド(約9キロ)増えていて、その違いは確かに感じます」とパートンはIdol Horseに語った。

「最後の400mを軽く流しただけですが、しっかり息が入り、少し負荷をかけたことを自分でも分かっている様子で上がりました。レース当日に向けては、早めに状態を上げていく必要がありますね」

カーインライジングは昨季、シャティン1200mのコースレコードを2度更新し、シーズン8戦全勝。通算成績は15戦13勝とすでに圧倒的な強さを誇っているが、パートンは多くの馬と同様に、カーインライジングも成長の余地を残しているだろうと見ていたと話す。

「昨季は比較的若い4歳馬ながら全てをこなし、シーズンが進むにつれてどんどん良くなっていきました。香港馬の多くがそうですが、休養を挟んで一息つけば、一気に変わったかのように成長してくれるのではと期待していました」

「香港馬は、他の地域より成長曲線が遅い印象です。輸入後は環境が変わりますし、食が細くなることもあり、レースもハードで、天候への適応も難しい。完全に大人になるまで少し時間がかかるのです。5歳、6歳でさらに成長する馬もいます」

「昨季は見た目にも少し未完成なところがあったので、いずれ力が付いて成長すると信じていました。幸い、その手応え通りの感触です」

今後について、ヘイズ調教師は来月のシーズン開幕戦での復帰までのプランを明かした。

「今週金曜日にバリアトライアルを使って、その後、シーズン開幕前の土曜日にもトライアルに出します。戻ってきてからの様子はとても良く、ここまでの内容には非常に満足しています」

「従化トレセンではきちんと休養を取り、金曜日にシャティンへ戻ってきました。ジ・エベレスト遠征の具体的な計画については、シーズン開幕日のレースが近づいたタイミングでもう少し情報をお伝えします」

カーインライジングのオーストラリア遠征にどの馬が帯同馬として同行するかは未確定だが、オーストラリアンターフクラブ(ATC)の競馬・賭博部門責任者を務めるネヴェシュ・ラムダニ氏は、同馬が9月22日にシドニーへ到着し、10月7日にランドウィックでトライアルを行うと明かしている。

競馬場の芝コースを使ったトライアルではパートンが騎乗し、翌日はハッピーバレーでの騎乗のために香港へ戻る予定だという。

「本番の前週、火曜日に飛んでトライアルに乗り、その後ハッピーバレーで騎乗するために戻ります。それから、レース前日にまたオーストラリアへ向かいます」とパートン。「やっぱりワクワクしますし、オーストラリアの有力馬たちが出てき始めて、出走馬の顔ぶれが見えつつあるのも楽しみです」

ジャック・ダウリング、Idol Horseの競馬ジャーナリスト。2012年、グッドウッド競馬場で行われたサセックスステークスでフランケルが圧勝する姿を見て以来、競馬に情熱を注いできた。イギリス、アメリカ、フランスの競馬を取材した後、2023年に香港へ移る。サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、レーシング・ポスト、PA Mediaなどでの執筆経験がある。

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