ジョアン・モレイラ騎手が、7年ぶりにエイブルフレンドと再会した。月曜日、旧友と感動の再会を果たしたモレイラは大喜びの様子だった。
エイブルフレンドは現在、オーストラリア・シドニーから車で向かって3時間ほどの場所にある、ハンターバレーのトゥランガファームで余生を送っている。自身が生まれ育ったのもこの牧場のため、彼の故郷でもある。
かつてのライバル、モーリスはシャトル種牡馬としてアローフィールドスタッドで供用されているが、この牧場とは3キロほどしか離れていない。
「健康で幸せな生活を送っているようで良かったです。大事にされているようで嬉しいです」と、モレイラはにこやかにエイブルフレンドを撫でながら話す。
今回のモレイラの訪問には、牧場のマネージャーを務めるジョン・ラムジー氏、妻のエリン氏、そして4歳の娘であるミアちゃんが立ち会った。
15歳を迎えたエイブルフレンドは、引退馬や牛の相棒と共に放牧地で暮らしている。その引退馬というのが、かつてオーストラリアのカントリー競馬で走っていた騸馬のバレランバンディットだ。
「エイブルフレンドは時々牛を追いかけたりして遊んでいますよ」とラムジー氏は明かす。
「ダムの周りを散歩して涼んだりするのも好きなようです。良い放牧地を用意できました。毎日彼の様子を見て、6週間ごとの蹄の手入れも欠かしません」
モレイラは放牧地で30分間の再会を楽しみ、G1を4勝した愛馬との思い出をいくつか振り返った。
「一番の思い出は2014年の香港マイルです。本当に完璧な走りで、自分をリードしてくれるかのようなレースでした。あれは素晴らしかったです」
モレイラがエイブルフレンドと最後に会ったのは2017年、シャティン競馬場で行われた引退式の時だった。
「彼に会えて感動しました。オーナーの故コーネル・リーさん、妻のティサさん、娘のシャーメインさんはこの馬のことを大切にしていたので、今でもしっかり世話をされているだろうなとは思っていました。ですが、当時は彼にもう一度会える日が来るかどうか、本当に分からなかったですから」